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エントリーユーザーにも“走る楽しさ”を感じてもらう
カスタマイズやイベントを通じて“クルマの楽しさ”を伝えてきたGR札幌厚別通。もっとも手軽に参加できるJAF公認のモータースポーツ『オートテスト』に関わったり、クラブチームを立ち上げワンメイクレース、ラリー、ジムカーナに参戦したりと、モータースポーツにも積極的だった。そんなGRガレージ札幌厚別通が移転し、GRガレージ札幌西として7月にリニューアルオープン。以前と変わらず“走りを楽しむ”場を提供することにも積極的で、とりわけエントリーユーザーを重視。10月26日、十勝スピードウェイを舞台に開催された『サーキットを楽しもうの会!!』でも、サーキット慣れしていないエントリーユーザーが無理なく楽しむための配慮がなされていたのだ。
GRガレージ札幌西・サーキットを楽しもうの会!! 全画像27枚はこちらから
クラスは初級、中級、上級が設定され、上級、中級ではタイム計測も行われた。注目は初級クラスで、スーパーフォーミュラ、スーパーGTで活躍するレーシングドライバー、大湯 都史樹選手による先導アリの走行だったのだ。各参加者にはトランシーバーが渡され、アクセル・ブレーキ操作等々、丁寧にレクチャー。「わかりやすい」「気持ち良く走れた」と大好評だったのである。各クラス3回の走行枠があり、初級者クラスは回数を重ねるに従いペースを上げる“カリキュラム”。この日を境にドライビングが劇的に向上した人もいるかも!?
実際に走った参加者の声を聞いてみた
トヨタ、GR車での参加が多かったが、ランエボ、WRX、シビックタイプR、輸入車など、様々なブランドのクルマでの参加があったのも当イベントらしい風景。そして上級クラスのドライバーは、和気あいあいとした中でも本気モードで、タイヤの履き替え、空気圧チェックはもちろん、走行前の準備を念入りに行っているのが印象的だった。ラップタイムでも、GRガレージ札幌西の古島さん曰く「十分速い」という1分32秒台を掲示するドライバーもいたほど。エントリーユーザーを大事にする姿勢だが、ホンキの参加者も十分楽しめる……というワケだ
【参加者1】石川 睦さん(初級クラス)
トヨタ86GRで参加していた石川さん。サーキット歴は、購入した年にサーキットトレーニングに参加したり、他の走行会に参加したり。オートテスト参加歴もある。「今日の先導は、『ここは、この辺りでアクセルを抜いて、ブレーキを使わなくても大丈夫』とか優しかった。スピードはそんなに速くなかったけど、コーナーがいつもより気持ち良かった」と満足の様子。ホンキ勢と完全に分かれての走行だったので、安心して走れたのも好印象だったようだ。
【参加者2】佐藤 満さん(初級クラス)
赤いラインによりエアロパーツの形状がハッキリわかるスープラで参加した佐藤さん。サーキット走行は2回目で、昨年の当イベントがサーキットデビューだそう。「昨年が楽しかったので今年も」参加したのだ。新車の段階でホイール、足まわり、エアロ、マフラーを換装したが、一度サーキットを走りホールド性は重要と痛感。そしてこの日のため(?)にレカロシート+4点式のハーネスを導入した。ウイングも新たに導入したが、「高速道路でも体感できた。サーキット走行でも!」と、走行前にはその効果に期待していた。
【参加者3】小石翔太さん(上級)
ジムカーナをやっていて某メーカーからスカラシップを受けているという小石さん。愛車のBRZは、この日、基本セッティングはそのままに、タイヤ&ホイールのみ換えた状態での参加だった。「元々高野さん(GRガレージ札幌西のGRコンサルタント)とダブルエントリーでジムカーナに出ていた」そうだ。この日の課題は「クルマに慣れること」。なぜなら今年、ターボを追加から。ソレに合わせ足まわり変更が必要だったりと、「特性が全然違う」クルマになってしまったのだ。この日は、果たしてどこまで“慣れ”たでしょうか?
“走り”以外のコンテンツも充実!
お昼には大湯選手、トヨタ自動車のサーキットモード開発を担当する内田さんを迎え、トークショーが行われた。大湯選手は、自動車メーカーごとの個性について話したり、十勝スピードウェイを速く走るコツなどの質問に答えてくれた。内田さんは後期GRヤリスに追加可能な『サーキットモード』について話してくれた。
GRヤリスの後期モデルに追加可能なオプション(Tコネクトへの加入は必要だが、このサービス自体は無料)の『サーキットモード』を搭載した車両も持ち込まれた。内田さんをはじめトヨタのスタッフも来場し、『サーキットモード』をアピールしていた。『サーキットモード』は専用アプリをダウンロードしたスマホを利用して車両制御を切り替える方式で、サーキットのみで利用可能。コチラでできるのは①スピードリミッターの引き上げ、②アンチラグ制御、③専用メーターへのシフトインジケータ―の表示、④レーシングファン機能。注目は②ターボラグを低減するアンチラグ制御。大湯選手も「つきが良くなった。すごく良かったです!」と絶賛。オフ、弱、中、強が選べるなど、オーナーの好み、走るコース等によってカスタマイズできるのも魅力。④レーシングファン機能は、高負荷走行から戻ってきたときに、エンジンを効率よく冷やすことができる便利機能。「ボンネットを開けなくてもかなり冷える」(内田さん)そうで、ジムカーナの選手にも好評な“効く”機能だ。
後期GRヤリスで参加したオーナー2名に同乗試乗してもらった。しかも、大湯選手のドライブで! かりそまさんは、「加速のつきがすごかった。コーナー出口の加速も良かった!」と驚いた様子。「(GRヤリスを)買って良かった!」とも。沢さんも「(走りが)スムーズになった気がします。大湯選手が楽しそうに運転していたので、そういうことなんだろう、と思う」とコメント。二人とも、「(サーキットモード)オフでも凄かった……」とコメントしていたことも付記しておく。
車両展示も注目で、LFA、NSX R、LBXモリゾーRRのMT、ATが並べられたのだ。同じショップに足を運ぶ“仲間”とのクルマ談義、サーキットランを楽しむことに加え、希少な&最新の注目車両を見たり、気になるグッズを手に入れる貴重な機会でもあったり……。サーキットだからと構えることなく、初心者でも誰でも楽しむことができる走行会だっただけに、次回の開催も待ち遠しい!