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Jaguar TCS Racing
自動車メーカーとしてのジャガーは2025年からのフルEVブランド化を目指している。そんな電動化へ一直線に突き進むイギリスブランドが、バッテリーEVレースシリーズ最高峰のフォーミュラEに参戦したのは2016/17年のシーズン3だった。
パナソニック・ジャガー・レーシングとして参戦したチームのフォーミュラE初年度は惨憺たるもので、最高位は4位、チームランキングは最下位となった。
しかし、翌シーズンに初のポールポジションとポディウムを獲得すると、第2世代マシンGen2が導入されたシーズン5にはついに初優勝を達成。その後は毎シーズン少なくとも1勝を挙げている。
とりわけシーズン8、シーズン9は好調で、両年ともにシーズン4勝をマーク。シーズン9においてはチーム史上最高位タイとなるランキング2位となった。
今シーズンにおいてもジャガーは高い競争力を発揮。ニック・キャシディは第4戦サンパウロE-Prixこそリタイアに終わったものの、第3戦ディルイーヤE-Prixで勝利するなど開幕から3戦連続で表彰台に登壇してドライバーズランキングトップに立っている。僚友のミッチ・エバンスもここまで4戦すべてでポイントを持ち帰っており、ランキング3位。
両ドライバーの活躍により、チームもランキングトップを爆進中であると同時に、今年新設されたマニュファクチャラーズ・トロフィーでも首位を走っている。
これまでの7年間でまだタイトル獲得経験がないジャガーだが、シーズン10においては3タイトルを総ナメにする可能性もあるだろう。
■ジャガーTCSレーシング チーム代表:ジェームズ・バークレー 本拠地:イギリス マシン:Jaguar I-Type 6 パワートレイン:ジャガー ●シーズン10成績(第4戦サンパウロE-Prix終了時点) 最高位:1位(1回) 獲得ポイント:96ポイント ランキング:1位 ●通算成績(シーズン10第4戦サンパウロE-Prix終了時点) レース数:99 優勝回数:13 表彰台獲得回数:36 ポールポジション獲得回数:7 チャンピオン獲得回数:0
No.9 ミッチ・エバンス
現在29歳、ニュージーランド出身のミッチ・エバンスは6歳のときにカートでモータースポーツのキャリアをスタートさせた。カートで名を上げたエバンスは、元F1ドライバーのマーク・ウェバーのマネジメントを受けると、2012年にGP3シリーズでチャンピオンを獲得するなど、シングルシーターでも実績を残した。フォーミュラEには、ジャガーとともにシーズン3から参戦。以降同チームと歩みを共にしてきた。昨季は4勝を挙げながらもタイトルには届かなかったが、今年はここででランキング3位と初チャンピオンを狙える位置につけている。
●シーズン10成績(第4戦サンパウロE-Prix終了時点) 最高位:2位 獲得ポイント:39ポイント ドライバーランキング:3位 ●通算成績(シーズン10第4戦サンパウロE-Prix終了時点) レース数:99 優勝回数:10 表彰台獲得回数:26 ポールポジション獲得回数:6
No.37 ニック・キャシディ
29歳、ニュージーランド出身と、奇しくもジャガーの僚友と同年齢、同郷なニック・キャシディだが、歩んできた道は異なる。母国のフォーミュラシリーズで実績を残したキャシディはその後、欧州F3などに参戦。2014年には初挑戦となるマカオGPで3位に入った。翌2015年に来日して名門TOM’Sから全日本F3選手権(現スーパーフォーミュラ・ライツ選手権)でチャンピオンを獲得すると、翌年にトヨタ陣営からスーパーGTシリーズGT500クラスにステップアップ。2017年は平川亮と組み、2勝を挙げて史上最年少のコンビ(ともに23歳)でチャンピオンに輝いた。同年には全日本スーパーフォーミュラ選手権にも参戦し、同シリーズでは2019年にタイトルを獲得した。フォーミュラEにはシーズン7からエントリー。昨季は4勝を挙げながらもランキング2位に終わったが、今季加入したジャガーで世界王者を目指す。
●シーズン10成績(第4戦サンパウロE-Prix終了時点) 最高位:1位(1回) 獲得ポイント:57ポイント ドライバーランキング:1位 ●通算成績(シーズン10第4戦サンパウロE-Prix終了時点) レース数:51 優勝回数:6 表彰台獲得回数:15 ポールポジション獲得回数:5