フォルクワーゲン・タイロンは現在のところ、中国専売モデルとして販売されているが、次期型では中国を離れ、グローバルモデルとして生まれ変わるのだ。おそらく、中国では第2世代「タイロン」、ヨーロッパでは初代「タイロン」、米国ではタイロンの名は使用されず第3世代「ティグアン」として販売されると思われる。またグローバルモデルとしての販売が計画されていることから、今後は日本を含むアジア各地域への投入も検討される可能性があることもわかった。
市販型では、「MQB Evo」プラットフォームを採用、従来の「ティグアン オールスペース」後継モデルとなる。
ニュルで捉えたプロトタイプのフロントエンドには、バンパーコーナーにフィンを備える大型インテークを装備している。中央にもメッシュのワイドな給気口を配置するなどかなりアグレッシブであることのほか、室内にはスポーツシートが確認できることなどから「R-Line」の可能性が高い。またボンネットの形状も新設計され、欧州版「ティグアン」新型のようにヘッドライトと接続されていないことがわかる。
側面からは、欧州ティグアンとの明確な違いが一番よくわかる。タイロン/ティグアン オールスペースは背が高く、明らかにボディが長い。また、Cピラーの後ろの窓が3列目のシートを収容するために長くなっているほか、ホイールアーチもティグアンより四角い。キャラクターラインは、欧州ティグアンがまっすぐなラインだが、プロトタイプはフェンダーからキックアップしていのも特徴だ。
市販型のボディサイズは、全長4735mm、全幅1860mm、全高1680mmとされており、ティグアンより20cm近く長いほか、全幅、全高も大型化されている。またホイールベースを11cm延長し、2791mmにすることで、3列目シートように十分なスペースが確保される。
キャビン内では、大きなタブレットタッチスクリーンとApple CarPlayや、Android Autoの両方を備えるなど、ヨーロッパのティグアンと同様のコックピットとなることは間違いない。
欧州での予想パワートレインは、2台のPHEV、ディーゼル、1.5Lターボチャージャー付ガソリンエンジン+マイルドハイブリッドなど、小型ティグアンと同様のパワートレインラインナップだ。また北米では、48Vのハイブリッドアシストを備えた2.0L直列4気筒ターボチャージャーエンジンを提供しており、前輪駆動と全輪駆動が用意されるが、PHEVの導入も有力となっている。
新生ティグアンのワールドプレミアは2024年後半で、最強グレードである「R」の登場も期待されている。