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世界中でSUVブームが巻き起こっている。たしかにSUVは車高が高くかっこいいし、荷物も多く載せられることができ、若者から年配の方まで幅広い年齢層に支持されている。いっぽうSUVブームの陰で、セダンの人気は急速に下火となってきている。1990年代まではセダンは人気は高く、若者を含め多くの人がセダンに乗っていた。だが、現在ではセダンはカテゴリー別シェアで10%ほど。どのメーカーも少しずつセダンのラインアップを減らし、ここ20年ほどで一気に元気がなくなってしまった。しかし、セダンには、低重心から得られる安定した走行性能など、他のカテゴリーにはない多くの魅力がある。
今回はそんな魅力あるセダン、そのなかでも運転の楽しいGTセダン5選をご紹介しよう。発売当時、高価だった価格のクルマも、現在、中古となれば50万円で狙える魅力的なモデルも少なくない。ぜひ自分に合う一台を見つけていただきたい。
ただ、50万円の中古のスポーツセダンを選ぶとなると、クルマを見極める目も重要だ。そのクルマの状態、程度はしっかり確認してから購入していただきたい。また、必ずしもそのトップグレードだけが良いとは限らない。同じエンジンを積んだ、他のグレードに変更するのもひとつの手だ。しっかりと、どのグレード、どのエンジンが良いかをしっかりと確認してから探すと良いだろう。
5代目ホンダ・インスパイア 3.5ℓ i-VTECエンジンの上質な乗り味が魅力のプレミアムGTセダン
5代目ホンダ・インスパイアは、それまで受け継がれてきた上級セダンとしてのスポーティな走りと上質さをいっそう高め、「走る・曲がる・止まる」といったセダンのもつ基本性能を大幅に進化させたモデルだ。また、デザイン、空間、走り、機能のすべてにおいて、「ダイナミズム」と「インテリジェンス」の両立を目指して開発された。実はこのモデル、日本国内専売ではなく、北米でも販売されていた世界戦略車である(現地名:アコード)。そのため、ゆとりのあるボディサイズを持ち合わせている。
搭載されるV6 3.5ℓ i-VTECエンジンは、走行状況にあわせて6気筒、4気筒、3気筒での燃焼に切り替える進化型の「可変シリンダーシステム(VCM:Variable Cylinder Management)」の採用と、徹底的な吸排気効率や燃焼効率の向上により、当時国産3.5ℓクラスセダンで唯一の無鉛レギュラーガソリン仕様でありながら、280ps、342Nmの高出力・高トルクを達成している。
さらに上級セダンとしてのダイレクトな操作感としなやかな乗り心地を実現するために、新開発のサスペンションや、低重心化・低慣性化を実現した軽量・高剛性ボディを採用。乗り心地が非常に良く、ストレスなくドライブが楽しめる。
平均中古車価格は約45万円
たとえば「インスパイア 35iL 2008年式、走行5万kmで車両本体価格35万円」というような中古車がある。
あまり走っている姿を見ないので、人とかぶりたくないという方にもおすすめの一台だ。
詳細スペック:35TL
全長×全幅×全高(㎜)=4940×1845×1475
ホイールベース(㎜)=2800
エンジン:3.5ℓ 水冷V型6気筒SOHC24バルブ
駆動:FF
最高出力:280ps(206kW)/6200rpm
最大トルク:34.9kg・m(342Nm)/5000rpm
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
トランスミッション:5AT
車重(kg):1600
新車価格:330万円
※2007年発売当時のスペック
11代目 日産スカイライン(V35型) グランドツーリングからスポーツ走行までこなせる!
