ホンダ・ヴェゼルe:HEV 長期レポート | 購入編②ヴェゼル→ヴェゼル乗り換えだが、じつは先代は欲しくて購入したわけではなかった…

新型ホンダ・ヴェゼル購入記 「CX-ハリアー」とSNSで話題になったデザインが「じつはホンダらしい!?」と思えたのだ!

ワールドプレミアに向け先行撮影会でいち早く新型ヴェゼルの実車を見られたわけだが、撮影時はドアミラーの視界確保が確認できた以外はあっさりした水平基調のデザインは筆者の琴線に触れることなく今ひとつな印象だった。締め切りに間に合うよう事務所に戻り直ぐに撮影データを確認し入稿用データ作成のパソコン作業に入った。その時点では、まだ新型ヴェゼルのデザインに対し違和感は拭えなかった。しかしである……。
TEXT & PHOTO◎山上博也(YAMAGAMI Hiroya)

「シンプルなラインと面構成こそがホンダらしい」んじゃないか?

しかしである。

その後、動画編集作業でエクステリアの造形を繰り返し見るにつけ、次第に新型ヴェゼルのデザインに理解が深まりだしたのである。先代ヴェゼルのエッジの利いたデザインから新型ヴェゼルのデザインに連続性はなく、そこに違和感を持っただけで、そもそも昔からホンダのデザイン傾向はこの新型ヴェゼルのようにシンプルなライン構成のクルマが多かったはず。水平基調のインパネデザインは初代シビックからホンダ車では割と踏襲されているし、新型ヴェゼルのデザインの方がホンダとしては本流なのではないかと思うようになった。

リヤスタイルがハリアーに似ているといわれれば確かにそうかも知れないが……。

キャラクターラインがはっきりしていた先代ヴェゼルや先代フィットなどが逆にホンダとしては異質だったのではないか。そうなると俄然、新型が素敵に見えてきた。シンプルなラインと面構成こそがホンダらしいのだ。グリルでオラオラどうだぁ!と主張しないのもホンダの血統だ。こうして新型ヴェゼルのデザインを受け入れることが出来たのである。

僕がホンダ・ヴェゼルを選んだ理由 決め手はなんだったか?「e:HEV/FF/ボディ色はサンドカーキ・パール」

モーターファンをはじめとするさまざまなメディアで活躍中の山上博也カメラマンが新型ヴェゼルを購入した。「先代→新型」の「ヴェゼル→ヴェゼル」乗り換えである。第一印象は「えええっ?これが新型? これがヴェゼル?」と思ったのだが、購入に踏み切った。その理由から長期レポートをスタートしよう。 TEXT & PHOTO◎山上博也(YAMAGAMI Hiroya)



ヴェゼルからヴェゼルへとそんなにヴェゼル好きかと思われるかもしれないが、じつは先代ヴェゼルはそれが欲しくて購入したわけでない。

先代ヴェゼルのリヤスタイルは、まるでコアラのお尻のよう(個人の感想です)で、じつはあまり気に入ってなかった。

乗っていた(つまり前の前のクルマ)オデッセイがあと3カ月で車検を迎えるにあたり、車検を通すのに部品やタイヤを交換したりすると総額40万円もかかりそうなのがわかった。それなら買い換えた方がいいだろうと思って、撮影機材をたくさん積めるシャトルハイブリッドはどうかとディーラーへ試乗に行った。短い試乗だったのだがシャトルハイブリッドは、少々重量級の筆者にはどうもシートが合わないようで、その旨担当営業に伝えると「こっちはどうでしょう、決算なのでシャトルと同じくらいの金額に値引きしますよ」と勧められたのがヴェゼルだった。

先代ヴェゼルの荷室はシャトルより断然容量は少ないのだが、プロカメラマンといえどもデジタルカメラになってからそれほど機材は必要にならなくなっていたし、何よりヴェゼルにはホンダセンシングが付いたばかりだ。安全性を考え妻もホンダセンシングのヴェゼルを推すし、長男も免許を取れる年齢になることからデザインも悪くない流行りのSUVもいいだろうと購入を決めた。

