排出ガス規制の強化により、2026年以降は4.0L水平対向6気筒にハイブリッドやターボを組み込むよう変更
ポルシェは今秋、「911」シリーズの高性能モデル「911 GT3」改良新型を発表したが、その頂点に立つ『911 GT3 RS』改良新型プロトタイプをカメラが捉えた。
911 GT3 RSは、シリーズで最もサーキット志向が強い、究極の911であり、“サーキットウェポン”などの異名を持つスパルタンモデルだ。
ニュルで捉えたプロトタイプは、改良されたフロントバンパーとヘッドライトが確認できる。後部のアップデートは顕著で、バンパーの角に新しいエアアウトレットを装備、他992.2世代と同じ新設計のLEDテールライトが配置される。また、ディフューザーも刷新されており、おそらく効率性の向上と、サーキットウェポンの外観をこれまで以上にアグレッシブにすることを目的としているのだろう。
インテリアはまだ撮影されていないが、992.2世代では、1964年の登場以来911の定番となっているアナログの回転計に代わる、新しいフルデジタル・インストルメントクラスターが導入されたので、GT3 RSにも採用されることが濃厚だ。
当初、GT3シリーズにはハイブリッドパワートレインが搭載されると噂されていたが、2025年型GT3は、昨年の自然吸気4.0リットル水平対向6気筒エンジンを引き継いでおり、RSも同じことをするのではないかと思われる。
ただし、ポルシェのエンジニアたちは排出ガス規制と格闘しており、GT3は最高出力510psを維持したものの、最大トルクは346ポンドフィート(470Nm)から331ポンドフィート(449Nm)に低下した。そして、この低下を補うために、ファイナルドライブは8%減少させた。
ポルシェが2026 GT3 RSに同じ考え方を適用すると仮定すると、現行モデルと同様の最高出力525psを発揮するが、現在の合計342ポンドフィート(463Nm)から約15ポンドフィート(20Nm)低下すると予想される。しかし、ファイナルドライブが短くなれば、現在の0-96km/hまでのタイム3.0秒に匹敵すると見られるほか、マクラーレン「セナ」でさえ到達できない空力レベルを維持する。
ポルシェのモータースポーツロードカーの責任者であるアンドレアス・プロイニンガー氏は最近、排出ガス規制の強化により、2026年以降は4.0L水平対向6気筒エンジンにハイブリッドやターボ技術を組み込むように変更する必要があると認めており、これが最後のノンターボで非ハイブリッドモデルになることだろう。
911GT3 RS新型のワールドプレミアは、最速で2024年内、遅くとも2025年秋ごろまでに登場するだろう。