装備は? スイッチは? オーナーになってわかった軽トラの運転席の使い勝手を検証してみる【ハイゼットトラックジャンボ オーナーレポート vol.9】

走行距離10kmのハイゼットトラックジャンボ(以下、ジャンボ)を購入してもうすぐ1年半……よく考えたら、「普通の、普段の使い勝手」ってレポートしてなかったな……。というわけで今回は、装備やスイッチなど、ジャンボの使い勝手を検証してみた。
PHOTO&REPORT:佐賀山敏行(SAGAYAMA Toshiyuki)

いたって普通……というか、昭和のクルマみたい

軽トラは、座席は2シーターで、あと荷台があるだけ……というシンプルな構造である。だから、使い勝手を検証すると言っても「パパッと写真を撮れば終わるだろう」と思っていた。しかし、いざこの1年半を思い返し、「ここはこうだな。あそこはこうなればもっと良いのに」なんて思いながら撮影していたら、思いの外、いろいろなポイントが出てくる出てくる……。

夕日に映える我がハイゼットトラックジャンボ。運転席側の窓からチラリと見えるハンドルカバーとスマホがイカしている。

というわけで、撮影前は1回で終わらせる気満々だったのだが、結果、「運転席周り編」「ユーティリティスペース編」「車内空間編」の3回に分けて紹介したいと思う。
まずは「運転席周り編」だ。

ハイゼットトラックジャンボ(4WD/5速MT)のコックピット。写真:ダイハツ

ハンドルは軽“トラック”とはいえ、大型トラックのように上を向いているわけでない。握った感じは一般的な軽自動車と同じである。ハンドルは細い。

長距離を走るなら、ハンドルカバーは必須だ。

僕はジャンボで遠出をする機会も多いので、細すぎるハンドルは疲れそう。そこでハンドルカバーを装着している。カラーは車体色に合わせてグリーンをチョイスした。これがなかなか良い出来で、握る部分がさらに太くなっていて、しかも滑り止めもついているので、長距離運転でも疲れにくいのだ。
と、ここまで褒めておいて申し訳ないのだが、商品名などは不明である。

ワイパーのレバー。OFFから上が「MIST」(1回)、下に間欠、ロー、ハイ。AUTOの設定はない。ウォッシャーは手前に引く。

ワイパーやウインカーレバーの操作性に不満はない。僕は手が小さい方だが、ハンドルを握って、ごく自然な位置にウインカーやワイパーのレバーがある。
操作感も固くもなく、柔らかすぎることもない。機械式のレバーを操作しているって感じである。ところが現行のハイゼットトラックシリーズは、レバーを操作してもカチッという感触がないそうだ。僕も一度、ダイハツの別車種でそういうレバーを操作したことがあるのだが、かなり違和感があった。慣れの問題だろうが、機械を操作しているという感じがないのは、「ザ・機械の塊」な軽トラの場合、どうなのだろう……。

あと、今どきはたいていの車種にはあるであろうワイパーのAUTOがない。ついさっき「ザ・機械の塊」なんて書いておきながら、自動ワイパーくらいは欲しいなー。それくらいのコンピュータは装備して欲しいなー、と思った。嗚呼、人間はなんとワガママな生き物だろうか(笑)。

ヘッドライトは自動点灯式。個人的には大変ありがたいシステムである。たまに嫌う人がいるが、不思議だ。

だがしかし!! ヘッドライトはAUTOである。暗くなったら自動で点灯する。
ま、これは法律で義務化されているからなのだが……だけど「それならワイパーも自動化すればいいのに」と思ったり、「でも、そうすると車体価格が上がっちゃうから、やっぱりいらないか」と思ったり……。

便利な機能って、知らなければ当然何とも思わないのだが、一度その便利さを知ってしまうと頼ってしまうもの。そう、僕はすっかりプラドに慣らされてしまっているのだ(苦笑)。
ジャンボの5速MTは楽しいので、ATじゃなくても全然OKだが、ワイパーとかの“どうでもいい操作”はどんどん自動化してくれると嬉しいなー。

エアコンは昔ながらのヤツ! 1周回って、最強の使い勝手なんじゃないかと思えてくる。内外気、吹き出し、風量、温度がレバー。エアコンのみボタン。エアコンの下は左からDC12V電源、4WD切り替えスイッチ、スーパーデフロックスイッチ、ヘッドライトの角度調整ダイヤルが並ぶ。

エアコンももちろん、AUTO機能なんてものはない!! もう、昭和のクルマだよね、この辺は。
でも逆に言うと、昭和なエアコンスイッチがこうして今も残っているということは、このスイッチ形式の完成度がいかに高いかということである。
実際、使い勝手に不満はない。強いてあげるなら、夜は暗くて操作しづらいくらいである。

