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内外装含め大幅質感アップ 重厚感ある乗り心地
近年のアルファード人気はすさまじい。以前は輸入車に乗っていた芸能人や政治家も最近はアルファードを愛用し、早速新型を注文したという話を耳にする。そんな人気車が8年振りにフルモデルチェンジしたのだから完成度の高さはハンパない。
エクステリア
ボディの基礎となるプラットフォームは刷新され、ボディ剛性を大幅に強化。全長が45㎜拡大され4995㎜になったが、1850㎜の全幅と全高は先代と大差ない。ボディサイズはさほど大きくなっていないが、フロントマスクはグリルの存在感が高まり、僅かだが逆スラント状になっているため躍動感が増している。
乗降性
インテリアも大幅に質感を増した。最近はメーターに平面的なディスプレイを採用するクルマが多いが、アルファードではあえてメータークラスターを残し、ドライバーを包み込むようなレイアウトを採用。運転席に独特のくつろぎ感をもたせるとともに優れた操作性も両立させている。自慢の2列目シートは2種類を設定。Zにも電動調整機能をもつ、豪華なキャプテンシートが装備されるが、上級グレードのエグゼクティブラウンジはスマートフォンのような脱着式の端末でシートやエアコンの調整が可能となり、シート内の空気袋で身体を押圧してくれるリフレッシュシートも装備する。天井にもドアやエアコンの操作スイッチや小物入れが付くオーバーヘッドコンソールがあるなど、最上級ミニバンに相応しい極上の快適空間に仕上がっている。3列目はシート形状が改善されて座り心地を向上。荷室を広げる際の跳ね上げ動作も楽になった。
インストルメントパネル
新型アルファードでは僚友のヴェルファイアと差別化が図られているのも特徴。主力の2.5ℓハイブリッドは共用しているが、アルファードに設定されるベーシックな自然吸気の2.5ℓはヴェルファイアにはない。代わりにパワフルな2.4ℓターボが用意され、ボディに補強が追加され、足まわりも強化されている。キャラクター的にはラグジュアリーなアルファードに対して、ヴェルファイアはドライバーズミニバン的な要素を濃くしている。とはいえアルファードでも走りに不満はない。新世代になった2.5ℓハイブリッドユニットは発進時から滑らかで、アクセルを踏み込んだときのレスポンスも良好。ボディの重さを感じさせずにスムーズに速度を乗せてくれる。静粛性も向上し、エンジンが回転を上げたときでも耳障りな排気音は聞こえてこない。
居住性
フットワークも重厚感のある乗り心地の良さを極めながらも、ハンドリングの正確性を増している。フロアからの振動が少なく、前後方向のピッチングも抑えられているから長く乗っていても疲れにくい。特に17インチタイヤを履くエグゼクティブラウンジは突き上げ感が少なく快適性が高い。コーナーでは多少重心の高さを感じさせるが、穏やかにロールしてくれるから安心感がある。
うれしい装備
フルモデルチェンジ 23年6月21日 月間販売台数 3855台(23年6月~11月平均) WLTCモード燃費 17.7km/ℓ※「Z(ハイブリッド)」のFF車
ラゲッジルーム
先代にはなかったハイブリッドのFFが選べるようになったのはうれしいが、今のところ8人乗りがなく、ボディカラーやグレード数も少ないのが難点。生産状況が落ち着けば選択肢が増えてくるはずなので、購入を検討している人は少し腰を据えてプランを練った方がよいだろう。
※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.156「2024 最新国産新型車のすべて」の再構成です。