愛犬や愛猫とのドライブを楽しむために!気をつけてあげたい5つのこと

愛するペットと一緒にドライブできれば、気兼ねなく遠出や長期旅行ができる。しかし、犬や猫などのペットをクルマに乗せる際は注意すべき点も多い。ペットを車に乗せて出かける際に気をつけたい5つの注意点を紹介しよう。

【1】動き回れる状態は交通違反!ペットの正しい乗せ方は?

好奇心旺盛な子猫は車内の隙間に入り込んでしまう。シート下には電気配線もあるため、ペットのためにも乗せ方には気を遣おう。

ペットを車内で動き回れる状態にしておくのは危険だ。ペットは乗員ではなく積載物の扱いとなるため、走行中の不適切な乗せ方は「乗車積載方法違反」に問われる恐れがある。ペットが窓から顔を出している状態での走行なども「安全運転義務違反」に該当し処罰される可能性が高い。

普段は大人しい犬でも、慣れない環境では興奮して運転手の邪魔をする恐れがある。猫や小型犬はシート下に潜り込んでしまい、シートレールのグリスなどが毛に付着したり、飲み込んたりしがちだ。また 窓の開き具合によっては車外へ飛び出す危険もある。

ペットを膝の上に乗せて運転する光景は意外なほど多く見られる。なにかの拍子に運転席の足元へ潜り込んでしまうと迂闊にペダル操作もできず非常に危険な状態をつくってしまう。

ペットを膝の上に乗せて運転するのは明確な交通違反だが、ドライバー以外の乗員が抱き抱えるのは法律上問題ない。しかし、助手席に乗せるのは避けた方がよいだろう。万が一エアバッグが作動すると展開した際の衝撃で死亡したり、エアバッグが顔を覆って窒息する危険があるためだ。

正しいペットの乗せ方は、クレートやケージ、ペットドライブボックスなどを利用するのがベストだ。シートに座らせる場合は後部座席に座らせ、リードではなく必ずペット専用のシートベルト(ボディハーネス)で固定しよう。

【2】ペットにとって車内はストレスだらけ! 理想の車内環境は?

普段から愛着あるおもちゃやタオルなどを持っていくと、移動中のストレスを緩和してあげられる。

多くのペットは車に乗りたがらない。普段と異なる環境であることに加え、人間の耳にはほとんど聞こえないエンジン音や各部の稼働音も、聴覚に優れた犬や猫にはしっかりと聞こえているからだ。

騒音や振動だらけの車内はペットにとって過大なストレス環境となる。せめて、ペットを乗せている間は大音量のBGMは避けよう。嗅覚にも優れるため、強いにおいの芳香剤の使用も控えるとよいだろう。

また車内の温度管理も重要だ。広い車の荷室や後席は、前席と大きな温度差が生じる場合もある。乗員の基準ではなく、ペットを基準にして風向きや風量などを含めて温度調整をしてやることが大切だ。

過去に乗車経験があるペットでも前回から期間が空いている場合は、再び拒否反応を示す場合がある。そういった場合は最初と同じように、数分程度の短距離移動から少しづつ時間を延ばし、クルマに慣れさせるところから始めるとよいだろう。

【3】犬も猫も乗り物酔いをする!車酔いしたらどうすればいい?

動物も人間と同じく乗り物酔いを起こす。犬や猫が乗り物酔いを起こしたときの症状は以下の通りだ。

乗り物酔いの程度症状
軽度落ち着きがなくなる
吠える 鳴く 震える
あくびが頻繁に出る
中度呼吸が荒くなる
よだれが出る
重度嘔吐や下痢の症状が出る

動物の乗り物酔いは、クルマの揺れが三半規管などを刺激して平衡感覚や自律神経が乱れることで起こる。そのメカニズムは人間とおおむね同じだ。

動物も同じく、芳香剤のにおいのせいで乗り物酔いやすくなったり、緊張やストレスに加え、過度な満腹や空腹状態でも酔いしやすくなる。乗り物酔いを防止するには芳香剤の使用を控え、満腹状態で乗らないように食事時間を出発の2時間前を目安にして済ませておくとよいだろう。

換気をする際は窓を開ける量に注意しよう。窓を大きく開きすぎると外へ飛び出す恐れがある。

もし乗り物酔いの症状が出たら、車内の換気をして新鮮な空気を吸わせ、ペットがくつろげる場所にクルマを駐めて症状が回復するまで休憩させよう。

どうしても乗り物酔いを起こすなら、走行前に動物用の酔い止め薬を飲ませておく手もある。ただし、人間用の酔い止め薬をペットに与えることは厳禁だ。

【4】ペットは長時間の移動に耐えられない! 休憩の頻度はどれくらい?

人間と同じくクルマによる長距離の移動は動物にも負担となる。人間よりもやや早い1〜2時間周期での休憩を心がけよう。

長時間ドライブをするのなら、1~2時間ごとを目安に休憩を挟もう。乗り物酔いをしやすいペットなら30分ごとに様子を確認し、長くとも1時間ごとに休憩をさせてあげたい。ただし、よく眠っている場合は、起こしてまで休憩を取らせる必要はないだろう。

休憩中は水分補給と排泄をさせ、20〜30分間ほど芝生の上などを散歩すればペットもドライバーもリフレッシュできる。ペットが犬ならドッグランがある場所が休憩場所に最適だ。

ただし、ペットを車内へ放置するのは短時間であっても避けたい。とくに夏場は熱中症の危険があるうえ、夏以外の季節でも天気の良い日の車内は意外なほど暑くなる。

やむをえず車内にペットを残す場合は、日陰などにクルマを駐め、窓を少しだけ開けておこう。いつでも水を飲めるようにしておくことも大切だ。

また休憩をするためにクルマから降ろす際は、万が一逃げ出したりしないようにリードを確実につないでおこう。実際に高速道路のサービスエリアなどでドアを開けた瞬間に車内から飛び出したり、そのまま逃げ出してクルマにはねられたケースもある。

【5】急加速や急ブレーキは厳禁! 運転の仕方にも注意

運動能力に優れる犬や猫でも、車内に働くクルマの慣性力には逆らえない。慣性の影響が強く出てしまう急加速や急ブレーキ、急ハンドルは控えよう。

以上の4つが、ペットをドライブに連れていく際に気をつけたい最低限の注意点となる。ほかにも注意すべき点はあるが、もうひとつ付け加えるとすれば、それはドライバーの運転作法だ。

ペットは人間のように車内のどこかに掴まって身体を支えることはできない。クルマが揺れたりしても走行中は爪を立てて床面にしがみつくことしかできず、大きなストレスとなるうえ体力も消耗させてしまう。

ペットを乗せているときのアクセルペダル/ブレーキペダル/ハンドル操作は、乗り物しやすい子どもを乗せているとき以上に丁寧な操作を心がけることが大切だ。

上手な運転ができればペットにかかるストレスを緩和でき、乗り物酔い防止にも多少の効果があるだろう。クルマ嫌いのペットも、喜んでクルマに乗ってくれるようになるかもしれない。

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