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カスタムしてても、やっぱり軽トラに田舎道はよく似合う
この日、全国に直営店を構えるオートバイ販売店「レッドバロン」が運営するバイク専用サーキット「那須モータースポーツランド」でイベントが開催されていた。僕はその取材のため、ジャンボまで那須に来ていたのだが、イベントは午後1時に終了。挨拶や後片付けなども終えたのは午後2時だった。
渋滞を避けるために、このまま帰宅しても良いのだが、せっかく空荷のジャンボでここまで来たのだ。どうせなら少し散策していこうと思い立つ。
というわけで、サーキットを出て高速道路とは逆方面にハンドルを切る。特に行き先があるわけではなく、なんとなくジャンボを走らせる。“あてのないドライブ”ってやつである(笑)
前回の記事でも書いたが、僕はジャンボをバイク運搬用としてだけでなく、普段の近場の足としてもよく使っている。当然、都内の街中も那須の田舎道も、ジャンボを走らせた感想に大きな違いはないのだが、この連載で空荷の街乗りについて書いたことはなかったので、思ったことをつらつらと……。
実はジャンボを購入する前、「軽トラって、車体が軽くて後輪駆動だから、キビキビ走れてしゅんしゅん曲がって、さぞかしスポーティなんだろうなぁ」と思っていた。
ところが実際は、思ったほどキビキビもしゅんしゅんもしなかった。これまで書いているように、5速MTを駆使して運転するのは実に楽しいのだが、スポーティ……ではないよなぁ、と。エンジンはすぐ唸るし、加速ももっさいし(苦笑)。
それが逆に愛おしくて、楽しくもあるのだが、うん、スポーティではない。
死んだ親父がアクティバンに乗ってて、実家に帰るたびに乗り回していたのだが、そのイメージと違うんだよなー。もっときびきび走っていたような気がする。
ホンダ(アクティ)とダイハツ(ハイゼット)の違い? 楽しいというイメージを自分の中で膨らませすぎた?
いろいろ考えて、ふと車検証をチェックすると、「車両重量850kg(車両総重量1310kg)」……い、意外と重い。
僕のハイゼットトラックジャンボは衝突回避支援ブレーキやらコーナーセンサーやらといった先進機能は一切ついていない。車体はシンプルで軽いはずなんだけど、昔の軽トラや軽バンに比べると車体剛性は段違いに高くなっているので、やっぱりその分車重は重くなっているのだ。
まぁ、安全性が高くなっているので仕方がない(とはいえ、プラドのゴツさに慣れているとめちゃくちゃ心細いが(笑)
というわけで、全然スポーティではないが、それでも非力なエンジンを5速MTを駆使して走らせる楽しさは変わりない。
それはこれまで何度も書いてきた通りである。ただ、「軽トラって意外とスポーティなんでしょ?」と思って現行の軽トラを買うと、ちょっと肩透かしを食らうかもしれない……という話である。
ちなみに僕には昔から、それこそ免許を取る前から「いつかは乗りたい」と憧れているクルマがある。
FIAT500である。現行モデルではなく、空冷並列2気筒・リヤエンジンのアレである。実はジャンボを購入する前に真剣に検討して、ガレージまで探していたほどである。しかし、「バイクも複数台所有して、これ以上実用性のない乗り物を買っても……」ということで思いとどまったのだ。
で、何を言いたいかというと……つまりジャンボがいくら遅いといってもFIAT500よりは速いだろうから、僕は別に気にならないということ。むしろFIAT 500に乗っている気になれるから(たぶん全然違うけど)、遅くても良いのだ!!
いつか付けたいタコメーター
さて、そんなジャンボにはタコメーターがない(いつかつけたい)。
だから、基本的には車速とエンジンのうねり具合でギヤを判断する。燃費を考慮して、早めにギヤを上げていき、40km/hを超えたタイミングで5速に入れるようにしている。
これは荷物満載でも空荷でも変わらない。加速は荷物満載時よりも若干鋭いが、ギアの選択のタイミングは同じと言って良いだろう。むしろ上り坂や下り坂など、道の状態によって大きく左右される。
コーナリングは、空荷の方が当然楽しい。というより、バイクを積んでいると、コーナーを楽しむことなんてできない。バイクが落ちたら一大事である。空荷だとそういう気遣いをすることなく、リヤ駆動のちっこい車体で思い切り曲がれるのだ。
僕のジャンボは4cmリフトアップにマッドタイヤを履いているのでコーナーが得意とは言えないが、そもそもが速くはないクルマなので十分楽しい。
最後にちょっとした未舗装路があったので入ってみた。4WDにするほどではないので、2WDのまま。しかし、これくらいの道でもよく揺れる(苦笑)。
俺のは4WDにもなるから! なんて本格的な林道に入っていったら大変なことになりそうだ……。だけど、いつかは試してレポートしようとは思っている。