上質さを増した伝統的スポーツ「BMW M240i xDrive クーペ」【最新スポーツカー 車種別解説 BMW M240i xDrive COUPÉ】

BMW2シリーズのMパフォーマンスモデル「240i xDrive クーペ」。3.0ℓ直6ターボエンジンはハイパワーと幅広い回転域で500Nmのトルクを発生する。昔ながらのノッチバックスタイルでフェンダーの張り出しを強調したスポーティなワイドなフォルム。 ドライブ時の利便性もAI音声会話システムやeSIMによる通信機能などのユーティリティが充実し快適だ。インテリアもMモデルとしての世界観が際立っている。
REPORT:岡本幸一郎(本文)/小林秀雄(写真解説) PHOTO:平野 陽

FRベース&直6搭載の伝統的なBMWスポーツ

ほかの2シリーズは横置き前輪駆動ベースだが、クーペはこれまでどおり縦置き後輪駆動ベースで、4シリーズ等と同じCLARプラットフォームをベースとしている。Mパフォーマンスモデルである「M240i」には、387㎰の最高出力と1800〜5000rpmという幅広い回転域で500Nmの最大トルクを発生する直6ターボが搭載され、従来あった6速MTの設定はなく、6速ATのみとなっている。

エクステリア

フェンダーの張り出しを強調したスポーティなワイドスタンスを実現。フロントエプロン、サイドスカート、リヤスカートなどからなるMエアロダイナミクス・パッケージのほか、セリウムグレー仕上げの台形型デュアルエキゾーストテールを装備。

執筆時点では日本向けにはxDriveのみが導入されているが、このクラスでFRベースというのは世界的にも珍しいことには違いない。ファストバックスタイルの4シリーズに対し、2シリーズは昔ながらのBMWのクーペに通じるノッチバックで、4シリーズほどではないにせよ印象的なフロントマスクやリヤフェンダーのふくらみも目を引く。

インテリア

12.3インチのメーターと14.9インチワイドのセンターコントロールディスプレイを装備。AI音声会話システムやeSIMによる通信機能など、先進的なユーティリティが実現されている。専用のレザーステアリングやルーフライニングが備わり、Mモデル独自の世界観も演出。
シフトノブの横に設けられたスイッチを押しながら操作する電子制御式シフトセレクターを採用。8速ATの変速操作はパドルシフトでも可能となっている。
オルガン式のアクセルペダル、踏み替えが容易な大きめのブレーキペダルを装備。

4人乗りの車内空間も4シリーズとの共通性が見て取れる一方で、ロゴが光るドアトリムのような新しい試みも見られる。エンジンフィールはBMWの直6としての期待にしっかり応えていて申し分ない。0-100㎞/h加速は4.3秒というとおり、体感的にもなかなかの速さだ。サイズの拡大や車両重量の増加の影響で、従来のF22型で味わえたような手の内で操れる感覚が薄れたのは否めないが、もはや4シリーズと大差ないほどの車格感を身につけている。

Country       Germany 
Debut        2022年3月
車両本体価格      790万円

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.151「2023-2024 スポーツカーのすべて」の再構成です。

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