メルセデス・ベンツの新型電動7シーターSUV「EQS SUV」が上陸! 一充電走行距離は最大593km

メルセデス・ベンツ日本は5月29日、メルセデス・ベンツのラグジュアリーSUV電気自動車「EQS SUV」の日本導入を発表し、同日発売した。税込車両価格は「EQS 450 4MATIC SUV」が」1542万円、「EQS 580 4MATIC SUV Sport」が1999万円で、ハンドル位置はいずれも右のみ。

前後アクスルそれぞれにモーターを搭載して四輪を駆動。EQS 450 4MATIC SUVは360ps/800Nm、EQS 580 4MATIC SUV Sportは544ps/858Nmを発揮

EQS SUVは、メルセデス・ベンツが長年培ってきたラグジュアリーと快適性の理想を実現した電気自動車EQSに、大人7人が快適に過ごすことのできる質感が高い室内空間と、SUVならではの使い勝手の良さを加えたモデル。ボディサイズは全長5130〜5135×全幅2035×全高1725mmで、ホイールベースは3210mm。2基の永久磁石モーターを備えた4輪駆動モデルで、不整地や滑りやすい路面を走る際に活躍するオフロードモードが標準装備されている。一方で、リヤ・アクスルステアリングが標準装備されており、後輪は最大10度操舵される。これによりEQS SUVの最小回転半径は5.1mと、大柄なボディにもかかわらずコンパクトカーに匹敵する優れた取り回し性を備えているのも特色だ。

EQS SUVには前後アクスルに電動パワートレイン(eATS)を搭載。電気モーターには永久磁石同期モーター(PSM)が採用されている。 PSMはACモーターのローター(回転子)に永久磁石が取り付けられているため、ローターには通電の必要がない。電気モーターは三相の巻線を ひたつ備える六相式を採用しているため、きわめて強力だ。「EQS 450 4MATIC SUV」は360ps/800Nm、「EQS 580 4MATIC SUV Sports」は544ps/ 858Nmを発生。航続可能距離は EQS 450 4MATIC SUVが593km、EQS 580 4MATIC SUV Sportsが589km(いずれもWLTCモード)。トルクシフト機能によってフロントとリヤの電気モーター間で駆動トルクの連続可変配分が行われるため、前後駆動力配分は常に効率的かつ最適化されている。

リチウムイオンバッテリーの容量は107.8kWh。6.0kW(※)までの交流普通充電と、150kWまでの直流急速充電(CHAdeMO規格)に対応。CHAdeMo規格による充電時間は以下のとおり。
※日本における使用で想定される200V/30A充電の場合

日本仕様の特別な機能として、EQS SUVから車外へ電力を供給できる双方向充電(別途充放電器が必要)が可能である点が挙げられる。EQS SUVは家庭の太陽光発電システムで発電した電気の貯蔵装置(別途工事が必要)となるほか、停電した場合などに、電気を家庭に送る予備電源としても利用できることになる。なお、給電は MBUX設定画面よりバッテリー残容量10%〜50%まで 10%単位で設定可能だ。

デザインは、プレミアムなEVとしての専用プラットフォームをもとに生まれたもので、キャブフォワードデザインなど、内燃エンジン搭載車とは大きく異なるスタイリングであることがわかる。機能性やエアロダイナミクスに対する厳しい要求を満たす「目的に沿ったデザイン」には、ゆったりとした面の構成、継ぎ目の少なさ、そしてシームレスデザインといった「センシュアル・ピュリティ(官能的純粋)」の思想が反映されている。

フロントフェイスは「ブラックパネル」ユニットに統合されており、ライトバンドでつながっている左右のヘッドライトと、ディープブラックのフロントグリルによって、フロントフェイスが形成されている。 EQSセダンのデイタイムランニングライトは 3つの光の点が特徴的だが、 EQS SUVでは 3つの小さな三角形となっている。もうひとつの特徴として、バックライト付きの光モジュールの表面構造が挙げられる。

リヤのLEDコンビネーションランプの内部は、曲線的な螺旋構造となっており、立体的に映るような工夫が施されている。フロントと同じくリヤにも連続したライトバンド(光の帯)が設けられ、メルセデスEQモデルであることが強調されている。

インテリアは一貫したデジタル化が施されている。MBUXハイパースクリーン(※)はこれを実現したもので、3枚の高精細パネル(コックピットディスプレイ/有機ELメディアディスプレイ/有機ELフロントディスプレイ[助手席])とダッシュボード全体を1枚のガラスで覆うワイドスクリーンで構成されている。
※EQS 450 4MATIC SUVにオプション、 EQS 580 4MATIC SUV Sportsに標準装備

MBUXハイパースクリーン非装着時の EQS 450 4MATIC SUVでは、センターコンソールのデザインがわずかに異なっており、存在感のあるウッドトリムが装着される。アームレストから前へ向けて視覚的に一旦途切れた後に、ダッシュボードから浮いたデザインのメディアディスプレイへとつながっている。

2列目シートが電動調整式を標準装備としていることから、ラゲッジルームは645ℓから最大880ℓまで無段階に拡張できる。このため、乗員5名の場合でも、ゴルフバッグを4つまで積み込むことができる。また、2列目シートを倒すと最大2100ℓと、余裕の積載空間が生まれる。2列目シートより後ろで最大800ℓ、2列目シートを倒すと 2020ℓとなる。また、7座席すべてを使用する場合でも、3列目シート後方には195ℓのスペースが確保されている。

3列目シートは、ラゲッジルームフロアから起こして使用するもので、前に倒した状態では平らなフロア面となる。また、2列目シートにイージーエントリー機能が標準装備されるので、3列目シートへのアクセスは比較的容易だ。

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