スズキ「スイフト」3代目にエネチャージモデル追加、139.8万円~【今日は何の日?7月17日】

スズキ3代目スイフト
スズキ3代目スイフト(デュアルエンジンを搭載したエネチャージシステム採用)
一年365日。毎日が何かの記念日である。本日7月16日は、スズキの人気コンパクトカー、3代目「スイフト」にデュアルジェットエンジンを搭載したエネチャージモデルが追加された日だ。高効率のデュアルジェットエンジンと減速エネルギー回生を強化するエネチャージシステムにより、大幅な燃費向上を達成した。
TEXT:竹村 純(Jun TAKEMURA)/PHOTO:clicccar

■3代目スイフトが燃費向上のためエネチャージを採用

2013(平成25)年7月17日、スズキは3代目「スイフト」の燃費向上のため、マイナーチェンジでエネチャージを搭載したモデルを追加。エネチャージは、高効率・高出力のオルタネーターによって減速エネルギー回生を強化する手法で、これに新開発のデュアルエンジンを組み合わせて1.2L超のガソリン車トップの燃費を達成した。

スズキ・スイフト
2013年に登場したスズキ3代目スイフト(エネチャージ搭載)

●軽自動車ベースの初代、基本設計を一新して人気を獲得した2代目スイフト

スズキ初代「スイフト」
2000年にデビューしたスズキ初代「スイフト」。軽ベースのコンパクトカーだったか、人気は限定的

「カルタス」の後継車として2000年に誕生した初代スイフトは、軽自動車「Kei」のプラットフォームをベースにトレッドを広げたボディに1.3L直4 DOHCエンジンを搭載した5ドアハッチバックである。“泣く子も黙る79万円”の軽をも下回る低価格と俊敏な走りをアピールしたが、軽自動車のイメージから脱却できず、新鮮味に欠けて人気を獲得するには至らなかった。

スズキ2代目スイフト
2004年に登場したスズキ2代目スイフト。本格的な世界戦略車

専用部品に設計し直し軽のイメージを一掃したのは、2004年発売の2代目スイフトだった。計画段階から世界戦略車として開発され、国内外で広く認知されたこの2代目こそ、スズキの実質的な世界戦略車第1号と位置付けられている。
軽量かつ高い剛性のボディとトーションビーム式リアサスペンションにより、スポーティで力強い走りを実現し、人気モデルとなった2代目スイフトが、現在も続く人気の礎を作ったのだ。

●3代目は、高効率のデュアルジェットエンジンとエネチャージを採用

スズキ・スイフト
スズキ・スイフト

2010年、スイフトは2度目のフルモデルチェンジによって3代目へ移行。基本的には、先代のキープコンセプトだが、軽量・高剛性の新たなプラットフォームによって、先代よりも30kg程度軽量化されたのが特徴である。
その後も、アイドルストップの採用や足まわりの強化など進化を続け、2013年のこの日にマイナーチェンジを実施。変更のポイントは、熱効率を改善したデュアルジェットエンジンと、減速エネルギー回生システムを強化したエネチャージを採用したこと。

デュアルジェットエンジンの構成
デュアルジェットエンジンの構成

・デュアルジェットエンジン(1.2L直4 DOHC)
吸気ポートと燃焼室形状の最適化や1気筒あたり2つのインジェクターの装着、クールドEGR、フリクション低減などを実施してエンジンの熱効率を向上。

・減速エネルギー回生
既存の鉛バッテリーに加えて高効率のリチウムイオンバッテリーを追加。高効率・高出力のオルタネーターを装備し、減速時により多くの減速エネルギーを回生。その電力で点火など電気系統の動作に使って燃費を改善するのが減速エネルギー回生である。また、同時にオルタネーターが発電するときには回転抵抗が発生するため、これを制動力の一部として利用することも効率向上に繋がるのだ。

エネチャージの構成と原理
エネチャージの構成と原理

さらに従来から採用しているアイドルストップなどを組み合わせて、FF車は21.8km/Lから26.4km/L(JC08モード)に、4WD車は18.8km/Lから22.6km/Lに向上、1.2L以上のガソリン車でトップの燃費を達成したのだ。車両価格は、FF/CVT仕様の標準モデルが128.0万円、エネチャージモデルは139.8万円と約12万円高額に設定された。

スズキ・スイフト
スズキ・スイフト
スズキ・スイフト
スズキ・スイフト

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エネチャージは、2014年にはオルタネーターの代りにISG(モーター機能付発電機)を使って加速時にエンジン出力をアシストするS-エネチャージに、さらにISG出力を上げたマイルドハイブリッドに進化。その後、2017年には駆動用モーターを追加して、条件を満たせば車速60km/h以下でEV走行できるハイブリッド(当初はフルハイブリッドと呼んでいた)へと変わり、進化を続けている。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

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著者プロフィール

竹村 純 近影

竹村 純

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までを…