ジャンボ最大の不満がエアコンの吹き出し口だ! 上下はルーバー全体がシーソーで、左右は中央のダイヤルで動かす。その可動範囲は……。

エアコンスイッチに不満はないが、エアコン吹き出し口にはおおいに不満がある。上の写真は運転席左側の吹き出し口で、右側にもうひとつの吹き出し口がある。
しかし!! この吹き出し口のどちらも、ドライバーに直接風が当たらないのだ!! ……ここではっきり言おう。
「今年(2023年)の夏の猛暑では、マジでブチ切れそうになりました!」
もちろん、エアコンの効き自体は問題ないのだが、クルマに乗り込んでからエアコンが効くまでの間、冷風は体に当てたいじゃん!? それがまったく当たらないのよ。もう、ほんと地獄のようでした(笑)。

パワーウインドウのスイッチ。前が運転席側でオートあり。後が助手席側。ボタンの前側を押して(下げて)オープン、引いて(上げて)クローズ。操作部の凹みの形が違い、ブラインドタッチも可能? ウインドウ開閉のロックボタンもあり。

パワーウインドウは運転席側がAUTOで、助手席側は押した分だけ開いたり閉まったりするタイプ。
ところで、この助手席のパワーウインドウのタイプは何と呼ぶんだろう? 当然、手動ではないからオートのはずだが、パワーウインドウで「AUTO」って言うと、運転席側のように深く押すと自動で最後まで開いたり閉まったりするタイプのことを指すハズ。うーん、謎だ……。
あ、使い勝手は普通です。

副変速機のレバーはサイドブレーキレバーの隣にある。通常で「H(ハイ)」、「N(ニュートラル)」を挟んで「L(ロー)」がある。

サイドブレーキの横(運転席側)に副変速機のレバーがある。納車したての頃、何度かサイドブレーキレバーと間違えて引いたことがあったが、慣れてしまえば間違えることはなくなった。
今のところ、まだ一度もLowのお世話にはなっていない。というか、そもそも4WDで走っていない。オフロードバイクだけでなく、一度くらいはジャンボで林道ツーリングもいいかもなぁ!

極々シンプルなインストゥメンタルパネル。

メーターはザ・シンプル!! スピードメーターと燃料計、切替式でオドメーターとトリップメーター(A・B)があるだけである。
タコメーターをつけろとは言わないが、せめて時計くらいは欲しかった。デジタル表示の左上にスペースが空いてるんだし……。

時計が装備されていないので、電波時計を設置。日付も表示される。

仕方がないので、カー用品店で購入した電波時計を設置した。ダッシュボード上に設置しているのだが、この夏の猛暑に耐え抜いてくれたのはオドロキだ。やっぱりクルマには、クルマ専用品です!

スマホナビは必須!

ナビはないので、スマホホルダーでナビ代わりのスマホを設置。
このホルダーは100円ショップで200円で購入。カー用品店にもいろいろなホルダーが売っているが、100円ショップの方がシンプルな構造で使いやすいと僕は思っている。

シートは決して良くはない。座布団も買い替え予定だ。

100円ショップは本当に便利で、最近はカー用品も良いものが多く発売されている。この背中当ても100円ショップで500円で購入したものだ。

ハイゼットトラックジャンボ(4WD/5速MT)のシート。写真:ダイハツ

シートはさすがにそれなりの品質なので、腰痛持ちの僕は背中当てが必須である。クッション性も決して良くはないので、同じく100円ショップで座布団も購入。こちらは3Dメッシュ構造になっていて、お尻とシートの間にスペースが開き、熱気を逃してくれるというもの……が、ありがたみを感じたことは、あまりない。
買い換えようと思っているが、ついつい忘れてしまって、今もここにあるという感じだ(笑)。

小窓が後方視界を確保してくれる。

ジャンボはご存知のように、シート背後にスペースがある。そのスペースには縦長の窓があり、斜め後方の視認性が確保されている。車線変更時などで重宝するディテールだ。
ただし、助手席のシートを後ろにスライドしたり、リクライニングすると見えなくなるのが残念。

ハイゼットトラックジャンボのシートリクライニング機能(写真は助手席側)。写真:ダイハツ

とはいえ、僕は1人で乗ることがほとんどなので、常に助手席の背もたれは直立させている。そして、この小窓の恩恵を受けまくっているのだ。
というわけで、今回はここまで!! 次回はドリンクホルダーなどの「ユーティリティスペース編」だ!

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著者プロフィール

佐賀山敏行 近影

佐賀山敏行

学生時代からのバイク好きが高じて、 雑誌『カスタムバーニング』やムック『ハーレー・バガースタイル』な…