購入決断まで20分もなかったように思う。この時点で最上級グレードだったHYBRID Z・Honda SENSINGを選択したが、ヴェゼルの情報はそれほど知らず発売当時に撮影で乗ったことがある程度だった。購入前に決めていたのは、オデッセイが街乗りだと5km/ℓと非常に燃費が悪かったので、次はハイブリッドにでもしようかというくらいで、車検前に納車の必要性があり急いでいたとはいえ、他社(車)ともまともに比較もせず、高い買い物であるクルマの買い方としてはクルマ業界人として恥ずかしいばかりだ。そんな買い方をした先代ヴェゼルだったが、インテリアの質感の高さやi-DCDのフィーリング、使い勝手良い室内寸法はお気に入りになり購入したことに後悔はまったくなくヴェゼルにして良かったと思う。

「CX-ハリアー」とはなかなか上手いネーミングだ!

さて新型ヴェゼルに話を戻そう。2月18日ワールドプレミアで新型ヴェゼルが発表されるとSNS上はご存じの通り騒然となった。新型ヴェゼルの注目度・期待の高さが窺い知れた。新型のデザインに対して「CX-ハリアー」と揶揄の言葉が飛び交う。「CX-ハリアー」とは上手いネーミングだなあと感心した。実車を見た筆者でさえ最初はなかなか理解できずにいたのだから写真やYouTubeでしか見られない一般の方々の反応は当然かもしれない。リヤスタイルがハリアーに似ているといわれれば確かにそうかも知れないが、この部分の造形は嫌いではない。むしろ先代ヴェゼルのコアラのお尻のようなリヤスタイル(個人の感想です)よりいい感じだ。

新型ヴェゼルのボディサイズは、全長×全幅×全高:4330mm×1790mm×1590mm ホイールベース:2610mm 先代ヴェゼルは、全長×全幅×全高:4295mm×1770mm×1605mm ホイールベース:2610mm


SNS上が騒がしいなか、こちらといえばデザインコンセプトを理解できてきたとは言え、まだすごく欲しいという気持ちでなかったのも本音だ。ただ所有のヴェゼルの残クレ終了の4月も近づいている。どうするか? 判断に迷っている時間はそうなさそうだ。乗り続けるには一括で残りを支払うか再クレジットとなり、さらに車検代がかかることになる。5年乗ったヴェゼルの走行距離はちょうど4万kmとまだまだ乗れると思うが、ハイブリッド車ゆえバッテリーの状態はこの先劣化が進むだろうし、あまり長く乗り続けるのは得策ではないと考えた。

乗り換えるとしてもし新型ヴェゼルを選ばなかった場合、他に何が欲しいか同等のボディサイズで考えるとマツダCX-30を候補となった。エクステリアデザインやインテリアのカラーや質感も結構好みだがメーカーサイトでちょっと調べてみると、エンジンバリエーションがSKYACTIV-X・G・Dと3種類もあり逆に選びづらい。というよりまず筆者、アイドリングストップ機構が生理的に好きじゃないので(機能をオフにすればいい話だが、それもなんだかね)純エンジン車はNGだった。ということで再び新型ヴェゼルに思いを寄せた。

初代ヴェゼルで一番不満なドアミラーの死角は解消されているし、ハイブリッドシステムも2モーターとなり走りは洗練されホンダセンシングもさらに進化しているのは確実。後席の広さや使い勝手の良さはそのまま踏襲されている。やはり新型ヴェゼルへ乗り換える方向性で行こうと決めた。

まずは価格を確認しよう。ワールドプレミア発表したならもう価格も出たろうと思いディーラーに電話を入れるも「まだ何も決まっていません」とのこと、わかり次第連絡貰えるようお願いした。
ある日、ディーラーの営業担当から「価格が出ました」と電話がきた。直ぐにでも確認に行きたかったが仕事の都合でそうもいかず、その週末にディーラーへ伺う約束し電話を切った。

さあ購入に向け一歩前進、ちょっとワクワクしてきた。
(続く)

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著者プロフィール

山上博也 近影

山上博也

フォトグラファー。札幌市出身。株式会社ヴュー代表でWEB・DTPデザイナーだったりもする。
幼少より好き…