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エアロダイナミクスとボディスタイルをバランスさせたピュアスタイリングが未来の電動化を開く!
ステランティスが大型EV向けに新開発したSTLAラージプラットフォームをベースにデザインされたクライスラー・ハルシオン・コンセプトは、クライスラーブランドの将来のエクステリアキャラクターを定義づけるコンセプトカーだ。このピュアな流線型のボディには、シームレスなテクノロジーと高度な電動バッテリー技術が組み込まれている。
ドラマチックなハルシオンのスタイルは、未来的な4ドアボディのフロントから始まり、車高は約10cm以内まで落とされている。繊細かつ機能的なフロント・エアブレードのエアロダイナミクス形状が、パフォーマンスに重要なBEV航続距離を向上させる。薄型ですっきりとしたクロスカーフロントLEDヘッドランプは、クライスラー・エアフロー・コンセプトで初採用されたアダプティブなデザインを採用している。
薄いブレードのようなサイドミラーには、カメラが内蔵されスリムなエアロプロフィールを実現。また、自動的に観音開きで開くドアにより、ドアハンドルが不要となっている。軽量で機械加工された22インチのホイールは、ユニークなタービン形状のデザインを採用し、センターキャップにはクライスラーのウィングロゴの新解釈がアクセントとして施されている。ホイールには低転がり抵抗の255/35R22ピレリタイヤが装着されている。
まるでリビングのような没入型インテリア空間を実現
クライスラー・ハルシオン・コンセプトのインテリアは、ほぼ360度の視界を持つ没入型の環境が実装され、ストレスのない自律的な機能によって「デジタル・デトックス」のコックピットが実現されている。インテリアは親しみやすく、自然でありながら未来的で、95%サステイナブルな素材が随所に使用されている。彫刻のようなコックピットの中央には、収納可能な15.6インチのコンソール・スクリーンが配置され、縦向き・横向きに回転させることができる。素早いアクセスと音声コマンドにより、少ないアクセス量で車両装備を十分に操作することができる。また、ドライバー席には拡張現実のフルスクリーン・ヘッドアップ・ディスプレイ(HUD)が装備されている。
逆ヨークデザインのステアリングホイールは折り畳み式で、ステアリングホイールが格納されるとペダルも格納され、リビングのようなリラックス環境が実現される。インテリアでは、従来のインストルメントパネルが廃止され、乗員は車幅いっぱいに設置されたフットレストを利用して、よりリラックスしてパノラミック・ウィンドシールドからの眺めを楽しむことができる。ガラスセンターコンソールのデザインは、フロントからリアへと流れるようにキャビン空間をつなぎ、モダンな建築的雰囲気を醸し出している。
乗員のために居住・荷室スペースを提供する次世代型シート
ドライバーがクライスラー・ハルシオン・コンセプトに近づくと、車両はドライバーを認識し、生体認証を利用したウェルカムモードで挨拶する。イルミネーションLEDエクステリア照明のアニメーション、パーソナライズされたエクステリアサウンド機能、インテリアスクリーンの挨拶は、温かな歓迎と車両とのつながりを感じさせる。また、生体認証機能により、ドライバーが荷物やバックパックを携帯しているかどうかを検知し、次世代型シート「Stow ‘n Go」を直感的に格納して収納スペースを確保することもできる。エアサスペンションは、ドライバーがコックピットに乗り込むと、車高が低い車両を持ち上げて乗り降りをアシストする。
専用レーンから電力を無限に供給する移動コンセプト
クライスラー・ハルシオン・コンセプトは、革新的なダイナミック・ワイヤレス・パワー・トランスファー(DWPT)技術を活用し、特別に装備された専用道路レーンを走行する電気自動車をワイヤレスで充電することで、充電器や充電コード、充電ステーションを必要とせず、ニューヨークからシアトルといった目的地まで、無制限の航続距離での移動をコンセプトとしている。ステランティスは2022年に提携し、イタリアのキアリにあるアレーナ・デル・フトゥーロ・サーキットでDWPT技術の可能性を実証している。
このコンセプトはまた、ニッケル、コバルト、マンガンを使用しない画期的なLyten 800Vリチウム硫黄EVバッテリーを組み込むことを想定しており、その結果、現在のクラス最高のバッテリーよりもカーボンフットプリントが60%低くなると推定され、世界市場で最も排出量の少ないEVバッテリーを実現する道筋を見据えている。