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ホンダは11代目となる新型アコードを日本でも発売する。新モデルはすでに北米で発売されており、同地では1.5L直列4気筒ターボモデルと2L直列4気筒エンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドモデルを展開しているが、日本に導入されるのは後者のみとなる。
日本でも北米でもライバルとなっているのはトヨタ・カムリ。どちらもEセグメントのFF 4ドアセダンで、北米では高い人気を誇っている。
また、日本ではマツダ6(旧アテンザ)も分類としては上記2モデルのライバルとなる。
カムリとマツダ6はモデル末期を迎えてはいるが、現状購入可能なクルマとして、アコードと比較してみる。
ボディサイズ比較
今回取り上げる3車種のなかでは、アコードが一番大きい。全長は100mmほど長く、全幅では20mmほど幅が広い。どのクルマもEセグメントに属するが、外からクルマを眺めてみれば全体としてひと回りほど大きく感じるかもしれない。
最小回転半径はカムリが5.7m(18インチタイヤを装着した場合は5.9m)、マツダ6が5.6mとなっている。新型アコードの最小回転半径は現時点では明らかになっていないが、先代からサイズの拡大が全長で70mm伸びただけであることや、ホイールベースが変わっていないことを考えると、先代の5.7mから大幅に拡大することはないと考えてよさそう。
■新型アコード(北米版Touringに準拠) 全長×全幅×全高:4,970mm×1,860mm×1,450mm ホイールベース:2,830mm トレッド 前 / 後:1,590mm / 1,613mm 最低地上高:135mm 車両重量:1602kg 乗車定員:5名 最小回転半径:- ■カムリ Xグレード 全長×全幅×全高:4,885mm×1,840mm×1,445mm ホイールベース:2,825mm トレッド 前 / 後:1,600mm / 1,605mm 最低地上高:145mm 車両重量:1,550kg(FF)、1,620kg(E-Four) 乗車定員:5名 最小回転半径:5.7m ■マツダ6セダン 全長×全幅×全高:4,865mm×1,840mm×1,450mm ホイールベース:2,830mm トレッド 前 / 後:1,585mm / 1,575mm(17インチタイヤ)、1,595mm / 1,585mm(19インチタイヤ) 最低地上高:160mm 車両重量:1510kg(2Lガソリン)、1,550kg(2.5Lガソリン)、1,610kg(2.2Lディーゼル/FF)、1,670kg(2.2Lディーゼル/4WD) 乗車定員:5名 最小回転半径:5.6m
サスペンションはフロントにマクファーソンストラット式を採用しているのは全車共通。リヤはアコードとマツダ6がマルチリンク式で、カムリがダブルウィッシュボーン式を用いる。
ちなみに今後登場する国産セダンでは、トヨタのクラウンセダンの開発目標地が全長5,030mm、全幅1,890mm、全高1,470 mm、ホイールベース3,000mmとなっている。これはアコードよりも少し大きい数字だが、現行カムリが年内で生産終了となるため、今後はクラウンセダンが実質的なライバルとなりそうだ。
パワートレイン比較
パワートレイン方面では3車で違いがある。
アコードは2L直列4気筒エンジンを搭載したe:HEVで、前輪駆動のみを展開。北米では1.5L直列4気筒ターボモデルがラインナップされているが、これは日本には導入されない。
カムリは、アコードよりもパワフルな2.5L直列4気筒エンジンにハイブリッドを組み合わせている。また、発進時や低μ路などを走行するときに自動で4輪駆動に切り替わるE-Fourが選択できる。
マツダ6はハイブリッドをラインアップしていないが、2L直列4気筒と2.5L直列4気筒のガソリンエンジン2種類と、2.2L直列4気筒ターボのディーゼルエンジンが選べる。これらに組み合わされるのは6速ATで、ディーゼルエンジン車では4WDの設定もある。
アコードの北米向けのスペックでは市街地で19.6km/L、高速道路で17.4km/L、総合で18.7km/Lとされている。
カムリは、Xグレードで27.1km/L(FF車)、それ以外のグレードでは24.3km/L(FF車)で、E-Fourは全グレード共通で21.6km/Lとなる(いずれもWLTCモードの数値)。
マツダ6は2Lガソリンエンジン車が15.0km/L、2.5Lガソリンエンジン車が14.2km/L、2.2LディーゼルエンジンのFF車が17.8km/L、同4WD車が17.0km/Lというスペックだ(いずれもWLTCモードの数値)。
