サルーンの顔してタイカンに挑む、1000psオーバーのすごいヤツ
2010年に設立されたXiaomi Corporation(シャミオコーポレーション)は、手頃な価格のハイエンドスマートフォンと、MIUIオペレーティングシステムの開発に注力するスマートフォンメーカーだが、その子会社となるのがEVカーメーカーの「Xiami Auto」(シャミオオート)で、2021年8月に正式に登録された。
同ブランド初のEVとなるSU7は、ポルシェ「タイカン」やテスラ「モデルS」の廉価版といえるEVサルーンだが、マクラーレン風のフロントエンドを持ち、下位グレードはテスラ「モデル3」よりも価格が安く、上位グレードはポルシェ「タイカン ターボ」に近いパワーと性能を備えたこの車に注文が殺到した。
現在のフラッグシップモデル「SU7 MAX」は、デュアル電気モーターを搭載し、最高出力663ps、最大トルク838Nmを発揮。わずか2.78秒で0から100km/h(62mph)まで加速させる。
だがポルシェは、タイカンに最強「ターボGT」を設定、最高出力は1108psを叩き出している。またオプションの「ヴァイザッハ ライトウェイト パッケージ」を装備したモデルでは、ニュルブルクリンクを7:07.55で周回し、リマック「ネヴェーラ」に次ぐ量産EVで2番目に速いタイムを記録している。
そこに挑むのが、SU7ハードコアバージョンだ。タイカン ヴァイザッハ キットには、後部座席を取り除き、下位グレードに装備されているポップアップ式ではなく固定式リアスポイラーが装備されている。一方このプロトタイプはスモークリアウィンドウのためリアシートがあるのか定かではない。ただし、固定式リアウィングは確認できる。さらにフロントバンパーの下にコンパクトなチンスポイラーが取り付けられていること見てとれる。
空力性能と走行性能の向上のためにハードにアップグレードされたサスペンションを搭載、タイカン ターボGTを凌駕するなら、システム合計出力を4桁の領域に押し上げる巨大なパワー注入が必要となる。そのパワーがあれば、0から62 mph(100km/h)加速も 2.5 秒を大きく下回るはずだ。
注目の価格だが、タイカンターボGTの23万ドル(約3600万円)を大幅に下回ることが確実で、半額以下も期待していいだろう。