11代目となる「スカイライン」は、それまでのスカイラインの伝統を大切にしながら、「21世紀の理想のプレミアムスポーツセダン」として開発された。専用のV6エンジン、フロントミッドシップの新世代(当時)「FMパッケージ」が採用された。
この「FMパッケージ」の採用により、それまで相反すると考えられていた要素の高い次元での両立、すなわち「スポーティな走りと高級サルーンの乗り心地」「ロングホイールベースと優れた取り回し性能」「空力のよいスタイルと広い室内空間」の両立を可能としている。
搭載されるエンジンはV6DOHCの3.5ℓ(272ps)、直噴の3ℓ(260ps)、2.5ℓ(215ps)の3ユニット。またeVTC(電子制御式連続可変バルブタイミングコントロール)を採用することで、高出力と低燃費を両立しているのも特徴だ。
なかでも、おすすめは3.5ℓモデル。GTカーとしての実力はもちろん充分で、安定した走りが魅力なのだが、アクセルを踏み込むと鋭い加速を見せ、「スポーツセダン」としての伝統を受け継いでいることを理解できる。2003年には6MTモデルも登場している。グランドツーリングとスポーツ走行、どちらも兼ね備えたモデルだ。またスポーツ性能を3.5ℓにはかなわないが、エントリーモデルの2.5ℓでも充分力強く、不満を感じることはない。
平均中古価格は約56万円。
たとえば2.5ℓモデルだと「スカイライン 250GT 2005年式、走行6万3000kmで車両本体価格30万円」というような中古車がある。3.5ℓモデルはタマ数が少ないうえ、価格も他のモデルより高いので注意が必要だ。 また、このV35型自体もここ1年で価格変動が大きく、昨年の10月より平均価格が20万円上がっている。価格変動にも注目しよう。
詳細スペック:350GT
全長×全幅×全高(㎜)=4675×1750×1470
ホイールベース(㎜)=2850
エンジン:3.5ℓ V型6気筒DOHC
駆動:FR
最高出力:272ps(200kW)/6000rpm
最大トルク:36.0kg・m(353Nm)/4800rpm
使用燃料:無鉛プレミアムガソリン
トランスミッション:CVT
車重(kg):1550
新車価格:366万円
※2002年発売当時のスペック
4代目スバル・レガシィ B4 GTカーとしての「本質」を追求した名車
4代目スバル・レガシィ B4は、「走りと機能と美しさの融合」を開発テーマに、その核となる水平対向エンジンを用いた独自のパワートレーン「Symmetrical AWD(シンメトリカルAWD)」のさらなる性能向上を図り、グランドツーリングカーとしての「本質」を追求したモデルだ。
具体的には、愉しさ、美しさ、感動の具現化を目指し、レガシィであることに徹底的にこだわりながらも、そのデザイン、エンジン、シャシー、ボディなどのレベルを向上させた。
また、それにより、スバルが目指す、世界に通用するグランドツーリングカーにふさわしい性能を実現した、現在でも人気の高いモデルだ。
2.0ℓから3.0ℓモデルまで、パワートレーンの種類は豊富だ。ただ、グランドツーリングカーとして特におすすめなのは2.0ℓターボモデル。ツインスクロールターボを採用してターボシステムをシングル化し、タービンへの排気流入路の2連構造化と等長等爆エキゾーストにより、効率よくタービンを回転させ、吸気充填効率を向上させている。また排気側タービンの材質に軽量なチタン合金を採用し、全回転域における優れたアクセルレスポンスと343Nmという高トルクを実現した。
MTが選べるのもポイントだ。今でもファンがいるのが納得できるほど、完成度は高く、走行中の剛性感、安定感、安心感が感じられる魅力あるGTセダンだ。
平均中古価格は約47万円。
たとえば2.0ℓターボモデルだと「レガシィ B4 2.0GT 2006年式、走行4万1000kmで車両本体価格39万円」というような中古車がある。ただしターボモデルは他のモデルより中古価格が比較的高いため、50万円以内のモデルを選ぶ際はしっかり状態をチェックする必要がある。
詳細スペック:2.0GT
全長×全幅×全高(㎜)=4635×1730×1425
ホイールベース(㎜)=2670
エンジン:2.0ℓ 水平対向4気筒DOHC16バルブターボ
駆動:フルタイム4WD
最高出力:260ps(191kW)/6000rpm
最大トルク:35.0kg・m(343Nm)/2400rpm
使用燃料:無鉛プレミアムガソリン
トランスミッション:5AT
車重(kg):1440
新車価格:280万円
※2003年発売当時のスペック