アウディが電動化戦略「Vorsprung 2030」に基づいた日本での活動進捗を発表

アウディジャパンはこのほど、アウディの電気自動車e-tronファミリー初のプレミアムコンパクトSUV であるQ4 e-tronの発売を機に、東京たま未来メッセ(東京都八王子市)において「Audi Q4 e-tron Dynamic Launch」を開催。アウディが進める電動化戦略「Vorsprung (フォアシュプルング=先進)2030」に基づいた日本での活動進捗を発表した。

「ポテンシャルの高い再生可能エネルギーの活用が増えてきている。この機を逃すことなく、これからも持続可能な社会の実現の重要性を訴えていくためにも、対話の継続が必要」(アウディジャパン ブランドディレクター マティアス・シェーパース氏)

アウディジャパン ブランドディレクター マティアス・シェーパース氏

アウディジャパンはこのほど、アウディの電気自動車e-tronファミリー初のプレミアムコンパクトSUV であるQ4 e-tronの発売を機に、東京たま未来メッセ(東京都八王子市)において「Audi Q4 e-tron Dynamic Launch」を開催。アウディが進める電動化戦略「Vorsprung (フォアシュプルング=先進)2030」に基づいた日本での活動進捗を発表した。

「Audi Q4 e-tron Dynamic Launch」では、今年1月に開催された「Audi New Year Press Conference 2022」でアウディの電動化戦略の原動力となるQ4 e-tronの発表から今日に至るまでのマーケット変化、アウディが独自に加速させる変革、サステイナブルな社会の実現の重要性について、アウディジャパンでブランドディレクターを務めるマティアス・シェーパース氏が振り返り、「今年1月にBEVシフトへの意識変革、ディーラーとのさらなる連携構築、日本最大級の急速充電ネットワーク構築の重要性について発表以来、日本でのe-tron戦略を着実に実行してきている」と説明。

また、ポルシェジャパンとともに展開する150kW急速充電器ネットワーク「プレミアム チャージング アライアンス」に関しては、新たにフォルクスワーゲンジャパンが加わったことにより、ドイツ輸入車3ブランド総合計約210拠点222基の90-150kW急速充電器を段階的に使用可能になることで、3ブランドのオーナーの利便性が高まる日本最大級の急速充電ネットワークを構築したことについて述べた。

トークセッションでは、ドイツからアウディAGの最高戦略責任者であるシルヤ・ピィCSO(Chief Strategy Officer)がオンラインで参加。アウディはサステイナビリティを重点分野と据え、世界のトレンドを分析し、会社の未来を自分たちで作るために、従業員のボトムアップでまとめたアウディの電動化戦略 Vorsprung 2030について説明。「持続可能な社会の実現は、ひとつの企業の課題ではなく、社会全体のタスク。アウディは、SDGsやESG(※)を意思決定のプロセスに盛り込み、ブランド変革を着実に進めるとともに、社会全体、政策立案者、他の業界と対話を続け、タイムラインを示し目に見える形で、強いシグナルを送り続ける」と語り、「今、この大切なとき、未来のモビリティに関する議論のサポートをお願いします」と加えた。
※環境(Environment)、社会(Social)、統治(Governance)の頭文字を合わせた言葉

伊藤忠総研・上席主任研究員兼モビリティ・オープン・ブロックチェーン・イニシアティブ理事の深尾三四郎氏(写真左)とマティアス・シェーパース氏

またゲストの伊藤忠総研・上席主任研究員兼モビリティ・オープン・ブロックチェーン・イニシアティブ(MOBI)理事の深尾三四郎氏は、コロナ禍、ウクライナ情勢、半導体不足、電力不足等、世界のさまざまな事情が激変するなか、欧米の視察を終えた印象として、「脱炭素、サステイナビリティの方向性は基本的に変わらない。欧州に加えて、アメリカがEV産業確立に自信を深め、加速している」と述べた。

一方で、「Audi Sustainable Future Tour」の事例にもあるように、日本各地のポテンシャルを高く評価。「これから真のEV元年を迎える。日本にも各地域の強み・個性を引き出すことにより、この難局を乗り越えていくチャンスがある。とくに、エネルギーの地産地消、サーキュラーエコノミー領域で、ボーダーレスに世代間、官民連携、産業を超えて、対話を継続することにより、事業成長の大きなチャンスがある。」と語り、「日本でも、EVと再生可能エネルギーを中心とした、新しいエコシステムを作る議論が高まることを期待している」と締め括った。

そしてシェーパース氏は、「日本において、地域に目を向けるとSDGsに対するパッションを強く持つ方が多くいる。世の中がSDGsの意識が高まっているなかで、自動車メーカーとして我々がどのように見られているか、そして地方、街、電気自動車この3つの要素に対して、どのようなハードルがあるのかを議論する場を設けてきた。ポテンシャルの高い再生可能エネルギーの活用が近年少しずつ増えてきている。この機を逃すことなく、これからも持続可能な社会の実現の重要性を訴えていくためにも、対話の継続が必要である」と述べた。

アウディは、ドイツ本社の電動化戦略 Vorsprung 2030に基づき、持続可能なプレミアムモビリティを提供する企業への変革を続けている。2033年以降は全モデルの販売を電気自動車とする計画を発表。日本でも2022年10月12日に、新たに「Q4 e-tron」と「Q4 スポーツバックe-tron」を発売。現時点で、国内計8車種の電気自動車を販売し、今後2024年までに15車種以上の電気自動車が日本に導入される予定だ。日本最大級の急速充電ネットワークサービス「プレミアム チャージング アライアンス」や、旅行先などにおける目的地充電を可能にする「デスティネーションチャージ」によるネットワーク構築を導入するなど、日本でも、カスタマーが電気自動車を検討しやすい環境作りに取り組んでいる。

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