ル・マン24時間で使用される約7,250本のタイヤは、ドイツのハナウにあるグッドイヤーの工場で生産され、現地に向けて出荷される。すべてのタイヤ、フィッティングエリアの設備、そして、レースウィークを通じて100人以になるチームスタッフのケータリングなどを25台以上のトレーラーを使って運搬することになる。
グッドイヤーではトレーラーの最大積載量を最大限に効率化できるように、これらの荷物の積み方を工夫している。また、チームスタッフ全員が同乗して現地に向かう際にも、効率性を考量したルートが選択されている。もちろん、すべての車両にはグッドイヤーの低燃費タイヤが使われている。
日本をはじめとする長距離輸送が必要となるレース会場の場合、グッドイヤーは世界各地へのタイヤ輸送に海上輸送が利用されている。これには手続きなど多少複雑になるところもあるが、温室効果ガス排出量の観点からは、1トンの貨物を1マイル輸送するための航空輸送に比べて47分の1に削減できる。
グッドイヤーのタイヤフィッティングエリアは、世界で最も歴史的なル・マン24時間レースの中でも重要な役割を果たしている。フリー走行や予選で、F1レース2大会分ほどの距離を走ったタイヤを各チームから引き取り、決勝に挑むための真新しいタイヤに交換して再び各チームに供給。レースの週末に何千本ものタイヤを供給するには、正確なデータモニタリング、供給管理、そしてチームワークが必要になる。
グッドイヤーのタイヤエンジニアチームには、レース中の路面温度や天気予報などのコンディション情報など様々なデータが送られ、それらをリアルタイムで分析。分析されたデータは各チームのグッドイヤー専任エンジニアに伝えられ、レースコンディションに対するタイヤのパフォーマンスを予測し、チームと連携しながらレースの戦略やマシンのセットアップの指針とされる。
グッドイヤーのすべてのタイヤにはRFIDチップが埋め込まれおり、レース期間中のタイヤ使用状態を管理するために使用される。この情報はレースオフィシャルにも共有され、各チームがレギュレーションを守ってタイヤを使用しているか確認される。