空荷のMT軽トラはスポーツカー……ではなかった? 那須の一般道路でドライブインプレッション!【ハイゼットトラックジャンボ オーナーレポート vol.8】

取材のために空荷のハイゼットトラックジャンボ(以下、ジャンボ)で栃木県那須地方へ行ってきたのが前回のお話。お昼過ぎに取材が終わったので、そのまま周辺を散策してみた。
PHOTO&REPORT:佐賀山敏行(SAGAYAMA Toshiyuki)

カスタムしてても、やっぱり軽トラに田舎道はよく似合う

この日、全国に直営店を構えるオートバイ販売店「レッドバロン」が運営するバイク専用サーキット「那須モータースポーツランド」でイベントが開催されていた。僕はその取材のため、ジャンボまで那須に来ていたのだが、イベントは午後1時に終了。挨拶や後片付けなども終えたのは午後2時だった。

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オフロードバイク運搬用としてだけでなく、僕は普段の足としてもハイゼットトラックジャンボ(以下、ジャンボ)を使用している。今回は取材のために、空荷のジャンボで栃木県那須地方へ行ってきた! PHOTO&REPORT:佐賀山敏行(SAGAYAMA Toshiyuki)

渋滞を避けるために、このまま帰宅しても良いのだが、せっかく空荷のジャンボでここまで来たのだ。どうせなら少し散策していこうと思い立つ。
というわけで、サーキットを出て高速道路とは逆方面にハンドルを切る。特に行き先があるわけではなく、なんとなくジャンボを走らせる。“あてのないドライブ”ってやつである(笑)

那須塩原市・りんどうライン周辺を散策した。

前回の記事でも書いたが、僕はジャンボをバイク運搬用としてだけでなく、普段の近場の足としてもよく使っている。当然、都内の街中も那須の田舎道も、ジャンボを走らせた感想に大きな違いはないのだが、この連載で空荷の街乗りについて書いたことはなかったので、思ったことをつらつらと……。

空荷のジャンボで遠出することはほとんどないので、ちょっと新鮮だ。ただし、ラダーレール2本とハードカーゴゲートは常備しているので、厳密には空荷ではないが……。

実はジャンボを購入する前、「軽トラって、車体が軽くて後輪駆動だから、キビキビ走れてしゅんしゅん曲がって、さぞかしスポーティなんだろうなぁ」と思っていた。
ところが実際は、思ったほどキビキビもしゅんしゅんもしなかった。これまで書いているように、5速MTを駆使して運転するのは実に楽しいのだが、スポーティ……ではないよなぁ、と。エンジンはすぐ唸るし、加速ももっさいし(苦笑)。
それが逆に愛おしくて、楽しくもあるのだが、うん、スポーティではない。

ジャンボには15インチホイールを履いているが、備え付けのスペアホイールは純正12インチ。これって使えるの? と疑問に思って、販売店に確認したところ、「エマージェンシーでゆっくり走る分には大丈夫」とのこと。外しちゃうとリア荷重が抜けてハンドリングが変わるのかな? と思ったけれど、「それはあんまり関係ない」とのお答えでした。

死んだ親父がアクティバンに乗ってて、実家に帰るたびに乗り回していたのだが、そのイメージと違うんだよなー。もっときびきび走っていたような気がする。
ホンダ(アクティ)とダイハツ(ハイゼット)の違い? 楽しいというイメージを自分の中で膨らませすぎた? 

15インチホイールに4cmリフトアップ、メッキグリルも相まって「俺のジャンボは都会的だぜ!」と思っていたけれど、やっぱり田んぼの横に停めると悲しいくらいよく似合う。

いろいろ考えて、ふと車検証をチェックすると、「車両重量850kg(車両総重量1310kg)」……い、意外と重い。
僕のハイゼットトラックジャンボは衝突回避支援ブレーキやらコーナーセンサーやらといった先進機能は一切ついていない。車体はシンプルで軽いはずなんだけど、昔の軽トラや軽バンに比べると車体剛性は段違いに高くなっているので、やっぱりその分車重は重くなっているのだ。
まぁ、安全性が高くなっているので仕方がない(とはいえ、プラドのゴツさに慣れているとめちゃくちゃ心細いが(笑)

我が家のファミリーカーはランドクルーザープラド。もうすぐリース期間が切れるので、次のクルマとしてVWシャランの極上中古車を探し中。

というわけで、全然スポーティではないが、それでも非力なエンジンを5速MTを駆使して走らせる楽しさは変わりない。
それはこれまで何度も書いてきた通りである。ただ、「軽トラって意外とスポーティなんでしょ?」と思って現行の軽トラを買うと、ちょっと肩透かしを食らうかもしれない……という話である。
ちなみに僕には昔から、それこそ免許を取る前から「いつかは乗りたい」と憧れているクルマがある。

1957年にデビューしたいわゆる「FIAT500(フィアット・チンクチェント)」。第二次世界大戦前に生産された初代「トポリーノ」に対し新しい=「NUOVA(ヌオーヴァ)」と称した。1975年まででシリーズ累計367万8000台を生産したベストセラーカーだ。『ルパン三世 カリオストロの城』でルパンの愛車として登場したクルマのモデルとして有名。(PHOTO:FIAT AUTO)

FIAT500である。現行モデルではなく、空冷並列2気筒・リヤエンジンのアレである。実はジャンボを購入する前に真剣に検討して、ガレージまで探していたほどである。しかし、「バイクも複数台所有して、これ以上実用性のない乗り物を買っても……」ということで思いとどまったのだ。

FIAT500(1957)
■全長x全幅x全高:2970mm×1320mm×1325mm ■ホイールベース:1840mm ■トレッド:前1121mm/後1135mm ■車両重量:470kg ■エンジン:479cc空冷直列2気筒OHV ■トランスミッション:4速MT ■最高出力:15ps/4000rpm ■サスペンション:前ウイッシュボーン/後ダイアゴナルスイングアクスル ■ブレーキ:前ドラム/後ドラム(PHOTO:FIAT AUTO)

で、何を言いたいかというと……つまりジャンボがいくら遅いといってもFIAT500よりは速いだろうから、僕は別に気にならないということ。むしろFIAT 500に乗っている気になれるから(たぶん全然違うけど)、遅くても良いのだ!!

いつか付けたいタコメーター

さて、そんなジャンボにはタコメーターがない(いつかつけたい)。
だから、基本的には車速とエンジンのうねり具合でギヤを判断する。燃費を考慮して、早めにギヤを上げていき、40km/hを超えたタイミングで5速に入れるようにしている。

ギアをトップに入れる際の目安は40km/h。

これは荷物満載でも空荷でも変わらない。加速は荷物満載時よりも若干鋭いが、ギアの選択のタイミングは同じと言って良いだろう。むしろ上り坂や下り坂など、道の状態によって大きく左右される。

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僕のジャンボは4cmリフトアップにマッドタイヤを履いているのでコーナーが得意とは言えないが、そもそもが速くはないクルマなので十分楽しい。

次はいよいよ林道に挑戦……か?

最後にちょっとした未舗装路があったので入ってみた。4WDにするほどではないので、2WDのまま。しかし、これくらいの道でもよく揺れる(苦笑)。
俺のは4WDにもなるから! なんて本格的な林道に入っていったら大変なことになりそうだ……。だけど、いつかは試してレポートしようとは思っている。

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著者プロフィール

佐賀山敏行 近影

佐賀山敏行

学生時代からのバイク好きが高じて、 雑誌『カスタムバーニング』やムック『ハーレー・バガースタイル』な…