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トヨタグループでバンの生産を担うトヨタ車体。戦前のトラック生産から乗用車への進出を経て、人と荷物を運ぶクルマとして誕生した商用バン・ハイエースから50年以上、その歴史を積み上げ続けている。さらに、トヨタにおいて「エスティマ」から始まるミニバンの歴史も、最新のアルファード/ヴェルフェイアに受け継がれる。
そんなトヨタ車体のブースには3台のコンセプトカーが展示された。
GLOBAL HIACE BEV CONCEPT
GLOBAL HIACE BEV CONCEPT(グローバルハイエースBEVコンセプト)はグランエースをベースにしたモデルで、先進的なデザインと大空間と使いやすさを兼ね備えたBEVのコンセプトカーだ。
静粛性・乗降性に優れ、最小回転半径 5.5mに抑えるなど多様化するドライバーに配慮。フラットフロア、ウォークスルーだけでなく専用カートにより荷物を楽に移動できるようになっている。さらに、助手席エリアをカーゴスペースとすることで約3.5m の長尺物を積載可能とした。
配送ルートの最適化し、次に配達する荷物の積載位置表示するコネクティッドを活用した配達効率向上も考慮するなど、新時代の商用バンの姿を提案するモデルと言えるだろう。
X-VAN GEAR CONCEPT
X-VAN GEAR CONCEPT(クロスバンギアコンセプト)は、ミニバンネイティブ世代に提案する新たなミニバンのカタチ。多様化するライフスタイルに合わせ、すべての人が人生を楽しむ次世代のキャブワゴンだ。
乗用ミニバンの大空間と SUV のアクティブさを両立したスタイルと機能性を備えた新たなカテゴリーを目指しており、室内はシンプルにまとめた運転席まわりに、明るくソファーのようなシートと開放的な天井でリビングのような空間を実現している。
Bピラーレスによる大開口ドアにより、乗り降りはもちろん自転車や釣り竿などの大きめの趣味のアイテムがラクラク積み下ろしできる。さらに、3列シートは助手席を回転したり、2列目をテーブルにしたり、使用用途に合わせ6つのパターンのシートアレンジも可能だという。
VELLFIRE Spacious Lounge CONCEPT
VELLFIRE Spacious Lounge CONCEPT(ヴェルファイアスペーシャスラウンジコンセプト)は、ヴェルファイアの4名乗車モデルだが、これは先代のアルファード/ヴェルファイアに用意された「ロイヤルラウンジ」を思い起こさせる。
座り心地を追求した専用のリヤシートに、足元は7人乗りに比べ約500mm広いスペースを確保。鞄が置けるフロアトレイや冷蔵庫も設置。加えて車内での執務やWEB会議も快適にできるテーブルや電源も各部に装備することで、多忙なビジネスマンが移動しながら執務することができる。
ラゲッジルームには専用のハンガーバーを装備し、移動先に合わせた着替えも可能なのだ。
前席との間には間仕切りカーテンを設定しプライバシーを確保できるのはもちろん、専用絨毯でスイートルームのような高級感あふれる室内空間を創出。リヤシートのヘッドレストにはスピーカーを内蔵し、移動時間を臨場感溢れる音楽で心から寛ぐことができる空間になる。
先だって発売されたレクサスLMがやはり4名乗車で後席のラグジュアリー空間を突き詰めているのだが、流石にLMのように前席と後席を隔てる間仕切りと、そこに設置された大型モニターはVELLFIRE Spacious Lounge CONCEPTには用意されてなかったが、そのほかの違いも気になるところだ。
LMの2000万円は無いとして、ヴェルファイアが最高で892万円(エグゼクティブラウンジ/4WD)、先代のロイヤルラウンジが1387万8982円(ロイヤルラウンジSPは1546万691円)。コンセプトモデルではあるがその完成度は市販レベル。もし市販するとしたら価格設定はどうなるだろうか?
ハイエースの歴史はここから始まった! 初代ハイエースも展示
世界で愛される商用バンの金字塔「ハイエース」その歴史は1967年に始まった。それはオープニング映像でも大きく扱われており、トヨタ車体ブースには初代ハイエースの実車も年表とともに展示された。
オープニング映像では初代ハイエースを「バンの原点」として、その歴史、世界で愛されるその姿を紹介。その初代ハイエースから始まる歴史が、トヨタ車体の歴代バンシリーズ、そしてコンセプトモデル「GLOBAL HIACE BEV CONCEPT」にも息づいている。