DSブランドは当初、シトロエンモデルをベースにしていたが、DSとして単独開発された最初のモデルとなった「DS 7クロスバック」が成功して以来、新型モデルの開発が加速。2018年には2番目の単独開発モデル「DS 3クロスバック」が登場し、その後2020年には第3弾となるフラッグシップセダン「DS 9」が投入され、最新モデルはコンパクト「DS 4」となっている。
現在この4台でラインナップが構成されており、DS 7とDS 3から「クロスバック」の名称が外され、すべて日本市場で正規販売されている。現在は世界でもプレミアムブランドとして確立されており、このカテゴリーの中心であるメルセデス・ベンツ、BMW、アウディに挑戦している。
現在フラッグシップは4ドアのエグゼクティブセダン「DS 9」だが、後継フラッグシップとなるモデルは5ドアのクーペSUVとなり、次世代プラットフォーム「STLAミディアム」を採用。最大7シートを持つファミリー向けモデルとなる。
捉えたプロトタイプは、カモフラージュが厳重ながら、2020年に同社が初公開した「エアロスポーツラウンジコンセプト」に似ていることがわかる。フロントには、スリムなヘッドライトを装備、内部にそこから下部へ向かう2本のLEDデイタイムランニングライトバーが配置されているようだ。
サイドビューでは、シトロエン「e-C4 X」を彷彿される流麗なルーフラインが見てとれる。また後部では、トランクリッドに組み込まれた中央のブレーキライトと、その両側に非常にスリムな逆L字のテールライトの一部が確認できる。
市販型のエントリーモデルには86kWhバッテリーを、上位モデルには98kWhのバッテリーを搭載。最高出力はシングルモーターが230ps、デュアルモーター仕様では最大388psを発揮するとみられ、航続距離は700kmとなりそうだ。
DS 8のワールドプレミアは2025年後半とみられ、イタリアのメルフィにあるステランティス工場で組み立て、価格は最高級DS 9以上の5万5000ポンド(約1000万円)からと予想されている。フラッグシップモデルが低迷するセダンであるため、人気のクロスオーバーSUVをベースとする、新フラッグシップモデルが後継モデルとなるが、これは日本市場においても当てはまるため、日本に導入される可能性も高いという。