KYOJO CUPに参戦中の佐々木藍咲選手
将来の夢は大きく「ニュル24時間優勝」
どうしても、オトコ社会になりがちなモータースポーツの世界。確かに、多くの周回を重ねたりするレースでは「腕っぷし」や筋力が必要になるので男女の体力差は出てしまうのだが、フラットな視点で見たら、実際に走るのは人間ではなくてマシンなわけで、女性がもっと進出しても不思議ではないはず!
そんな中、女性ドライバーたちを応援するカテゴリーとして近年注目を集めているのが、「KYOJO CUP」だ。あの関谷正徳さんが立ち上げた「インタープロトシリーズ」のサポートレースという位置付けで、マシンやタイヤもイコールコンディションで行われる、女性ドライバーだけのバトルというのが最大の特徴。
マシンはウエストレーシングカーズが製作する「VITA-01」を使用。搭載エンジンはヴィッツの1NZ(1.5L直列4気筒DOHC16バルブ)がベースで、ミッションもヴィッツRSの5速MTを使う。マシンのカウルは3種類から選べるそうで、チームやドライバーの個性が発揮されるところ。
戦いの舞台は富士スピードウェイで、年間数戦によりシリーズチャンピオンを争うのだが、なんと2024年の第2・3戦は全日本スーパーフォーミュラ選手権(7月19〜21日)のサポートレースとして実施されるそうなので、ますますレースファンからの注目度が高まるのは間違いなし。
「JAFモータースポーツジャパンinお台場2024」では、KYOJO CUPに参戦する佐々木藍咲(ささきらみ)選手が登場。特設コースでデモンストレーションランを行ったり、ステージではトークイベントにも参加。ブースでも笑顔を振りまきながら、KYOJO CUPを来場者に知ってもらおうとPRに励んでいた。
2023年シーズンからKYOJO CUPにチャレンジしている佐々木選手。2024年も「LHG Racing DRP VITA」でエントリーするそうなので、話を聞いてみた。
「もともと中学生の頃からレーシングカートをやっていて、知り合いから『ドライバー目指すんだったら、KYOJO CUPっていうのがあるよ』と勧められたのがきっかけですね。ステップアップしたいと考えていたタイミングだったのもあり、チャレンジすることにしました。KYOJO CUPは、イコールコンディションの中、絶対的なパワーがないマシンなので、コーナリングがカギになるんですね。どれだけスムースにマシンの向きを変えられるかが大事です。LSDがない分、気をつけないとすぐにスピンモードに入ってしまいますので、そのギリギリのところでコントロールするのが勝負の分かれ目ですね」
「あとはスリップストリームがすごく効きます。富士スピードウェイはホームストレートが長いので、最終コーナーで離されていたのに、直線では並んで1コーナーで抜きつ抜かれつなんて場面も多いです。スリップの使い方が上手いドライバーが上位に入ってきますね」
「マシンの差がほとんどないので、ドライバーの技術が結果を大きく左右する。そこが難しさであり、楽しさでもあります。自分の腕を磨くにはいい経験になりますね。私個人のドライバーとしての夢は『ニュル24時間レースに出て、クラス優勝すること』です!
去年の最高は10位、予選最高は8位だったので、まず2024年は上位ランクインを目標に頑張りますので応援よろしくお願いいたします!」
同じく、KYOJO CUPに参戦する、金本きれい選手(IDMS Racing DRP VITA)、そしてジェントルマンドライバーとプロドライバーがチームを組んで同じマシンで競い合うというユニークなカテゴリーの「インタープロトシリーズ」に参戦する、斎藤愛未選手(KeePer号)も、女性ドライバー代表として「JAFモータースポーツジャパンinお台場2024」を盛り上げてくれた。