全幅1930mmのナローボディに421ps/500Nmの2.0Lターボを搭載して4.6秒の0-100km/h加速を実現。2+2キャビンの後席は荷室容量が拡大できる分割可倒式シートを採用
メルセデスAMG GT クーペは、極めてダイナミックな走行性能と卓越したスポーツ性を備えると同時に、優れた快適性も兼ね備えたパフォーマンスラグジュアリーモデル。今回追加となる「GT 43」は、SLS AMG 、初代GT 2ドアクーペ、GT 4ドアクーペ、SLに続く、5番目のAMG独自開発モデルである新型メルセデスAMG GTクーペの追加モデルで、ドイツ・アファルターバッハ開発陣が誇る優れた技術、ノウハウを誇示する1台だ。
パワーユニットは、421ps/500Nmを発する2.0L直列4気筒ターボエンジン「M139」を搭載。このM139はエレクトリック・エグゾーストガス・ターボチャージャーを採用している。このターボチャージャーはF1由来の技術で、メルセデスAMGペトロナスF1チームがモータースポーツの最高峰であるF1において長年採用し、実績を上げているシステムを直接のベースとするものだ。
エレクトリック・エグゾーストガス・ターボチャージャーの電気モーターは厚さ約4cmで、排気側のタービンホイールと吸気側のコンプレッサーホイールの間のターボチャージャーの軸に直接一体化されている。このモーターが電子制御でターボチャージャーの軸を直接駆動し、コンプレッサーホイールを加速する。この加速はコンプレッサーホイールが通常のターボチャージャーと同じく排気の流れによって駆動されるようになるまで行われる。これにより、アイドリングスピードから全回転域にわたってレスポンスの速さが大きく改善される。アクセル操作に対するエンジンのレスポンスが一層自然なものとなるほか、ダイナミックな走りが楽しめるようになる。
これに加え、ターボチャージャーの電動化は低回転域のトルクを高める効果をもたらし、アジリティや発進加速性能の向上につながる。アクセルから足を離したり、ブレーキを踏んだりした場合でも、エレクトリック・エグゾーストガス・ターボチャージャーは常にブースト圧を維持することができるため、速やかなレスポンスが途切れることなく得られる。
組み合わせるトランスミッションは2ペダルの「AMGスピードシフトMCT 9速」を採用。一般的なトルクコンバータに代わり湿式多板クラッチを採用した設計は軽量かつ低慣性でレスポンスに優れ、ドライバーのアクセル操作に瞬時に反応するMTのようなダイレクト感が魅力だ。これによってエンジンのアウトプットは後輪に伝えられる。0-100km/h加速は4.6秒(欧州参考値)と発表された。
ボディサイズは全長4730×全幅1930×1365mm。既存の「GT 63 4MATIC+クーペ」より全幅が55mm小さく、普段使いでの扱いやすいサイズ実現している。そんなナローボディのエクステリアでは、他のAMG GTモデルシリーズと差別化する多くのユニークなディテールが含まれている。とりわけ目を引くのは、車両全幅にわたる大きなエアインレットを備えた新しいフロントエプロン。フロントおよびリヤフェンダーの幅が狭く、トラック幅が減少しているため、車両のエレガントなキャラクターが強調されているのだ。フロントフェンダーには新しいトリム要素も備えており、リヤエプロンもGT 43専用で、丸型のダブルテールパイプトリムが特徴だ。ホイールは20インチAMGアルミホイールが標準装備され、オプションで21インチ鍛造アルミホイールが選べる。
インテリアではAMG専用のスポーツシート(ナッパレザー)を標準装備しており、オプションでヘッドレスト一体型の極めてレーシーなAMGパフォーマンスシートを設定している。
GT 43では、スポーツカーにも実用性や利便性を求める方のために可倒式リヤシートによって4名乗車可能な2+2キャビンが標準となっている。リヤシートを倒せばラゲッジルームを最大675L(欧州参考値)まで拡大できる。なお、リヤシートに着座できる乗員の身長は150cmまでとなっている(チャイルドシート装着時は135cmまで)。
このほか、ツインスポークデザインのAMGパフォーマンスステアリングホイール(ナッパレザー)や、12.3インチのデジタルコックピットディスプレイと11.9インチの縦型メディアディスプレイの2画面を組み合わせる対話型インフォテイメントシステム「MBUX」、ブルメスター製サラウンドサウンドシステムを標準装備。オプションで後輪操舵システムのリア・アクスルステアリングを含む「AMGドライビングパッケージ」などが用意されている。