アウトドアシーンに映える自分専用の基地現る!「ダイハツ・タント ファンクロス」【最新国産新型車 車種別解説 DAIHATSU TANTO FUN CROSS】

スーパーハイトワゴンの中でもトップセラーの一角「ダイハツ タント」からアウトドアを徹底的に楽しめる「ファンクロス」が登場。タントの代名詞とも言えるミラクルオープンドアに、フックが多数取り付けられリア周りが強化された荷室はカスタムも容易。アクティブな行動派をさらにアップグレードしてくれる。
REPORT:竹岡 圭(本文)/塚田勝弘(写真解説) PHOTO:中野幸次 MODEL:佐々木萌香

遊びに飛び出したくなるファンなルックス

スーパーハイトワゴンの王者、タントが2022年秋に商品改良を実施。同じタイミングで新しく加わったのが、アウトドアテイストいっぱいのモデル、ファンクロスだ。基本的にタントカスタムと、フードやフェンダーのプレス形状は同じものだが、上下2分割のバンパーとし、ブラックの加飾を施すことで、随分と違う雰囲気を醸し出しているのには感心させられる。加えて、下まわりの加飾は樹脂でできているのも、草や砂利などで傷がつきやすい、アウトドアシーンを考慮したものとなっているのだ。

エクステリア

ファンクロスは、専用フロントグリルやヘッドライト、ルーフレールなどによりアクティブな雰囲気を醸し出している。最低地上高はベース車と同じ。流行のアースカラーを含め、全13色の多彩な外装色を設定する。最小回転半径は4.7m。

ボディサイズはルーフレールが装着されている分、タントカスタムよりも30㎜ほど背が高い。1785㎜という数値は、立体駐車場に入れる際に覚えていた方が良い項目といえる。さて、タントの見どころといえばBピラーレスのミラクルオープンドアと、運転席のロングスライドだ。子育てに便利といわれているこの特徴は、アウトドアシーンでの基地としても、さまざまな使い方ができそうなのは想像に難くない。加えてファンクロスは、荷室まわりまで強化されているのがポイントだ。

乗降性

従来のタントからの進化となったのが、ラゲッジボードの採用だ。裏側には、テーブルの脚が出てくる仕掛けが施されている。無論、アウトドアテーブルとしても使えるが、脚立にはしないように要注意。中に鉄芯を入れしっかりつくってはあるそうだが、耐荷重は20㎏だ。

この脚を出したまま荷室にセットすると、荷室を2分割する棚となり、さらに後部座席の背もたれを倒したときに、同じ高さのフラットな広い空間をつくり出すことができる。後部座席の背もたれは、テーブルと同じドット柄の防水防汚シートとなっており、お掃除が簡単なのもありがたいポイントだ。

インストルメントパネル

インパネはベース車と同様の水平基調で、センタークラスターにシフトレバーなどの操作系を配置。ファンクロスは、オレンジ加飾やカモフラージュ柄シート表皮などが備わり、アウトドアシーンで映える。

また、荷室まわりでの作業が増えることを考慮して、後部座席は荷室側からもスライドできるようになった他、荷室天井照明と右側のクオータートリムに照明&USBソケットも用意されている。さらにフックもたくさん設けられているので、カスタマイズの楽しみも広がりそうだ。

居住性

運転席まわりは、オレンジの差し色がポイント。シート表皮も六角形モチーフのカモフラージュ柄で、オーソドックスではあるものの雰囲気は満点だ。それよりなにより、とにかく広く、運転席からフロントガラスまでが遠く感じるくらいだ。パワートレインは、21年のタント改良時と同じもので、細かい制御の煮詰めで燃費性能が上がっている。

NAとターボの2本立てだが、どちらもとにかくトルクフルなのが特徴だ。出足から力強さがあるので、荒れ地での走破力もそうだが、ACCと併せてのロングドライブでも威力を発揮してくれる。

うれしい装備

タントは2022年秋の改良で荷室をつくり直し、上下2段調整式デッキボードを採用。写真のように上段に設置すると、後席背もたれの前倒し時にフラットになる。取り外して脚を展開するとテーブルとして使用可能。
追加モデル発表          22年10月3日
月間登録台数           10604台(22年7月~12月 タントシリーズ平均値)
WLTCモード燃費          26.4km/ℓ※ファンクロス(FF車)

ラゲッジルーム

空間が大きい割には、音が反響することもなく、前後席での会話も問題なくできるし、後部座席での乗り心地も上々。スーパーハイトワゴンともなると、後ろに人を乗せることも多いが、その辺りは心配ご無用だ。さらに安全装備等は、夜間でも歩行者対応する衝突被害軽減ブレーキなど、ムーヴキャンバスと同じ最新のものが投入されているので、その点も安心感は高い。これは、新王者の呼び声も高そうだ。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.147「2023年 国産新型車のすべて」の再構成です。

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