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トヨタが愛知県豊田市と岡崎市にまたがる山間部に建設を進めてきた『Toyota Technical Center Shimoyama(トヨタ・テクニカルセンター・シモヤマ)』は、造成工事後の2018年4月から施設の建設を開始、翌2019年4月にカントリー路を備えた 中央エリアの運用を開始 し、2021年10月に 高速評価路や世界各地の特殊な路面を再現した特性路などを備えた東エリアの運用を順次開始した。これまで、2020年に発表したレクサスISを皮切りに新型車の開発が同施設で行なわれ、テストコースを走らせ、鍛え上げられてきたが、今回、新たに車両開発棟や来客棟を備えた西エリアが完成し、全面運用が開始された。
車両開発棟
車両開発棟はレクサスカンパニー、GRカンパニーの事業・開発拠点であり、ここでは、企画・デザイン、開発・設計、試作・評価などあらゆる機能のメンバーが、ニュルブルクリンクのピットのようにクルマを中心に集結。下山の自然地形を活かした高低差と多数のカーブが入り組んだ厳しいテストコースで徹底的に走らせることでクルマの課題を見つけ、改良を繰り返しながら、「“道”がクルマを鍛え、クルマをつくる人を鍛える現場」として、トヨタにおける「もっといいクルマ」の車両開発を牽引していく。また、最先端のデジタル機器 を活用し、リアルなクルマづくりとデジタルとを融合させた開発に取り組んでいくという。
来客棟
来客棟はビジネスパートナーやサプライヤーのスタッフとの垣根を越えた“共創の場”となる。ここでは、開発拠点ならではのクルマを間近に感じる交流により、新たな発想を促し、イノベーションに向けたオープンな空間として活用されるという。
建設にあたっては、環境保全の取り組みとして、敷地面積(約 650ha)の約6割で土地本来の森林を残し、保全を行なうことに加え、緑地を新たに造成するなど、自然環境の適切な維持・管理に努めているという。2023年3月には東エリアに環境学習センターが完成し、 環境保全に向けて、里山体験イベントなど地域住民との交流の場として活用されるという。また、今後も有識者や地元自治体、地域住民の協力を仰ぎながら、森林や谷津田など里山環境の保全活動を行なうことで、自然と調和する施設として、地域との共生を進めていくという。
トヨタ自動車株式会社 会長 豊田章男氏のコメント
「この施設の構想がスタートしてから30年近く経ちます。地域の皆さまに「トヨタが 下山に来てよかった」と笑顔になっていただきたいという想いで、ずっとやってまいりました。この「皆さま」には、本日お越しいただいた“人間”の皆さまだけでなく、古くからお住まいの“動物や植物の皆さま“も含まれております 。そんな地域との共生に向け、愛知県、豊田市、岡崎市など行政の皆さまに多大なるご協力をいただきました。 また、下山および松平地区にお住まいの皆さま、長きにわたる建設期間、そして、これからも末長くとなりますが多大なるご理解とご支援をいただいていること、心より感謝いたします。GR 、レクサスのメンバーなど総勢3000人が、本日より、ここで「走る・壊す・直す」を繰り返してまいります。私もマスタードライバーとして 下山の道 をたくさん走ってまいります。“下山の道”がクルマをつくる…。生産工場ではありませんが、これから下山産のクルマが世界のあらゆる道を走り、たくさんの人を笑顔にしてまいります。 下山で加速していくトヨタの「 もっといいクルマづくり 」をお誓い申し上げて、これまでのご協力と、これからもずっと続いていく皆さまとの共生へのお礼に代えさせていただければと思います」