目次
トヨタ アルファードは、2002年に登場したフルサイズ・ミニバンで、当初から主に上級志向の顧客層をターゲットとしています。その豪華な内外装と高い居住性により、ファミリー向けとしてだけでなく、従来のリムジンに替わる新たなVIP送迎車としても高く評価されています。
2002年に初代モデルが登場したアルファードは、広々とした室内空間と高級感を打ち出したミニバンとしてスタートし、すでにパワーユニットにはV6エンジンのみならず、ハイブリッド・ユニットも用意されていました。基本形は初代モデルにおいてほぼ完成の域に達していたと言っても過言ではないでしょう。日本のミニバン市場に新たなスタンダードを確立した1台と言えます。
2008年に発売された2代目の20系では初代からの美点を受け継ぎつつ、快適性とラグジュアリー感がさらに強化されています。また、この2代目モデルから、販売店の異なる、ややスポーティな仕上げとされたヴェルファイアという兄弟車が誕生しました。2015年に登場した3代目の30系では、デザインの洗練と安全技術の進化が図られ、アルファードはさらに高級ミニバンとしての地位を確立して行きました。そして2023年には、先進技術とデザインを一新した4代目となる40系が登場、パワフルでエコな走りを実現し、さらなる進化を遂げています。
2024年10月現在、中古車市場では、根強い人気を誇る初代モデルから現行の40系まで実に様々なアルファードが販売されていますが、今回は中古車市場での中心だと思われる先代モデルの30系と現行モデルの40系をフィーチャーします。
3代目 30系(2015年~2023年) / いまだ現役、圧倒的存在感と快適性を両立の高級ミニバン
中古車価格帯:174~998万円(ショップカスタム車除く) 平均中古車価格:586万円
30系アルファードは、その圧倒的な存在感を持つ迫力のあるフロントグリルとシャープな外観デザインが特徴で、室内には広々とした3列シートに加え、上級グレードではエグゼクティブラウンジシートが装備され、長距離でも快適に過ごせる座り心地を提供します。また、トヨタ セーフティセンスが採用され、衝突回避支援や車線維持支援など、多くの先進的な安全技術も標準装備されています。
他方、弊メディアが実車オーナーに実施している『モーターファン ユーザーアンケート』には、大型ミニバンとしては仕方ないものの、ハイブリッドモデル以外の燃費はあまり良くないという声が寄せられています。特にV6エンジン搭載モデルでは、日常使いでの燃費が気になるところのようです。また、大型ミニバンゆえに当然ながらサイズが大きいため、都市部での取り回しの難しさや不便さに対する声が寄せられています。
中古車を選ぶ際、30系は走行距離が多い個体も多いため、走行距離やメンテナンス履歴をよく確認し、特に足まわりやエンジン周辺の状態に注意することが必要です、また、ハイブリッドモデルではバッテリーの劣化具合を確認することも重要でしょう。
2024年10月現在の中古車市場では比較的タマ数が多く、180万円程度からのスタートとなっています。しかしながら40系登場直前あたりの高年式では1000万円を超える個体もあるので、まさに価格はピンキリと言えるでしょう。ショップなどによる独自のカスタムが加えられていると2000万円に達するものもありましたが、そのようなショップカスタム車ではなく、ノーマルの30系の平均的な中古車価格では、今回の調査では600万円程度となっています。
詳細スペック: 3.5エグゼクティブラウンジ(FF) / DBA-GGH30W型
全長×全幅×全高(㎜)=4915×1850×1935
ホイールベース(㎜)=3000
エンジン:3.5ℓ V型6気筒DOHC
駆動:FF
最高出力:280ps(206kW)/6200rpm
最大トルク:35.1kgm(344Nm)/4700rpm
使用燃料:無鉛プレミアムガソリン
トランスミッション:6AT
車重(kg):2100
燃費:9.5km/L(JC08モード)
新車価格:652.2218万円
※2015年発売当時のスペック
4代目 40系(2023年~) / 進化した豪華さと先進技術を融合した最新モデル
中古車価格帯:757~1299万円 平均中古車価格:1028万円
40系アルファードは、モダンでスタイリッシュなデザインと豪華な内装がさらに強化されており、パノラマルーフや高級素材を使用したシートなど、細部にわたる豪華さが特徴です。2.5Lハイブリッドシステムやより効率的なガソリンエンジンの搭載により、燃費性能が改善されているほか、新しいプラットフォームの採用で静粛性と走行性能も向上しています。トヨタ セーフティセンスもさらに進化し、高度な自動運転支援システムや360度カメラシステムなど、最新のテクノロジーがふんだんに搭載されています。
しかしながら装備の進化と充実は価格に反映されるため、新車価格が非常に高額です。また、装備の多さから使いこなすのに時間がかかる可能性がある点も考慮が必要でしょう。特に年配のユーザーや車に詳しくない人には、装備の多さがデメリットになるかもしれません。
40系はまだリリースされたばかりのため、中古車市場でも比較的高値で取引されています。2024年10月現在の中古車市場ではまだまだタマ数は多くなく、760万円程度からのスタート、1200~1300万円までとなっていました。このためコストパフォーマンスを重視するユーザーにはややハードルが高いかもしれません。現状では新車購入とさほど変わらないため、「どうしても早く欲しい」という以外、積極的に中古車で購入する理由は希薄です。購入を急ぐ必要がないなら、現状では値下がりを待つ方が良いでしょう。
弊メディアが実車オーナーに実施している『モーターファン ユーザーアンケート』に寄せられた声も少ないため、車両や装備に対する具体的な注意点が見えてきませんが、40系の問題点も、ほぼ30系に準ずるものと考えておくと良いでしょう。また、新しいモデルはメーカー保証がまだ有効な場合が多いですが、中古で購入する際には、保証がどれだけ残っているかを確認しておきましょう。
詳細スペック: Z (FF) / 3BA-AGH40W型
全長×全幅×全高(㎜)=4995×1850×1935
ホイールベース(㎜)=3000
エンジン:2.5ℓ 直列4気筒DOHC
駆動:FF
最高出力:182ps(134kW)/6000rpm
最大トルク:24.0kgm(235Nm)/4100rpm
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
トランスミッション:CVT
車重(kg):2060
燃費:10.6km/L(WLTCモード)
新車価格:540万円
※2023年発売当時のスペック
トヨタ アルファードは、その圧倒的な高級感と快適性が魅力ですが、30系でも40系でも燃費性能や価格面では注意が必要です。特に中古車購入を検討する際には、走行距離やメンテナンス履歴に加え、ハイブリッドモデルのバッテリー状態などはくれぐれも慎重にチェックするよう心掛けてください。