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■ハッチバックから4ドアハードトップに大変身した2代目オプティ
1998(平成10)年11月30日、ダイハツの「オプティ」が初めてのモデルチェンジで2代目に生まれ変わった。2代目オプティは、トランクルームを持つ軽自動車として唯一の4ドアハードトップに大変身したが、軽ハイトワゴンブームに圧倒され、注目されるも厳しい販売を強いられた。
女性をターゲットにしたお洒落なオプティ誕生
オプティは、個性的なスペシャリティカーの「リーザ」の後継として、そして当時のダイハツの基幹モデル「ミラ」よりワンラック上のモデルとして1992年に誕生した。
スタリングは直線基調のミラとは対照的に、大きな楕円形状のヘッドランプを装備したキュートなラウンディッシュなフォルムを採用。張りを持たせたフェンダーラインや曲線形状のルーフが優しい雰囲気を醸し出し、主なターゲット層は女性だった。
インテリアもお洒落なだけでなく、シートなどは質感へのこだわりが随所に見られた。さらに乗り心地と静粛性を向上するために、フルフローティング式エンジンマウント、2重鋼板のエンジンヘッドカバーなどが採用され、室内カーペットも遮音性に優れた材料が使われた。
パワートレインは、最高出力55ps/最大トルク5.8kgmを発揮する659cc直3 SOHCエンジンと5速MTおよび3速/4速ATの組み合わせ。駆動方式は、FFと4WDである。
上質に仕上げられたオプティは、女性だけでなく男性にも好感を持って受け入れられ、5ドアを追加するなどバリエーションを充実させながら、好調な販売を続けた。
軽自動車初の4ドアハードトップに変身した2代目
1998年10月の軽自動車の規格改正により、ボディサイズは全長3400mm/全幅1480mm/全高2000mm(全長100mm、全幅80mm拡大)となり、これに合わせて同年11月のこの日にオプティは2代目に生まれ変わった。
グレードは、標準仕様とスポーティな「オプティ・ビークス」の2タイプが用意され、最大の特徴は軽自動車で初めて4ドアハードトップを採用したこと。
小さなトランクを設け、サッシュレスのドアを組み込んだ、軽としては個性的なスタイリングは大きな注目を集めた。また、大きなグリルと丸型異形4灯ヘッドライトのフロントマスクと、切り取ったようなリアに装備された丸型異形4灯のコンビランプも個性的だった。
エンジンは、最高出力58psの659cc直3 DOHC、実用性を重視した45psの直3 SOHC、64psの直3 DOHCインタークーラー付ターボ、そして同じく64psの直4 DOHCデュアルフローターボの4種。組み合わされるトランスミッションは5速MTおよび3速/4速AT、駆動方式はFFとフルタイム4WDが用意された。
車両価格は、FF仕様で標準オプティが81.6万~99.0万円、ビークスが97万~115万円。当時の大卒初任給は19.6万円程度(現在は約23万円)だったので、単純計算では現在の価値でオプティが96万~116万円に相当する。
4ドアハードトップという個性豊かなスタイリングとセダンらしい快適な乗り心地で異彩を放った2代目オプティだったが、販売は期待したほど伸びなかった。
クラシックシリーズ投入も回復できず生産終了
販売テコ入れのため、初代モデルで人気を獲得した「クラシック」シリーズが2003年に投入された。
クラシックのエクステリアは、専用バンパーや各種メッキ、メタリック塗装のホイールキャップを装着、インテリアには専用のシート&ドアトリムやウッドステアリングホイール、ウッド調センタークラスターなどが組み込まれた。また、ビークスについては内外装を見直し、よりスポーティに仕上げたが、販売は低調のまま推移した。
2000年を迎える頃には、軽市場は実用性重視のハイトワゴンが席巻、セダンは出来栄えに関わらず人気を得ることは難しくなり、結局オプティは2002年に生産を終了した。
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独立したトランクに4ドアハードトップという軽自動車にはない新スタイルに挑戦したオプティ2代目。ハイトワゴンが市場を席巻する今、こんな軽自動車があってもいいかなと思ってしまう。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。