お値打ち価格で264万円から!軽パネルバンのキャンパーは日本+北欧テイスト!天然素材で落ち着いた室内空間

軽パネルバンの「ハイゼット・パネルバン」をベースにキャンピングカー仕様に仕立てたモデルに注目が集まっている。ヒノキをふんだんに使用したログハウス風の居住空間は北欧テイストで落ち着きがある。軽パネルバンの利点を活かしキャンパーカスタムとはどのようなものなのだろうか?

TEXT&PHOTO:山崎友貴(YAMAZAKI Tomotaka)

ログハウスのような居住空間、キューブ型の家具で自在にレイアウト

配送車の軽パネルバンがベースなだけあって、居住スペースは広々している。

軽バンや軽トラをベースにしたキャンピングカーはあまたあるが、軽パネルバンを使ったモデルは希有だ。そのひとつが、ミシマダイハツが販売している「クォッカ」。

クォッカは、「ハイゼット・パネルバン」をベースに、カーゴの中をキャンピングカー仕様に改造。富士ひのきをふんだんに使い、まるでログハウスの中にでもいるような居住空間にしつらえている。また同じ木材を使ったキューブ形の家具を並べ替えることで、ベッド、テーブル、チェアにレイアウトを変えることができるのも特徴だ。これらの家具は車外で使えば、キャンプ用にも転用できる。

キューブ型の家具を組み合わせることで、ユーザーの使い勝手に合わせてレイアウトを変更することができる。

ちなみにパネルバンの利点は、軽バンよりもグラスエリアが狭いため、断熱性に優れている点だ。開放感という点では及ばないが、窓がない分だけ壁面を有効活用できるし、そこに断熱材を兼ねた壁材を張ることで、家のようなインテリアコーディネイトが可能になる。

そんな同モデルに、新しいバリエーションが追加された。それが「クォッカ・ジャパンディ」だ。ジャパンディとは、和風と北欧風を融合させたインテリアスタイルのこと。いま注目のコーディネイトなのだ。これをいち早くキャンピングカーに取り入れたのが、このクルマというわけ。

ヒノキや漆喰など天然素材を使用したインテリア

インテリアを見てみると、なるほど漆喰壁の“和”と、スカンジナビア風の家具が融合している。しかもニューバージョンは、ベッド、テーブル兼物入れ、シンクが常設となっており、見た目にも機能が分かりやすい。

シンク、物入れがそれぞれ独立しているインテリアは、個人的には使いやすいと思う。

ちなみに壁の漆喰は、ホタテの貝殻から作ったもので、匂いや有害物質を吸着してくれるのだという。また使われているマットには新素材の「ファイバーマット」が使われており、適度な反発力と通気性で抜群の寝心地を得ることができる。

ホタテの殻から作られた天然素材の漆喰を使用。

写真にある12Vクーラーはオプションで、後からリチウムサブバッテリーなどもインストールすることができる。クォッカは内部壁面がヒノキ材で覆われていたが、ジャパンディでは漆喰壁を使ったことで開放感が大幅に増大。ここがパネルバンのカーゴの中だとは想像しにくい。また空間の広さこそ限られているが、レイアウトがよりバンコンに近づいたことで、既存モデルよりもラグジュアリー感が増したようにも感じる。

最近のキャンピングカーにはマストアイテムとなっているリチウムサブバッテリーも、きれいに収める設計となってる。

想定としては一人旅だが、床にベッドマットを敷けば、二人旅も行けるだろう。サイドオーニングを付ければ、食事やくつろぐのは外、就寝は中という空間の使い分けができそうだ。ちなみに価格は264万円〜。FFヒーターやクーラーはほしいので、乗り出しは300万円前半というところか。

生活スタイルは多様なので一概には言えないが、ひとつの空間の中でベッド、シンク、物入れがそれぞれ独立しているインテリアは、個人的には使いやすいと思う。立って車内を移動することは難しいが、それでも歩くことができるというだけでも、長期間の車中泊のストレスを相当軽減してくれると思う。

地震災害により再びキャンピングカーをシェルターとして使うことが注目されているが、オートキャンプだけでなく、災害時にも「憩いの空間」となりそうな軽キャンである。

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著者プロフィール

山崎友貴 近影

山崎友貴

SUV生活研究家、フリーエディター。スキー専門誌、四輪駆動車誌編集部を経て独立し、多ジャンルの雑誌・書…