全面LEDパネルのフロアにはさまざまな景色を映し出すことが可能
いよいよ一般公開が10月28日(土)から始まるジャパンモビリティショー2023。EVのコンセプトカーを主役に据えた日産ブースでは、次世代のプレミアムミニバン『ハイパーツアラー』がお目見えした。
エクステリアは、優雅な曲面を描くボディパネルと、鋭く刻まれたキャラクターラインとの融合が印象的で、その堂々とした佇まいを日産は”建築的”と表現している。
フロントマスクも個性的だ。独立したヘッドライトは設けられておらず、グリル部分とコーナー部分に配置された無数のランプが光り方を変えることで、複雑な表情を作り出している。単に周囲を照らすだけでなく、周囲のクルマや歩行者とのコミュニケーションにも使えそうなアイデアだ。
”組子”がモチーフとなった、緻密な構成のホイールもユニーク。ホイールのリム部分とタイヤのショルダー部分が凸凹に組み合わさっている造形には驚かされる。
驚くと言えば、ハイパーツアラーのインテリアもこれまで見たことがないような試みが満載だ。
前後のスライドドアが開くと、広々とした空間にはハンギングタイプの座席が4座お出迎え。ハイパーツアラーは完全自動運転技術の搭載を想定しているため、前席は360度回転するようになっており、後席の乗員と対面して移動を楽しむことが可能となっている。
シートの脚がないためスッキリしているフロアは全面がLEDパネル式で、さまざまな映像を映し出すことができる。そして、車内の中央部を横切るコンソールには、なんと茶器が据え付けられている。フロアに川面を映しながらお茶を楽しめば、車内の乗員はまるで京都の茶室にいるかのような雰囲気に浸れるというわけだ。
さらに驚きなのが、このハイパーツアラーは全固体電池を搭載しているとアナウンスされていること。日産は2028年までに全固体電池を搭載したEVの市販化を目標に掲げているが、それが実現すれば、ハイパーツアラーのように超低重心でフラットなフロアをもつEVも決して夢物語ではなくなるのだろう。
ハイパーツアラーはさらに日産自慢の電動駆動4輪制御技術『e-4ORCE(イーフォース)』も搭載しており、安定感のある走りと快適な乗り心地を提供する、と謳っている。
ハイパーツアラーは、まさに将来のプレミアムミニバンのショーケースと言える存在だ。