『楽ナビ』に『サイバーナビ』、スピーカーにカメラ、アプリ……パイオニア・カロッツェリアの最新モデルをまとめてチェック!【CarGoodsMagazine】

デジタル化の浸透からレジャー本位な愛車の使い方まで、マイカーライフのあり方が変わるなか、カーAV機器も大きく様変わりしつつある。ニーズに応えるメーカー側の回答は一つではなく、様々に拡がってバリエーションも豊かになった。なかでも急先鋒たるパイオニア・カロッツェリアの動きにここでは注目。発表されたばかりの最新ライアップ、その見どころを速報しよう。

妥協なく性能を深掘りするサイバーナビ、今の回答

あの楽ナビが25周年だという。初代の登場が1998年というから、1999年の創刊であるCGMのスタートより前のことだ。
その楽ナビと並ぶ、カロッツェリアナビのもう一つの柱がサイバーナビ。カンタンさをコンセプトにした楽ナビとはベクトルを異にし、フラッグシップ機らしく、よりディープな能力を備える。その最新モデルが「マークⅢ」だ。

この10月に発売が開始されたニューモデルは、とりわけ音質に注力されている。今や楽ナビもオンライン対応となるなか、サイバーナビは対応いかんのみならず、質の面でさらに先を行く格好だ。
オンラインコンテンツでも軸になるデジタル音源の質を求める上では、マスターサウンドクロックといわれるキーデバイスの改良が不可避。最新モデルはここにまで踏み切り、その実力はパイオニアいわく「サイバーナビ史上最高の音質」を達成したという。

とりわけ音質面を強化し、オンライン対応力にも磨きを掛けたサイバーナビ・マークⅢ。マスターサウンドクロックを始めとする高音質パーツを惜しみなく投入し、サイバーナビ史上最高の音質を誇る。さらにフリーワード検索機能も強化し、わずかなキーワードからも、通信機能を駆使して自在な目的地検索が可能だ。ラインアップは9Vから7V型まで幅広く、ネットワークスティックセットの有り無しまで含め、計8機種からなるラインアップ(実勢価格:19万円〜25万円前後/税込)となっている。

今やお馴染みになったドコモ・インカー・コネクト対応ナビのなかでも、サイバーナビは停車中も利用制限がない、文字通り使い放題な恩恵を受けられる。スマホを使うことなくストリーミングビデオを再生できたり、自宅レコーダーの録画映像をリモート再生できたりと、オンラインコンテンツの魅力をさらに引き立たせることになったといえそうだ。

そればかりか、検索対象ワードを増やすことで、音声検索を踏まえたフリーワード検索がより充実するなど、基礎能力からおしなべて底上げされた印象を受ける。現行モデルもマークⅢに達し、熟成の時を迎えたと言っていいだろう。を受ける。現行モデルもマークⅢに達し、熟成の時を迎えたと言っていいだろう。

あたら懐かしい!? ユニークなオーディオ事情

続々と切り替わる新型車の登場により、かつてのようなポンと置き換えるだけのスピーカー交換が難しくなりつつあるなか、その環境内でもカスタムオーディオの提案は止まることなく、むしろ拡がった印象さえ受ける。
薄型設計を施して柔軟な取り付け性を可能にしたユニットスピーカーはもとより、専用設計による特殊な提案も見どころだ。

Pioneer Global Series発となるコアキシャルスピーカー(価格:1万1000円〜1万5400円/税込)。豊かな低域再生が特徴ながら、全域での臨場感も持ち味。薄型設計により、取り付け場所に制約が多い車種にも適用しやすく、防水仕様になっているためにドア用スピーカーとしても使用できる。

トヨタのノア/ヴォクシー専用となる新製品は、制約の多いドア部分ではなく、ダッシュボード上のトゥイーター部に注目。この限られたスペースのなか、本体を傾斜させ、トゥイーターにも角度をつけたほか、音の周り込みを防ぐグリルフレームを添える3つの独自機構を採用し、より臨場感のあるサウンドを求められるようになっている。