■新型アコード(北米版Touringに準拠) エンジン種類:2L直列4気筒 エンジン最高出力:146HP/6100rpm エンジン最大トルク:181.7N・m(18.5kgf・m) / 4500rpm モーター最高出力:181HP/5000-8000rpm モーター最大トルク:247N・m(25.2kgf・m) / 0-2000rpm 使用燃料:無鉛レギュラーガソリン 燃料タンク容量:48.5L トランスミッション:2モーター内蔵電気式CVT ■カムリ エンジン種類:2.5L直列4気筒 エンジン最高出力:131kW(178PS)/5700rpm エンジン最大トルク:221N・m(22.5kgf・m)/3600-5200rpm フロントモーター最高出力:88kW(120PS) フロントモーター最大トルク:202N・m(20.6kgf・m) リヤモーター最高出力:5.3kW(7.2PS) フロントモーター最大トルク:55N・m(5.6kgf・m) 使用燃料:無鉛レギュラーガソリン 燃料タンク容量:50L トランスミッション:電気式無段変速機 ■マツダ6 2Lガソリンエンジン車 エンジン種類:2L直列4気筒 エンジン最高出力:115kW(156PS) / 6,000rpm エンジン最大トルク:199N・m(20.3kgf・m) / 4,000rpm 使用燃料:無鉛レギュラーガソリン 燃料タンク容量:62L トランスミッション:6EC-AT ■マツダ6 2.5Lガソリンエンジン車 エンジン種類:2.5L直列4気筒 エンジン最高出力:140kW(190PS) / 6,000rpm エンジン最大トルク:252N・m(25.7kgf・m) / 4,000rpm 使用燃料:無鉛レギュラーガソリン 燃料タンク容量:62L トランスミッション:6EC-AT ■マツダ6 2.2Lディーゼルエンジン車 エンジン種類:2.2L直列4気筒ターボ エンジン最高出力:147kW(200PS) / 6,000rpm エンジン最大トルク:252N・m(25.7kgf・m) / 4,000rpm 使用燃料:軽油 燃料タンク容量:62L(FF)、52L(4WD) トランスミッション:6EC-AT
アコードの先進装備は今後も進化へ
アコード、カムリ、マツダ6のいずれも、カメラやレーダーを装備。そしてそれらを活用した、歩行者や他のクルマ、障害物を検知してブレーキやステアリングを制御する安全機能のほか、レーダークルーズコントロールといった運転支援機能を持っている。
アコードは従来のHonda SENSINGを進化させたHonda SENSING 360を日本向けのクルマとしては初めて搭載した。このシステムはフロントカメラと5台のレーダーを組み合わせ、車両の周辺全方位を検知。従来からの機能に加え、発進時や低速走行時に前方で交差する車両の接近を知らせる前方交差車両警報や、車線変更時衝突抑制機能、車線変更支援機能が備えられた。
また2025年にはさらに事故のリスクとドライバーの負荷を減らすことを目指した次世代技術(ハンズオフ機能など)も搭載される予定だ。
北米価格を変換すると600万円級になるが……
価格はカムリがエントリーグレードのX(FF)で349万5000円、最上級グレードのWS“レザーパッケージ”(FF)なら448万4,000円という設定。
マツダ6がガソリン車のエントリーグレードである20Sが296万2,300円、ガソリン車最上級の25S L Packageで385万8,800円、ディーゼルなら最安のXDが3,38万2,500円(FF)、上位グレードのXD L Packageが427万7,900円(FF)となっている。
アコードの価格は未発表。だが、前情報ではGoogleビルトインが搭載されるとのことで、これは北米で展開されるものだとTouringに相当する。このグレードのアメリカでの価格はメーカー希望小売価格で38,190ドル(税抜き)。北米のアコードは現地で生産しているため、この価格には関税はかかっていない。本記事を編集している9月29日時点のレートは1ドル=149円ほどなので、およそ570万円となる。
これに日本での消費税10%を乗せると税込みで627万円……という計算になるが、新型が先進装備を多く載せているとはいえ、先代アコードの価格が税込み465万円からだったことを考えれば、流石に600万円台スタートという可能性は低いのではないだろうか。最近は物価が上昇しているとはいえ、ライバル車の値段なども考えても、500万円台で手に入れられると期待したい。