ラヴァルは欧州Bセグメントの電動モデルで、2022年に公開された「アーバンレベル」コンセプトの市販型となる。バルセロナの特徴的な地域にちなんで名付けられた「ラヴァル」は、サイズ的には「ボーン」のすぐ下に位置し、現在販売されている同社のEVの中で最小モデルとなる。
全長400mm、ホイールベース2600mmの新型EVは、「MEBエントリー」プラットフォームを基盤としており、前輪駆動が標準となる。
ニュル高速テストで捉えたプロトタイプのフロントには、かなり大きな下部グリル、フロントブレーキを冷却するための通気口、三角形のヘッドライトが目立っており、クプラブランドが、常に、よりスポーティな外観のスタイリングで、セアトやフォルクスワーゲンと差別化を図ってきたことが見てとれる。ただし、「ベイビーポルシェ」と言えそうなヘッドライトはデカール(複写)であるほか、ビニールラップで実際のデザイン詳細は隠されていることを忘れてはいけない。
また側面では、フラッシュドアハンドルを備え、足回りでは、クプラ専用アロイホイールに夏用タイヤを履いている。また、後部では、ディフューザーに似たリアバンパーが確認できる。
バッテリーは、38kWhと56kWhを積み、最大440km(273マイル)の走行距離を実現すると思われる。大型バッテリーのセルの形状と化学組成は不明だが、小型バッテリーはLFP化学組成の角柱セルで構成されることはわかっている。
量産型で「MEBエントリー」プラットフォームにデュアルモーター仕様が用意されるかどうかは不明だが、フロントに搭載された電動ドライブユニットから最高出力200ps以上を引き出すことが確実とされ、もしデュアルモーターが搭載されれば、最高出力は340ps程度と予想される。
ラヴァルのワールドプレミアは2025年で、スペインのマルトレルの工場で製造される。価格はID.2の25,000ユーロ(約398万円)とほぼ同じで、VWグループ最安値EVとなる一方、最先端の技術も投入される。