ホンダは11月16日、コンパクトSUV「WR-V」を日本に導入すると明らかにした。正式発表は2023年12月、発売は2024年春になる見通し。車両本体価格は200万円台前半からとなる予定だ。
WR-Vは「Winsome Ranabout Vehicle」の頭文字を組み合わせた車名。Winsomeには「愛嬌のある」を意味する言葉だが、「楽しさ」や「快活さ」といった意味も持ち合わせており、「このクルマと生き生きとした毎日を楽しんでほしい」という思いを込めたという。
WR-Vはすでにインドでは「エレベイト」として販売されているグローバルモデル。開発が本格化した時点ではコロナ禍の真っ只中であり、世界中の人々が制約のある生活を強いられていた。その状況の中、ホンダは「自由の大切さ」にフォーカス。このクルマのグランドコンセプトとして「Versatile Freestyler」を据えた。昨今のライフスタイルやニーズの変化に適応しながら、既成概念にとらわれず自分らしい生き方をする人に寄り添うクルマとなるよう設計が進められた。
ボディは全長×全幅×全高が4325mm×1790mm×1650mm、ホイールベースは2650mmと、コンパクトSUVの範囲内にとどまりながらも、ボクシーで塊感のある力強いデザインのエクステリアは1クラス上の車格を感じさせる。
最低地上高は195mmとされ、市街地での段差はもちろん、未舗装路も気にする必要のない走破性を持つ。
インテリアはシンプルで水平基調のデザインとされた。スイッチ類は中央に配置され、より運転に集中できるよう設計されている。また、1Lペットボトルを収められるドアポケットやスマートフォンが収納できるポケットのあるアームレストが備えられるなど、日常での使い勝手に配慮されている。
SUV特有の見晴らしの良さに加え、高さや形状を突き詰めたボンネット設計により、車両感覚を掴みやすくされた。また、スクエアな車体を活かし、後席と荷室は最大限のスペースを確保している。
さらにHonda SENSINGやHonda CONNECTといった予防安全装備、先進装備も搭載される。
この10年の自動車市場ではSUVが最も成長しており、セグメントシェアは4倍にもなったという。さらに2019年以降では、価格帯でいうと250万円以下となる比較的小型なSUVの需要が急拡大している。
ホンダはこの層を狙い、日本におけるエントリーSUVとしてWR-Vを国内に投入。
1.5Lエンジンを搭載した純ガソリンエンジン車で駆動方式もFFとされているが、車両本体価格は200万円台前半からと、抑えた設定となる。「手の届くSUV」を求める20代、30代の若年層や、すでに子育てを終えた世代に手頃な値段でWR-Vを届けたい考えだ。