まず、A90 Final Editionには、BMW製3.0L 直列6 気筒ターボチャージドエンジンのアップグレード版が搭載されており、最高出力435psと最大トルク570Nmを発揮する。このエンジンは6速マニュアル専用で、後輪駆動だ。
上記の数値は、改良されたエアインテーク、低背圧触媒、最適化されたエンジン制御により、標準のGRスープラより馬力が95ps、トルクが70Nm増加している。また、トヨタのエンジニアは、サーキット走行中の不均一な配分を防ぐためにエンジンオイルパンにバッフルプレートを追加し、冷却を強化、後車軸のアクティブディファレンシャルをアップグレードした。そして仕上げにAkrapovic(アクラポビッチ)チタンマフラーがサウンド体験を向上させるという。
さらなるパワーに加えて、GRスープラGT4レースカーにインスパイアされた、よりシャープなシャーシセットアップも採用されている。ハイライトは、調整可能なダンピングを備えたKWサスペンションだ。トヨタガズーレーシングは、フロントとリヤのスタビライザーやその他のサスペンション・ コンポーネントを強化、ホイールのキャンバー角を大きくして、可能な限り最高のハンドリングを実現した。
足まわりでは、フロントが19インチ、リヤが20インチの軽量ホイールに、幅広で接地力の高いミシュラン・パイロットスポーツカップ 2 タイヤを履いている。またブレーキまわりでは、フロントに高摩擦ブレーキパッド、4輪すべてにドリルフローティングディスク、ステンレス・メッシュブレーキホースを備えた19インチのブレンボブレーキが装着されている。
今回、噂されていたGRMNという名前は採用されていないが、A90ファイナルエディションには、カーボンファイバー製のスワンネック・リヤスポイラーをはじめ、ベント付きのボンネット、カナード付きの改良されたスプリッター、デュアルエキゾーストパイプのアフターバーナーなども備わっている。
キャビン内では、アルカンターラで覆われたカーボンファイバー製のレカロポディウムCFバケットシートを搭載。運転席は、センターコンソール、シートベルト、運転席側のドアカードとマッチした赤で仕上げられている。対照的に、助手席とキャビンの残りの部分は黒で、アルカンターラとカーボンファイバーのアクセントがふんだんに使われているのが特徴的だ。
一方、標準のGRスープラも改良された。電子制御ショックアブソーバーの設定が改訂されたほか、サスペンションのハードウェアも変更されている。さらに、ゴム製ブッシング、ゴム製マウント、スタビライザー、床下ブレースが強化され、剛性が高まり、ハンドリングが向上している。また、新しいアクティブ・ディファレンシャル・コントロールにより、トラクションが向上し、アンダーステアが軽減された。
その他の変更点としては、最適化された電動パワーステアリング、ホイールのキャンバー角の増加、大径のブレンボ製ブレーキディスク (フロントは18インチ))などがある。3.0リットル直列6 気筒ターボチャージャーエンジンは継承され、最高出力 387ps、最大トルク500Nmを発揮、6速マニュアルと8速オートマチックのオプションが引き続き提供される。
A90 GRスープラの生産が終了しても、さまざまなモータースポーツ活動で生き続けることだろう。そして、すでに次世代GRスープラの開発に着手しているようで、新情報を入手しだい、お伝えしていく予定だ。