アルピーヌブースに輝く魅惑のハンドリングマシンA110のバリエーション3態【東京オートサロン2025】

ルノーグループの中にあって、スポーツモデルの展開を一手に担うアルピーヌ。東京オートサロン2025では、3台のA110を展示している。

全勝で全日本ジムカーナチャンピオンに輝いたA110R

アルピーヌブース内にあってピンクをベースとした派手なカラーリングで眼を引くA110は、山野哲也選手が2024年の全日本ジムカーナ選手権PE1クラスチャンピオンを獲得した「EXEDY 71RS A110R」だ。全部で9戦行なわれたPE1クラスではなんと全勝でタイトルを獲得。ちなみにA110でのチャンピオンは3年連続。そして山野選手に至ってはこれで24度目のジムカーナ選手権チャンピオンという前人未踏の大記録を成し遂げたマシンだ。ジムカーナはナンバー付き車両で争われるとあって、カラーリング以外の外観は市販車と大きく変わることはない。言い換えれば元の車両の素性の良さが現れるということなので、A110Rのポテンシャルの高さを証明する1台なのだ。

ボンネットに燦然と輝く「V24」のステッカー。

エレガンスな味付けのA110GT

こちらはA110GT。「GT」の名がつくことからもわかるとおり、A110のハイパフォーマンスと、グランツーリスモにふさわしいエレガンスさを融合させたグレードだ。エンジンは1.8L直4ターボで300PS/34.6kgmを発揮。これに7速DCTを組み合わせてミッドシップにマウントし、車重は1120kgに収まる。他のスポーツモデルがどんどんパワフルに、しかし重くなっていく中で、必要十分なパワーと、軽量ミッドシップのハンドリングで自分の手の内でコントロールする楽しみを味わえるのがA110の魅力なのだ。車両価格は1150万円。

オプションパーツを装備した究極の姿、A110R TURINI

エンジンパワーはA110GT、A110Sと同じ300PS/34.6kgmだが、車重は1100kgまで軽量化されている。

A110のポテンシャルを極限まで磨き上げたのが、A110R TURINIだ。A110Rの「R」は「Radical(過激)」を意味し、カーボン製ボンネット&エンジンカバーやフルカーボンバケットシートで徹底的に軽量化。さらにスワンネックステーのリヤウイングをはじめとする専用のエアロパーツや、車高調整機能&減衰力調整機能付ダンパーを装着した専用シャシーによって、A110のハンドリングを磨き上げた。A110R TURINIは、そのA110Rの走りはそのままに乗り心地に優れたアロイホイールを履かせたグレードである。車両価格は1610万円。展示車両には、オプションのアクラポヴィッチ製チタンエキゾーストや、超軽量のOZ製鍛造アルミホイールが装着されており、A110の究極の姿を披露していた。

ボンネット、エンジンフードはカーボン製。A110R登場当初はさらにホイールまでカーボン製だったが、A110R TURINIはアルミホイールを標準で履く。
最新のGTレースカーのトレンドであるスワンネックステーのリヤウイングを装備。市販車で装着されるのは、ポルシェ911 GT3や日産GT-R NISMOなど、ごく限られたスポーツモデルだけだ。
A110R TURINIにオプションで設定されるアクラポヴィッチ製チタンエキゾーストは、重量僅か8.2kgで、標準仕様よりも3.5kgも軽い。独特の咆哮のようなサウンドも魅力だ。価格は120万円。
A110シリーズに対応するOZ製の鍛造アルミホイールは、ル・マン24時間レースを戦うアルピーヌA442に装着されるレース用ホイールをモチーフに生み出されたもので、軽量高剛性が魅力だ。フロント用は18×7.5Jで重量は7.9kg。17万7100円。リヤ用は18×8.5jで重量8.5kg。18万2600円だ。
A110には、専用のブレンボ製キャリパーが装着されるが、そのキャリパーカラーをオプションで変更できる。設定は全部で7色。4輪分のキャリパーカラー変更は6万5000円で行なえる。

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大津 英昭 近影

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