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ドラレコはタクシーやトラック向けのアイテムとして2003年に初登場!
ドライブレコーダーはこの10年で大きく進化したのだが、その内容を分析するその前に、誕生から普及までの経過を振り返っておきたい。
まず、これが日本にて初登場したのは、ちょうど20年前の2003年だ。日本交通事故鑑識研究所から発売され、まずはタクシーに装着される。その後は他社からも発売され、トラックへも普及が広がった。
コンシューマ向けの製品は2006年に登場し、2008年には自動車メーカーによりディーラーオプション販売も開始された。
しかし、一般ドライバーにはなかなか浸透しなかった。初期のモデルは本体が缶コーヒーくらいの大きさだったことから邪魔になりがちで、価格も高かった。また、撮影した映像が事故時に証拠として役立つのかも不透明。これらを理由に、普及は進まなかったという。
しかし2012年にとある事件をきっかけとして注目度が高まる。それは、京都の祇園で発生した軽自動車の暴走事故だ。その被害者となったタクシーのドラレコに記録された映像がテレビのワイドショーで何度も流され、ドラレコの認知が広まった。
とはいえその上昇カーブはまだ緩やかだった。だが、またもや事故や事件をきっかけに状況が変化する。2017年に東名高速であおり運転をきっかけとする夫婦死亡事故が、2019年には常磐道あおり運転事件が起こる。そうしてあおり運転が社会問題としてクローズアップされ、身を守るためにドラレコが必要、そう考えるドライバーが一気に増えた。
10年前には機能のスタンダード化が未確立で、さまざまな機種が混在
ドライブレコーダーがどのように変化し進化したのか知るために、まずは10年前の2013年当時の製品をチェックしてみたい。
ちなみにこの頃の主流は1カメラタイプだ。一部リアカメラを装備するものも出始めてはいたが、それは主には室内を映すためのものだった。当時はまだ、後方を撮影する必要性は希薄だったというわけだ。
なお、上位機からエントリー機までの製品バリエーションは案外多かった。画質、GPSの有無、Gセンサーの有無、液晶モニターの有無などなどさまざまな部分で違いが見られた。つまり機能的には何がスタンダードなのか、確立されてはいなかった。
続いて、5年前の市場動向を見てみよう。まずこの頃には、機能的なスタンダードがある程度確立する。GPSとGセンサーは必須機能として定着した。そしてフルHD画質も多くの機種にて担保されるようになってきた。
画素数以外の部分でも高画質化が進んだのがこの頃だ。暗がりに強いCMOSイメージセンサーが搭載されたモデルが登場し、さらには明暗差の大きなシーンで白飛びや黒つぶれが抑制される機能であるHDR/WDRの搭載機も増えてきた。このあたりも、ハイエンド機とスタンダード機との違いとなった。
タイプ違いのバリエーションも、現在の形にかなり近づく。あおり運転対策が加速し、後方や側方までもをカバー可能な360度の全周囲タイプが登場する。前後2カメラタイプも増えだした。
現在では2カメラタイプが完全にスタンダード化! 高画質化も一層進展!
では最新のドライブレコーダーはどのような進化を遂げているのかを見ていこう。まずタイプ的には今や、2カメラタイプが完全にスタンダード化した。
そして数年前からは、新ジャンルも台頭している。それはデジタルインナーミラータイプだ。ミラー型は10年前からあったが、これはそれとは機能が異なる。以前のミラー型は取り付け性を上げるためにルームミラーと一体化させていたが、現在のそれはリヤカメラの映像をミラーに映し出せるようになっている。
次いで、機能面での進化のほどを見ていこう。まずは画質について。以前からフルHDがスタンダード化していたが、それを超えるスペックを有するモデルもかなり多くなっている。さらには暗がりに強いことと明暗差の大きいシーンでの対応力の高さが確保されたモデルが増えた。
また、安全運転サポート機能もここにきてさらに高性能化した。この部分でもあおり運転対策が盛り込まれることが増えている。
あと見逃せないのが、メンテナンス性の向上だ。ドライブレコーダーはSDカードにて映像を記録することになるわけだが、そのSDカードのメンテナンスフリー機能や寿命を知らせる機能を搭載するモデルも増えている。
さて、今やかなり多くのドライバーがドラレコを搭載済みだが、購入から数年が経過しているのなら最新機種への買い換えはアリだ。現在は、頼れるモデルが多くある。参考にしてほしい。