1959年に初代モデルがデビュー。好調な販売を続け、慌てて投入されたライバルの初代コロナを寄せつけなかった。ただしエクステリアデザインなどは、やや時代遅れの感は否めなかった。
1963年に登場した2代目はそんな反省もあったのか、当時のモーターファン誌によると、「尋常なデザイナーの作品と思えないフシがある」と、デザインレベルの高さを評している。現在ではカーマニアの間などではこの2代目はピニンファリーナによってデザインされたと理解されているが、やはり当時のモーターファン誌では、「ピニンファリーナがデザインしたともっばらの噂であるが、これについては、日産自動車はなんら公式な発表をしていない」としており、その真偽は定かではなかった。しかしテールランプにはボディ側に小窓が設けられ、テールランプの灯りがトランクルームランプも兼ねるようにするなどの「小ワザ」の効かせ方からみても、失礼ながら、当時の社内デザイナーのアイデアとは思えないのは明らかだった。
インテリアについても、当時はバーメーターあるいは、円型のスピードメーターを採用していたのだが、半円形のスピードメーターにするなど、とにかく芸が細かった。
「発売当初2週間で5000台を突破した」と、売れ行きの良さが報じられ、業界人からも高い評価を受けていた。しかしエクステリアデザイン、とくに特徴的な「尻下がり」な部分が不評となり、1964年に「アローライン」を採用した3代目
コロナがデビューすると、あっとい
「発売当初2週間で5000台を突破した」と、売れ行きの良さが報じられ、業界人からも高い評価を受けていた。しかしエクステリアデザイン、とくに特徴的な「尻下がり」な部分が不評となり、1964年に「アローライン」を採用した3代目
コロナがデビューすると、あっという間に販売台数で抜かれた。
メカニズム面ではフレームレスモノコックボディを採用するなど、進化を続けたのだが……。
パワートレーンは初代ベースの1ℓと1.2ℓを当初は設定。1965年のマイナーチェンジで1.2ℓエンジンのボアをそのままにストロークアップした1.3ℓに変更された(1ℓはそれまでに廃止)。デラックスグレードにはオートチョークが採用されている。
当時盛り上がりを見せ始めたモータースポーツブームを反映し、1964年には1.2ℓSUツインキャブ採用で65psを発生した、「ss(スポーツセダン)」を発売。1965年のマイナーチェンジでは、フェアレディの心臓であるR型1.6ℓSU型のツインキャブエンジンを移植した「sss(スーパースポーッセダン) 」を発売。
ライバルコロナには、「スポーツ」というキーワードで対抗していた。
SPECIFICATIONS:Bluebird Deluxe(1963)
〈寸法重量〉
全長×全幅×全高:3990×1490×1415mm
ホイールベース:2380mm
トレッド前/後:1206/1198mm
車両重量:915kg
乗車定員:5人
〈エンジン〉
直列4気筒OHV
ボア×ストローク:73.0×71.0mm
総排気量:1189
最高出力:55ps/4800rpm
最大トルク:8.8kgm/3600rpm
燃料供給装置:SUタイプ
〈トランスミッション〉
3MT
〈駆動方式〉
RWD
〈サスペンション〉
前・ウイッシュボーン式、後・半浮動式
〈ブレーキ〉
前・2リーディング式ドラム、後・リーディングトレーリング式ドラム
〈タイヤサイズ〉
5.60-13-4P
〈最高速度〉
120km/h
〈価格・当時〉
66.7万円