ヤマハ発動機らがインドネシアにおけるマングローブ植林プロジェクトを開始。美しい海を未来に残す

ヤマハ発動機はこのほど、インドネシア共和国における独自のマングローブ植林手法を展開するワイエルフォレスト株式会社(以下「YLF」)と業務委託契約を締結した。今後、YLF社への資金提供を通じて、同国南スラウェシ州におけるマングローブの植林プロジェクトを開始する。

持続可能な森林経営の実現と、自然共生型で持続可能な水産養殖による地元住民の生計向上に寄与

ヤマハ発動機YLFの契約は、生物多様性への貢献、カーボンニュートラルへの貢献、海洋汚染防止を目的として、3年間にわたってシルボ-フィッシャリー型マングローブ植林の業務を委託するもの。今後YLFを通じて215ha(約37万本相当)の植林活動を行い、その維持整備も行う。

YLFは、独自のマングローブ植林手法である「シルボ-フィッシャリー」を用いた植林事業を行っている。シルボ-フィッシャリーは、「Silviculture(造林)」と「Fishery(漁業)」を組み合わせた造語で、マングローブの森づくりと水産養殖再生の両方の便益を創出する方法。この組み合わせにより、持続可能な森林経営の実現と、自然共生型で持続可能な水産養殖による地元住民の生計向上に寄与することができる。また、マングローブ林は地中の炭素蓄積量が多く、ブルーカーボン(※)の視点からも重要な吸収源となる。
※沿岸・海洋生態系に取り込まれ、そのバイオマスやその下の土壌に蓄積される炭素のこと

シルボ-フィッシャリー型植林
「シルボ-フィッシャリー」を活用した森づくりとは、インドネシア共和国内にある、放棄された養殖池跡地または生産性が低下した養殖池に、マングローブを図のように中央に植林し、その周りの水路でエビや魚を養殖しながら、持続可能な森林経営・水産業支援を行う方法。持続可能な森林経営・水産業支援が可能な理由は、植林したマングローブが水面(水路)に落とす葉にプランクトンが集まり、それがエビや魚の餌となるため、環境負荷の低減が可能となる。また、実際に池を管理している地元住民においても、飼料や投薬が不要のためコスト削減に繋がり、水産養殖を持続しやすいことが挙げられる。このように、水産養殖持続のためにはマングローブ林が不可欠な存在=共存の関係にあり、森林が守られることで地球温暖化に貢献しながら、水産養殖で地元住民の生計向上にも貢献する仕組みとなっている。

ヤマハ発動機のマリン事業では、長期ビジョン4つの項目のひとつとして「今日よりもっと素晴らしい海を、未来へ贈る」という目標を掲げている。マリン業界のリーディングカンパニーとして、この目標実現に向け、今後も美しい海を残す活動へ取り組み続けていく方針だ。

シルボ-フィッシャリー型植林イメージ
ワイエルフォレスト株式会社 概要
・所在地:福岡県福岡市博多区
・資本金:7000万円
・代表者:阿久根直人代表取締役社長 
・事業概要
「森林の整備、保全、維持および管理事業」
「植林事業」
「排出権取引に関する事業」
「温室効果ガス排出削減事業」
「環境整備に関する事業」ほか

キーワードで検索する

著者プロフィール

MotorFan編集部 近影

MotorFan編集部