オートサロンで密かに展示されたスズキの新型モデル?
スズキはプロトタイプどころか、車台番号などが記載されたモデルNo.ラベルさえしっかり貼ってあるようなレベルで仕上がっている量産車に「コンセプト」の名を与えて、正式発表前に先行公開するという“裏技”を、筆者が知る限り東京モーターショー/ジャパンモビリティショーだけでも過去3回繰り出している。
2017年10〜11月に開催された東京モーターショー2017ではその後同年12月に正式発表された先代2代目スペーシア/同カスタムを「スペーシアコンセプト/同カスタムコンセプト」、2019年10〜11月に開催された東京モーターショー2019ではその後同年12月に正式発表された現行2代目ハスラーを「ハスラーコンセプト」として参考出品。
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そして直近のジャパンモビリティショー2023では、その後同年11月に正式発表された新型3代目スペーシア/同カスタムを「スペーシアコンセプト/同カスタムコンセプト」、12月に正式発表された新型5代目(スズキ公式見解では4代目)スイフトを「スイフトコンセプト」として参考出品している。
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しかしそれだけではない。2018年1月に開催された東京オートサロン2018では、その後同年12月に追加した「スペーシアギア」に「スペーシアトールキャンパー」という名を与え、様々なドレスアップを施したコンセプトモデルして参考出品していたのだ。
なお、当時のプレスリリースには、「スペーシアトールキャンパー」について、このような説明が記載されている。
「新型「スペーシア」をベースにSUVテイストを融合させ、キャンプや野外イベントに出かけるシーンをイメージした。アクティブで遊び心いっぱいのコンセプトモデル」
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なお、先代スペーシアギア量産車発表時のプレスリリースから抜粋すると、その商品コンセプトについて、以下のように記されている。
「広い室内空間とアクティブスタイルを融合したSUVな軽ハイトワゴン」をコンセプトとした、スペーシアの新モデル」
表現が異なるだけで、内容は同じと言っても過言ではない。
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さて、以上の“前科”……もとい、“歴史”を踏まえての、「スペーシアパパボクキッチン」である。
先代のスーツケースから新型のコンテナへとデザインモチーフが変更され、その特徴を決定づけているボディ側面の太い2本のビード形状は、この「スペーシアパパボクキッチン」にもしっかりと受け継がれている。
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そして、新型「ギア」と確信させる最大の特徴はやはり、フロントグリルと連続した厚みのあるガーニッシュで覆われた丸目のヘッドライトと、その下にある同じく丸目のウィンカー、フォグランプだろう。なお、同社説明員によれば、これらのユニットは「先代ギア用とは別物」とのことだが、果たして……?
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とはいえ、ショーカーとしてのドレスアップも、オートサロンというカスタムカーの祭典に合わせて少なからず施されている。
高さも厚みもあるグレー基調のクラッディング、アウターヒンジ風のフロントドア、オフロード色の強いタイヤ&ホイール、アースカラーで彩られたパネル類やシート生地。
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そして「パパボクキッチン」という車名の由来となった、リヤシートから荷室にかけてのキッチンスペース。これらが市販車にそのまま採用されるとは考えにくく、良くてオプション設定ではないだろうか。
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しかし、エクステリアの前後左右下端にあるスキッドプレート風のロアスカートは、その現実的な形状と高い完成度からして、市販車にもそのまま標準装備されると見てよいはずだ。
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スズキがまたしてもやってくれた。カスタマイズのコンセプトカーという体で、ごく近い未来の市販車を、ほぼそのままの形で披露したのだ。もちろんこれは批判すべきことではなく、むしろ粋な計らいと歓迎したい。
これを見逃す手はない。東京オートサロン2024最終日の今日1月14日、幕張メッセ東ホール7のスズキブースで、ぜひ実車をじっくりとチェックしてほしい。
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