2024年上半期(1-6月)日本の新車市場分析 売れたクルマ、軽自動車、ブランド、輸入車?

自販連(日本自動車販売協会連合会)は、2024年1月〜6月の販売データを発表した。データによると、もっとも売れた乗用車は、トヨタ・カローラだった。それ自体は、驚くにあたらないが、いろいろ深掘りしていくと見えてくるものがあるのだ。
トヨタ・カローラシリーズ 2024年上半期、もっとも売れた乗用車だ。

自販連が発表する「乗用車ブランド通称名別順位」のブランド通称名では、たとえばカローラには、カローラ/カローラクロス/GRカローラが含まれるし、ヤリスには、ヤリス/ヤリスクロス/GRヤリスが含まれる。

乗用車ブランド通称名別順位 2024年1月〜6月

ブランドモデル名台数前年比
1位トヨタカローラ85,201台103.4%
2位トヨタヤリス81,715台83.9%
3位トヨタシエンタ55,649台82.6%
4位日産ノート52,857台91.0%
5位ホンダヴェゼル44,164台194.0%
6位日産セレナ40,169台116.6%
7位ホンダフリード38,429台88.3%
8位トヨタアルファード37.385台152.2%
9位トヨタプリウス36,790台75.3%
10位トヨタハリアー35,294台80.2%

2024年上半期(1~6月)のTOP10が上の表だ。

相変わらずトヨタが強い。のだが、前年比を見ると、カローラ、アルファードは100%超えだが、ほかの4車種は軒並み前年割れである。

ホンダ・ヴェゼル マイナーチェンジを受けて下半期も好調を維持できるか、注目だ

元気なのはホンダで、ヴェゼルが前年比194.0%(つまりほぼ倍増)、モデル末期のフリードが依然として売れ続けてくれたことでTOP10に2台を送り込んだ。

参考までに2023年1~6月の順位は次の通りだ。

乗用車ブランド通称名別順位 2023年1月〜6月

2023年上半期はヤリス(ヤリス/ヤリスクロス/GRヤリス)がトップだった(写真はヤリスクロス)
ブランドモデル名台数
1位トヨタヤリス97,421台
2位トヨタカローラ82,374台
3位トヨタシエンタ67,344台
4位日産ノート58,095台
5位トヨタノア50,489台
6位トヨタプリウス48,835台
7位トヨタヴォクシー48,835台
8位トヨタアクア46,458台
9位トヨタルーミー45,814台
10位トヨタハリアー43,997台

昨年上半期のTOP10のうち、トヨタ・ノア、アクア、ルーミーが姿を消したことがわかる。ちなみにノアは2024年上半期35,105台(前年比69.5%)、アクアは27,801台(59.8%)、ルーミー19,256台(42.0%)だった。

ブランド別でもトヨタが苦戦、ホンダが躍進

次はブランド別新車販売台数のデータだ。

ホンダZR-V 2024年上半期は23,333台で前年比599.4%だった

国産ブランド別新車販売台数(2024年1月~6月)

ブランド名販売台数前年比
1位トヨタ636,569台77.0%
2位スズキ375,290台113.9%
3位ホンダ341,781台121.2%
4位日産245,905台98.1%
5位ダイハツ120,734台38.7%
6位マツダ68,661台68.8%
7位三菱57,815台117.2%
8位SUBARU49,009台97.4%
9位レクサス45,646台89.1%

順位だけ見れば1位トヨタ、2位スズキ、3位ホンダ、4位日産で目新しさはないように見える。が、2023年の上半期は3位にダイハツが入っていた。ダイハツは、認証不正の影響を強く受けて、2023年上半期から6割も販売台数を減らしてしまった。影響はダイハツだけではない。

  • ルーミーが19,256台で前年比42.0%
  • ライズが14,119台で前年比42.5%
    とダイハツがトヨタに供給するモデルも軒並み販売台数を減らしている。トヨタの「前年比77.0%」の要因のひとつはここにある。
  • RAV4が16,232台で前年比61.7%
    と、2024年上半期、トヨタは国内で苦戦した、と言っていいだろう。
    好調だったのはホンダ。
  • ステップワゴン 34,932台 218.7%
  • ZR-V 23,333台で599.4%
  • フィット 32,764台 109.4%
  • WR-V 10,582台(2024年3月発売)
  • シビック 7,974台 123.3%
  • オデッセイ 6,254台(国内市場再投入)
    といった具合だ。ホンダの場合は、半導体不足の影響を2023年上半期はまだ少し引きずっていたから、かもしれないが、好調なのは間違いない。

2024年上半期 軽自動車販売

2024年上半期、日本でもっとも売れている軽・普通乗用車は、やはりホンダN-BOXだった。

2024年1月~6月軽四輪通称名別新車販売台数

車名モデル名販売台数前年比
1位ホンダN-BOX100,680台89.7%
2位スズキスペーシア84,368台140.4%
3位スズキハスラー48,979台143.4%
4位スズキワゴンR42,415台111.6%
5位スズキアルト36,756台100.2%
6位日産ルークス35,620台93.9%
7位三菱デリカミニ/eK31,289台217.8%
8位ダイハツタント27,767台34.7%
9位日産デイズ27,722台151.2%
10位スズキジムニー20,416台101.5%

今度は軽自動車だ。ナンバー1は、依然としてホンダN-BOXだが、前年比で89.7%。2位のスペーシア、3位のハスラー、4位のワゴンRのスズキ勢は軒並み前年比大幅アップとなっている。ダイハツ不在で空いたポジションを見事にスズキが掠っていった格好だ。
迎え撃つホンダは

  • ホンダN-WGN 16,872台(84.4%)
  • ホンダN-ONE 9,106台(96.0%)
    とNシリーズは前年割れだ。

輸入ブランド別新車販売台数(2024年1月~6月)

ブランド名販売台数前年比
1位メルセデス・ベンツ25,692台100.4%
2位BMW16,102台96.5%
3位フォルクスワーゲン13,470台106.6%
4位アウディ12,131台99.5%
5位ボルボ6,631台83.1%
6位BMW MINI6,521台73.4%
7位JEEP4,705台76.3%
8位ポルシェ4,676台109.3%
9位ランドローバー4,260台95.9%
10位ルノー3,029台75.6%

輸入ブランドのランキングは上の表の通り。

メルセデス・ベンツ、BMW、フォルクスワーゲン、アウディのドイツ勢がTOP4を占める。とはいえ、どのブランドにも勢いは感じられない。なかでも好調と言えるのは、ポルシェ。前年比109.3%の4676台を売り上げている。

他のブランドにも目を向けてみよう。いわゆる”超”が付く高級ブランドは、好調だ。お金はあるところにはある、ということ、なのだろう。

フェラーリ296GTS
  • フェラーリ 717台(104.8%)
  • マセラティ 659台(98.8%)
  • ランボルギーニ 364台(133.8%)
  • ロータス 143台(1191.7%)
  • ロールスロイス 172台(155.0%)
  • マクラーレン 117台(127.2%)

中韓ニューカマーは?

BYDシール

相次いで日本市場に参入した中韓OEMの上半期はどうだったか?

  • ヒョンデ 343台(149.8%
  • BYD 1,084台 (187.9%

どちらも前年比で大きく伸ばしているが、より売れたのはBYDだ。ATTO3、ドルフィンの2モデルで1,084台を売りあげた。対するヒョンデは343台で前年比149.8%。ここまでは、オンライン販売のヒョンデをディーラー網整備中のBYDが一歩リードしていると言っていいだろう。


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