トヨタのノア/ヴォクシー(令和4年式以降)専用品となる8cmクロスアキシャル2ウェイスピーカー、carrozzeria『TS-H100-NV(価格:2万7500円/税込)』。スピーカー本体を傾斜させてフロントウィンドウへの反射を提言し、トゥイーター部にも角度を付けて実体感のある音を再現するほか、音の周り込みを防ぐフレア形状のグリルフレームで覆って最適な音場と立体感を実現。車種専用設計だけに、スムーズな置き換え交換も可能となる。

一方、ユニークな取り組みも見逃せない。往年のファンにとっては懐かしいボックススピーカーが新製品として新たに加わっている。リヤトレイへの設置など、あえて存在感のあるその風貌は懐かしさを感じさせるも、後方視界への配慮も施されるなど現代的だ。

往年のファンにとっては懐かしいボックススピーカーの最新版。低音増強のバスレフ式と密閉式の3ウェイスピーカーが共にリリースされる(1万2100円/1万7600円/税込)。存在感はありながらもコンパクトに設計され、リヤトレイへの設置でも後方視界を確保しやすく、またラゲッジスペースなどにも置きやすくなっている。

また、アウトドアレジャー嗜好に向いた新シリーズもこの秋より順次展開される。アドベンチャーシリーズと名付けられた本モデルでは、トゥイーター、サブウーファー、サテライトスピーカーと、それぞれストーン調の外装が施されるなど、アウトドアギアのテイストを踏襲されている。見た目から入るチョイスもあっていい。カスタムオーディオの幅を拡げる取り組みとして注目に値する。

アウトドアレジャーを楽しむ車両の嗜好に合わせ、ストーン調の塗装を外装に施した新シリーズ。クリアな高域を再生するトゥイーター(実勢価格:8000円前後/税込)と、重低音再生のサブウーファー(価格:3万7400円/税込)、そして中高域をクリアにし、タイトな低域まで再生するサテライトスピーカー(実勢価格:1万7000円前後/税込)の3種をまずは用意。ベージュ系を始めとするアースカラーの車内でもマッチしやすい。

カメラにアプリと周辺機器も充実!

このところ、カロッツェリアブランドではなく、パイオニアブランドによるカーライフサポートが、我々国内のカーユーザーにもより目に付くようになってきた。その代表格が、ドライブレコーダーでもありナビでもある『NP1』だろう。度重なるアップデートでその機能は大きく拡がったほか、この10月からは待望のオプション機も発売開始となる。

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それが、リヤ用の別体ドライブレコーダーだ。NP1は、本体内に備えられる前後両方のカメラで広範囲のドライブ記録を収められるのが特長となるものの、後方専用記録への根強いニーズに答えるべく、別体モデルとして用意された。前後別体の2カメラモデルが前提となるユーザーには待望のニュースと言ってもいいだろう。

NP1本体とは接続せず、電源を取るだけの簡単設置式で、追加装着も容易なリア用ドライブレコーダー(実勢価格:9900円前後/税込)。連続記録とイベント録画が基本で、Wi-Fi接続により専用スマホアプリから撮影画像を確認する仕組みだ。

そして、スマートフォン専用のオリジナルカーナビアプリ「コッチ」も9月より運用開始となった。カーナビメーカー発となるだけに、走行しづらい道路を避けるなど、高度なルーティング技術が持ち味。パイオニア独自の走行履歴データも有効情報として取得でき、給油やトイレ、そして駐車時など、運転時の困ったタイミングでワンプッシュでドライバーをアシストするお助け機能が特長となる。

パイオニアが保有するルーティング技術や走行履歴データを活用する、新たなナビアプリが9月より運用が開始された。その名は『COCCHi(コッチ)』で、iPhone・Android版ともに月額の基本プランは350円。ナビ開発の知見を生かし、ストレスの少ない高品位なルート探索・案内はもちろん、トイレや駐車場といった慢性的に渋滞が発生する場所でのアシスト機能が充実している。

もちろん、カープレイ・アンドロイドオートにも対応し、車載ディスプレイを使っての大画面表示も可能となる。既存の人気モデルである、ディスプレイオーディオ機の活躍の場も、このアプリを契機として拡がるかもしれない。

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