魂動デザインが美しいシリーズ最小SUV「マツダCX-3」【最新コンパクトカー 車種別解説 MAZDA CX-3】

デビューから10年近くがたっているがまったく色褪せない魅力を持ち続けている「マツダCX-3」。流行に流されないデザインは長く愛されながら、その中身は常に進化している。パワートレインの追加や変更などでラインナップを変化させながら、方向性も今に合わせたスタンダードモデルと言える。
REPORT:渡辺陽一郎(本文)/山本晋也(写真解説) PHOTO:神村 聖 MODEL:星野芽生

安定性に優れた重厚な乗り味 上質なインパネは快適性も◎

CX-3は魂動デザインとスカイアクティブ技術を使った最初のコンパクトSUVで、2015年に発売された。

エクステリア

多くの機械式駐車場に収まる全高1550㎜のフォルム、光沢あるブラック塗装のフェンダートリム、ブラックルーフなどがクーペSUV的なスタイリングを表現。ルーフスポイラーやアルミホイールは全車に標準装備される。最小回転半径は5.3m。

発売時点では1.5ℓクリーンディーゼルターボのみを搭載したが、価格がCX5に近いこともあって売れ行きが伸び悩み、17年に2.0ℓガソリンエンジンを割安な価格で設定した。それでも販売はいま一歩で、20年にはさらに安価な1.5ℓガソリンを加えた。今は1.5ℓのガソリンと1.8ℓのディーゼルターボを用意する。

インストルメントパネル

撮影車のセンターディスプレイは8インチサイズだが、現在は8.8インチの「マツダコネクト」が標準装備。写真では見えづらいが、オートホールド付きEPBを標準装備するなどデビューから9年を過ぎても着実に進化している。

販売不振の原因には、価格の高さ以外に後席の狭さも挙げられた。CX-3は全長が4200㎜を上まわるSUVだが、その割に4名で乗車すると窮屈に感じる。その代わり前席は快適だ。インパネの周辺はミドルサイズSUV並みに上質で、ペダル配置も適切だから運転姿勢も自然な印象。シートのサイズにも余裕があり、腰をしっかりと支えて長距離ドライブにも適する。

居住性

売れ筋の1.5ℓ直列4気筒エンジン搭載車は、FFでも車両重量が1200㎏を超える。動力性能こそ高くはないが、エンジンの性格は実用回転域の駆動力に余裕があって扱いやすい。ATも6速だからエンジンパワーを有効活用できる。

うれしい装備

全グレードに後席中央にアームレストを格納している。展開するタイプのカップホルダーは上級モデルの雰囲気で、使いやすいのもうれしい。
前席シートヒーターとステアリングヒーターを、すべての特別仕様車に標準装備する。標準車にはオプション設定がない点は留意したい。
月間販売台数      686台(23年11月~24年4月平均値)
現行型発表       15年2月(商品改良 23年9月)
WLTCモード燃費     20.0 ㎞/ℓ※「XD Touring」のFF  

ラゲッジルーム

プラットフォームはマツダ2と共通だが、足まわりなどの設定は異なり、タイヤを支えるボルトもマツダ2は4本だがCX-3は5本だ。コンパクトSUVの中では直進安定性が優れ、乗り心地にも重厚感が伴っている。上質なSUVを2名以内の乗車で使いたいユーザーにお薦めだ。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.159「2024-2025 コンパクトカーのすべて」の再構成です。

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