スカイアクティブX搭載のMAZDA3は満タンで何km走れるか?

SKYACTIV-X SPRIT1.1で700km一気乗り! マツダMAZDA3 進化したSKYACTIV-X搭載モデルは、満タンで何km走れるか?

車
MAZDA3 FASTBACK X L Package(AWD) 車両価格○361万6963円 試乗車はOP(スーパーUVカットガラスフロントドア+IRカットガラス+ CD/DVDプレーヤー+地上デジタルTVチューナー4万9500円/360°ビューモニター+ドライバーモニタリング8万6880円)込みで375万3343円
マツダがSKYACTIV-Xのアップデートを行なったのが、2020年11月。「SPRIT 1.1」と称するバージョンに進化し、出力も180ps→190ps、トルクも225Nm→240Nmへアップしている。SPIRIT1.1のXを搭載するMAZDA3の燃費はどのくらいか? ロングドライブに連れ出した。満タンで何km走れるのだろうか?

WLTCモード通りの燃費を達成した満足……というわけにはいかない。前述したとおり、SKYACTIV-Xの6AT/AWDは6MT/FFよりも7%ほど燃費では不利だ。ということは、6MT/FFだったら、17.5km/ℓになったはずだ。走りにはまったく不満はない。が、もう少し燃費が良いといい……と思った。そしたら、1タンクで780kmではなく、もっと足が長くなる。

インテリアの質感はとても高い。室内長×幅×高:1820mm×1490mm×1160mm
商品改良を受けて乗り心地も向上している。デビュー当初の硬く、ちょっと跳ねる感じは収まっていた。
シートの出来はいい。700km一気に走っても腰は痛くならず、翌日に疲れも残らなかった。

高速移動が多い欧州でMAZDA3はどうなっているのか、ちょっと気になって調べてみた。

驚いたのは、欧州仕様も圧縮比が16.3から15.0(つまり日本仕様と同じ)へ下がっていたことだ。
■欧州仕様は2021年モデルで
+6PS/16Nm出力アップで
最高出力:186ps(137kW)/6000rpm
最大トルク:240Nm/4000rpm
燃費は、0.5ℓ/100km向上したという。

MAZDA3 FB SKYACTIV-X AWD(6AT)
WLTP:Combined 6.5ℓ/100km(15.38km/ℓ)
Extra High 6.8ℓ/100km(14.71km/ℓ)
High 5.7ℓ/100km(17.54km/ℓ)
Medium 6.3ℓ/100km(15.87km/ℓ)
Low 7.9ℓ/100km(12.66km/ℓ)
タイヤサイズもトランスミッションのギヤ比も最終減速比も日本仕様と同じ。だから、130km/hのExtra High(日本のWLTCモードでは採用していない)用になにか特別なことがしてあるわけではないのだ。

自然な運転姿勢がとれるのがマツダ車の美点だ。MAZDA3も例外ではない。

ライバルとなる、たとえば
■マツダMAZDA3 SKYACTIV-X(338万463円)が2.0ℓ直4スーパーチャージャー(190ps/240Nm)搭載のFFモデル(6AT)でWLTCモード燃費(国内・以下同))が17.3km/ℓ
■メルセデス・ベンツAクラス A180スタイル(406万円)が、1.3ℓ直4ターボ(136ps/200Nm)搭載のFFモデル(7速DCT)でWLTCモード燃費が15.2km/ℓ
■BMW1シリーズ 118iプレイ(378万円)が1.5ℓ直3ターボ(140ps/220Nm)搭載のFFモデル(7速DCT)でWLTCモード燃費が13.7km/ℓ

であるから、同価格(より安い)のMAZDA3 SKYACTIV-Xエンジン搭載モデルは、パワー/トルクも燃費も勝っている。SKYACTIV-Xが「走りも燃費も」狙ったエンジンだという意識が強すぎて、どうしても燃費に対してキビシイ見方を見てしまうのだが、やはりSKYACTIV-Xは優秀なのだ。

今回の試乗車はAWDモデルだった。悪条件になればなるほど、AWDの良さが光るわけだが、たとえば高速道路への進入・退出時の回り込んだループ状の道路でアクセルをジワッと開けるようなシチュエーションでの安心感と気持ちの良さはAWDならではだ。

あらためてMAZDA3 SKYACTIV-Xモデルと少し長く付き合った。本当にいいクルマである。Cセグハッチバックを選ぶなら、第一候補にMAZDA3を推す。MAZDA3のなかでなにを選ぶか? 個人的な見解を言わせてもらえば
SKYACTIV-X搭載のFFモデル X L Package:車両価格338万463円

SKYACTIV-G1.5搭載のFFモデル 15S Touring:車両価格231万5989円
で迷う。トランスミッションはMTでもATでも同価格。ATもMTも6速だから、MTを選ぶ。

予算に余裕があれば、やはりSKYACTIV-Xに乗りたい。だって、現在世界生先端をゆく内燃機関なのだから。

MAZDA3 FASTBACK X L Package(AWD)
全長×全幅×全高:4460mm×1795mm×1440mm
ホイールベース:2725mm
車重:1510kg
サスペンション:Fマクファーソンストラット式 Rトーションビーム式
エンジン形式:直列4気筒DOHC
エンジン型式:HF-VPH型
排気量:1997cc
ボア×ストローク:83.5mm×91.2mm
圧縮比:15.0
最高出力:190ps(140kW)/6000rpm
最大トルク:240Nm/4500rpm
過給機:スーパーチャージャー
燃料供給:筒内燃料直接噴射(DI)
使用燃料:プレミアム
燃料タンク容量:48ℓ
モーター:MK型交流同期モーター
 最高出力:6.5ps(4.8kW)/1000rpm
 最大トルク:61Nm/100rpm

WLTCモード燃費:16.2km/ℓ
 市街地モード 12.6km/ℓ
 郊外モード 16.7km/ℓ
 高速道路モード 18.1km/ℓ
車両価格○361万6963円
試乗車はOP(スーパーUVカットガラスフロントドア+IRカットガラス+
CD/DVDプレーヤー+地上デジタルTVチューナー4万9500円/360°ビューモニター+ドライバーモニタリング8万6880円)込みで375万3343円

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著者プロフィール

鈴木慎一 近影

鈴木慎一

Motor-Fan.jp 統括編集長神奈川県横須賀市出身 早稲田大学法学部卒業後、出版社に入社。…