目次
エントリーグレードは284万9000円、デリバリーは5月頃を予定
HYUNDAI(ヒョンデ)といえば韓国生まれの世界的自動車ブランド。日本では、燃料電池車やBEV(電気自動車)といったゼロエミッションビークルを、オンライン販売で展開している。
そんなヒョンデが注目のコンパクトBEVを、東京オートサロンという場で発表した。その名は「INSTER(インスター)」。全長3.8m、全幅1.6mと軽自動車より少し大きいくらいの小さなSUVスタイルは、まさに日本の駐車場事情にマッチしたサイズ感でとなっている。
多くのBEVは床下にバッテリーを積む構造を採用しているため、バッテリーサイズを稼ごうとするとホイールベースが長くなったり、ボディ幅が広がったりする傾向にある。エンジン車でも全幅1800mmを超えるモデルは増えているためBEVだけが大きくなっているわけではないが、小型車以下のBEVを求めるユーザーは日本の軽EVくらいしか選択肢がない状況だった。
そうしたユーザーの選択肢を増やすべく、「インスター」の日本導入を決めたという。なお、インスターはグローバルモデルであり、じつは世界的に”小さなBEV”へのニーズは高まっているのかもしれない。
もちろん、小さなBEVはアフォーダブル(手頃)な価格のBEVでもある。
インスターのグレード構成とメーカー希望小売価格は以下のようになっている。
Casual:284万9000円
Voyage:335万5000円
Lounge:357万5000円
車両型式を国土交通省に申請中ということで、一充電航続距離は未公開だが、バッテリー総電力量は42kWhと49kWhの2タイプを設定。後者の欧州仕様は満充電から370kmを走れる性能を持っているというから、日常的には不満のない後続性能が期待できそうだ。本日1月10日より先行予約は始まっているが、納車は4月から5月あたりになりそうということだ。
「想像より、相当楽しい」モデルが日常生活を充実させる!
注目のコンパクトBEVとはいえ、東京オートサロンを新車をお披露目する場に選んだのにはわけがある。インスターは実用一辺倒の小型BEVというキャラクターではない。日常生活の中で”愛車”であることを実感できるパートナーとして生み出されている。
そうしたキャラを前面に押し出しているのが『想像より、相当楽しい』というキャッチコピーだ。
大きな丸型ヘッドランプと、ヒョンデBEVの共通アイコンでもあるピクセルデザインをディテールに採用したスタイリングはいかにも楽しげなカーライフを想像させてくれるもの。もっともインテリアを見ると『想像より、相当楽しい』というキャッチコピーも納得できる。
あえて4名乗車として作り込んだキャビンは外観からイメージするよりずっと広い。後席にスライド機能やリクライニング機能があり、助手席を前に倒すとテーブルになるといったシートアレンジの豊富さは国産車も顔負け。車内にコンセントが用意され、家電が使えるのも、さまざまな可能性が期待できる。
フロント駆動のモーター最高出力は85kW、サスやADASは日本専用設計
最後に、インスターのハードウェアについて整理しておこう。
モーターの最高出力は85kW、最大トルクは147Nm、フロント駆動となっている。最小回転半径は5.3mとなっている。
スタイリングについてはグローバル共通仕様というインスターだが、走り味は日本仕様となっているのも注目ポイント。サスペンション、ADAS(先進運転支援システム)、ドライブモードなどは日本専用に作り込まれているという。
安全面でもペダル踏み間違いセーフティアシスタンス、ブラインドスポットインフォメーションシステムのほかサラウンドビューモニターやナビ連動タイプのクルーズコントロールなどコンパクトカーに期待する以上の充実ぶりだ。
それでいて、エントリーグレードでは300万円を大きく切るという戦略的な価格設定なのだ。2025年には、ヒョンデの名前を見かける機会がこれまで以上に増えそうだ。