【フィアット500PINK!オーナーレポート 番外編】

チンクエチェントだけじゃない!パンダやプントにスパイダー『2024 All Japan FIAT&ABARTH 500 Meeting』のエントリー車を一気に見せます!!

山梨県富士吉田市にある富士北麓駐車場(富士山パーキング)を会場に『2024 All Japan FIAT&ABARTH 500 Meeting』が開催された。これはフィアット&アバルトシリーズが主役のイベントで、今回は全国から過去最高となる600台が集まった。が、イベントにエントリーしたのは500シリーズだけではない。リポート最終回となる今回は会場で出会った素敵なアバルト&フィアット車+BEVの500eを紹介する。

500シリーズ以外にも魅力的なフィアット&アバルト車がエントリー

2024年11月4日(月)に山梨県富士吉田市にある富士北麓駐車場(富士山パーキング)で開催された『2024 All Japan FIAT&ABARTH 500 Meeting』リポートの最終回は、新旧フィアット&アバルト500以外のエントリー車両について取り上げたいと思う。

『2024 All Japan FIAT&ABARTH 500 Meeting』の会場全景。旧フィアット500、およびそのほかのフィアット&アバルト車は、3代目500シリーズが駐車するメイン会場ではなく、隣接する展示スペースに並べられた。

このミーティングはタイトルにもある通り、フィアット&アバルト500を対象としており参加車両の9割以上を占めてはいるが、フィアットやアバルトで生産された車両なら車種を問わずエントリーが可能。

アバルト124スパイダー。ご存知の通りND型マツダ・ロードスターをベースとした姉妹車で、トリノにあるフィアット工場ではなく広島のマツダ宇品工場で生産されていた。エンジンはフィアットオリジナルの1.4L直列4気筒ターボ「マルチエア」となる。ロードスターは現在でも生産が続いているが、124スパイダーは2020年に生産を終了した。

台数としては少ないもののアバルト124スパイダーやフィアット・プント、パンダなどのほか、アバルト750デリヴァツィオーネのような希少なモデルの姿もあった。今回はそれらの車両を写真を中心に紹介して行くことにしよう。

クラシックカーから現行モデルまでエントリー車を一気に紹介!

希少なアバルト750デリヴァツィオーネ。カルロ・アバルトが手掛けたチューニングキットを組み込んだフィアット600の高性能版。アバルトのキットはエンジンのストロークを延長する鍛造製クランクシャフト&特製ピストンを始め、シリンダーヘッド、スポーツカムシャフト、大径キャブレター、インテークマニフォールド、スポーツマフラー「マルミッタ・アバルト」で構成されており、これらのコンプリートキットは「アバルト750デリヴァツィオーネ」と名付けられてアフターマーケットで販売された。
アバルト750デリヴァツィオーネのリヤビュー。コンプリートキットはユーザー自らが装着することを前提としており、フィアット600の新車価格59万リラに対して、車両価格の半分近い25.5万リラで販売された。
現行型のアバルト 500e。日本では2022年6月から販売を開始したBEVで、スタイリングは3代目を踏襲しつつリファインされた。航続距離は最大303kmを誇る。
アバルト500eのリヤビュー。EUのBEV推進策もあって鳴り物入りで登場したフィアット/アバルト500eであったが、BEV補助金とともに販売は失速。現在、トリノのミラフィオール工場は開店休業状態にある。これに慌てたフィアットは急遽マイルドハイブリット版の「イブリダ」の販売を発表したが、欧州での販売開始は2025年末、日本市場への投入は早くても2026年になるだろう。これは日本にも言えることだが、政治家や役人の話を真に受けるとひどい目に遭うと言う典型例である。
ちょっと珍しい小型MPVのフィアット500L。500を名乗るがスタイリングを寄せただけで、プラットフォームやメカニズムはプントのものを流用している。イタリアを含む世界100ヶ国以上で販売されたが、なぜか日本では正規輸入されず。わずかな並行輸入車が国内で販売されるに留まった。
フィアット500Lのリヤビュー。出店したショップ関係者のクルマだったらしく車載トレーラーを曳いての参加となった。写真を見る限り、500Lはブサイクなクルマに見えたのだが、実車はなかなか愛嬌のあるスタイリングで悪くない。写真写りの悪さが難点だが、日本で販売しても案外好評を得たのではないだろうか?
SUVのフィアット500X。2014年に登場したジープ・レネゲイドの姉妹車で、日本市場では2015年から販売を開始した。FWDモデルと4WDモデルの設定がある。生産はイタリア・メルフィにあるSATA工場で行われているが、開発に当たってはジープの技術陣が協力していることもあって、4WDを選べばオフロードでもレネゲイドほどではないが結構走る。
フィアット・アバルト124ラリーを彷彿とさせる ボンネットをマット処理したアバルト124スパイダー。ホイールは深リムの社外品に変わっている。
1995年に登場したフィアット・バルケッタ。プントベースのFWDオープンスポーツカーだ。オシャレなルックスとは裏腹に日本仕様は左ハンドルの5速MTのみという硬派な仕様。
2007~2010年にかけて生産されたアバルト・グランデプント。500の人気に隠れてイマイチ影は薄かったが、広いキャビンとラゲッジを備えることから乗り心地の固さと3ドアハッチバックという点に妥協れきればファミリーカーとしても使用できなくはない(家族からのクレームは必至だろうけど……)。中古車相場もこなれており、実は筆者的に結構オススメの1台。
2009年にグランデプントがマイナーチェンジしたのに併せて登場したアバルト・グランデプント・エヴォ。エクステリアはフェイスリフトを行い、それに併せてリヤコンビランプのデザインも変更された。エンジンは1.4L直列4気筒ターボ「マルチエア」から変更されてはいないが、最高出力は15psアップの165psに強化。アバルト・グランデプントに引き続きアップグレードキットのエッセ・エッセも用意された。販売不振により2015年に生産終了。
これは懐かしいフィアット・プントHGTアバルト。初代プントの後継として1999年に登場した(日本では2000年から販売を開始)。アバルトの名前が与えられているが、これはHGTにアバルト製のエアロパーツを装着しただけで、開発作業にアバルトが関わっているわけではない。日本仕様は5ドアに1.2L直列4気筒エンジンにCVTを組み合わせたELXスピードギアと、写真のプントHGTアバルトのみが販売された(ベース車のHGTの販売はなし)。
2代目フィアット・パンダのモデルライフ途中に追加されたパンダ100HP。エンジンを強化した上で、前後専用のバンパー、ボディーサイドにはオリジナルのストライプとが入り、フロントバンパー下部からアーチモール、サイドスカート、リアバンパーにブラックガーニッシュが取り付けられた。正規輸入されたのは130台のみで、標準ではルーフレールは備わらない。
3代目フィアット・パンダをベースにしたコンパクトクロスオーバーのパンダクロス。かわいいルックスながら6速MT+4WDの本格派。パンダクロスは2020年と2023年に販売された限定車だが、ボディカラーがパステルイエローなので2020年に生産されたモデルだとわかる。
「ステラ」のブースで展示されていた3代目フィアット・パンダ。
ウェッズとのコラボで製品化されたP.C.D98のフィアット用15インチホイールなどのオリジナルパーツを装着したデモカーだ。
カーコーティングやカーシャンプーでお馴染みのFIREBALLが出展したアバルト124スパイダーのデモカー。塗装面は鏡のように光り輝いていた。

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著者プロフィール

山崎 龍 近影

山崎 龍

フリーライター。1973年東京生まれ。自動車雑誌編集者を経てフリーに。クルマやバイクが一応の専門だが、…