トヨタは、同社のハイパフォーマンスシリーズである「GR」のモデルに関して、将来のハイブリッドパワートレイン採用には前向きであるものの、バッテリーEV(BEV)の生産はしない方針であることがわかった。
トヨタのGRカンパニープレジデントを務める高橋智也氏は、最近オーストラリアで行われたインタビューにおいて「将来、エンジンが禁止される時が来るかもしれませんが、内燃機関は悪いものではありません。敵は炭素です。これからも私たちは、未来のエンジンに投資していきます」と語り、未来のGRモデルは可能な限りエンジンを維持すると確約したという。
また、多くの自動車メーカーがフルエレクトリックモデルへの移行を計画しているなか、トヨタは排出量削減に「マルチパスウェイ」アプローチを採用している。高橋氏は、GR部門はハイブリッドパワートレインを使用して排出量を削減でき、カーボンニュートラル燃料(CN燃料)の使用にも前向きであると述べ、「ハイブリッド技術を使用することで、炭素排出量を削減でき、CN燃料を使用することもできます。世界中で、自動車がすべて電動化されるわけではないという議論があります。10年先の未来を見通せる人は誰もいません。私たちの方向性はEVだけではありません。マルチパスウェイです」と断言している。
そして、インタビューの最後に同氏は、「速いクルマといいクルマは違います。GRは市場に出回っている高性能BEVのような速いクルマを作ることに興味はありません。『楽しいクルマ』を作りたいのです」と、頼もしく未来を語った。