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TOYOTA AQUA × NISSAN NOTE
広さではアクアが優れ、それ以外の点ではノートが勝る
両車のボディサイズは極めて近く、室内空間も同等だ。後席はアクアのほうがやや広く感じられるが、ノートの後席にはリクライニング機能が備わる強みがある。後席乗降性は開口部形状に優れたノートの方が上だ。
5人乗車時の荷室容量はノートの340Lに対してアクアは278Lに留まるが、床面の奥行きがあるぶんアクアのほうが使いやすい。両車には多くの違いがあるものの、それぞれの差は非常に小さく、クルマそのものの優劣はつけづらい。
そのため、外観や装備のほうが購入の決め手となりやすいだろう。アクアに比べるとノートの内装デザインは先進的だ。アクアの10.5インチの大型ディスプレイと全車に備わるACコンセントは誰の目にも魅力的に映る。
トヨタ アクア G
ボディサイズ=全長4050mm×全幅1695mm×全高1485mm
ホイールベース=2600mm
車両重量=1130kg
タイヤサイズ=185/65R15(前後)
日産 ノート X
ボディサイズ=全長4045mm×全幅1695mm×全高1520mm
ホイールベース=2580mm
車両重量=1230kg
タイヤサイズ=185/60R16(前後)
燃費性能のTHS-II vs. 上質感と静粛性のe-POWER
市街地走行の要となるフロントモーターの最大トルクはノートのほうが明らかに太く、アクアの約2倍となる280Nmを発揮する。街乗りではノートのほうが優れた動力性能を発揮するだろう。
しかし、高速道路では形勢が逆転する。常時モーターで走行するe-POWERは構造上、速度が上がるほど効率が低下する特性があり、とくに電力が枯渇しがちな高速道路の長い上り区間ではアクアのほうが乗りやすいと感じられるはずだ。
燃費性能は全域でアクアのほうが優れ、それぞれのWLTCモード平均燃費は33.6m/L(アクア G)と28.4m/L(ノート X)と大きな差がつく。一方で、全域モータードライブ特有の滑らかさと静粛性はノートならではの美点だ。
トヨタ アクア G
エンジン形式=直列3気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=1490cc
最高出力=91ps/5500rpm
最大トルク=120Nm/3800-4800rpm
トランスミッション=電気式CVT
駆動方式=2WD(FF)
日産 ノート X
エンジン形式=直列3気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=1198cc
最高出力=82ps/6000rpm
最大トルク=103Nm/4800rpm
トランスミッション=単速
駆動方式=2WD(FF)
甲乙つけがたいハイコスパな2台! 用途と好みで選ぶのが吉
ノートのグレードは「X」のワングレードのみで、価格はアクアの中間グレードとほぼ同じだ。3グレード展開のアクアのほうが選択肢は豊富だが、コスト面では両車互角と言えるだろう。
差が付くのはパフォーマンスの部分であり、何を優先するかでコスパの優劣は変わる。コストと燃費の比では絶対的にアクアが優れ、コスト対上質感で勝るのは圧倒的にノートだ。
どちらもハイコスパなコンパクトカーであることは間違いない。この2台に関してはコスパの優劣を気にせず、デザインの好みや用途で選び分けてもよいだろう。