WRCラリージャパン2024で1年ぶりの仲間Wellpine Motorsportのみんなと表彰台に乗れました!【梅本まどかのラリー日記013】

梅本まどか
応援ありがとうございました♪
元SKE48のアイドル、うめまどこと梅本まどかちゃんは、2輪も4輪もモータースポーツが大好き♪ 今回の梅ちゃんラリー日記は、ラリー競技の最高峰、FIA WRC世界ラリー選手権「ラリージャパン2024」の参戦レポートだ。さて、結果は?
REPORT&PHOTO:梅本まどか(Madoka UMEMOTO)


WRCラリージャパン、2024年も挑戦できました!

Wellpine Motorsportのみんなと
Wellpine Motorsportのみんなと

2024年11月21日~24日まで愛知・岐阜で行なわれたFIA世界ラリー選手権2024第13戦「FORUM8 RALLY JAPAN 2024」 。今年もWellpine Motorsportからコ・ドライバーで参戦させて頂きました!

2024年、全日本ラリー選手権ではMORIZO Challenge CupにCUSCO RACINGから星涼樹選手と、XCRスプリントカップでは番場彬選手と組ませて頂きました。

そしてラリージャパンには、1年ぶりにドライバーの村田康介選手とペアを組み、全日本戦では個々違うチームのメカニックなどをしていたチームのメンバーが、ラリージャパン2023ぶりに集まりました。マシンも1年ぶりの出番になるGRヤリスです。

2024年のラリージャパンに備えて、ラリージャパン2023後に行なったエンジンのオーバーホールから始まり、各部の整備、夏頃から徐々に確認などをしてメカニックさんが作り上げて下さいました!

1年ぶりにみんなで集まりましたが、長く付き合ってきた仲間。なので、集まったときから変わらない雰囲気。もちろん最初は懐かしい気持ちもありましたがすぐに馴染み、いつも通りの空気感で挑めました。

ドライバーの村田康介選手はお兄ちゃん的存在♪

村田選手とは1年ぶりに組みましたが、実は競技の無い間もたくさんお世話になっていたのです。

ペースノートの作り方でわからないことの質問や、ラリーでのお悩み相談にのっていただいたり、またXCRスプリントカップで優勝した時に最初に「おめでとう!」と言ってくれたのも、クラッシュしてリタイアした時も、一番初めに連絡をくれたのは村田選手でした。

受付入口でパシャリ
受付入口でパシャリ

村田選手と話す中で、2023年はプジョー208からGRヤリスに車両が変わったのでクラス変更もあったけど、2023年から2024年の今回は変化がないので「ペースノートを英語にしてみよう!」という提案をもらったのです。私もXCRのときに番場選手と英語のノートに挑戦したし、村田選手はエクセディさんで働く中で2024年は英語をたくさん使ったそうで、その成果としてもいいんじゃない!?と。

英語のノートでラリージャパンなんてかっこよくて良さそう♪と、提案をもらった時は思いましたが、村田選手とは久しぶりのラリーなので不安があり、テストで試してみてから日本語か英語かを決めたいと話していたのですが…。

なんと、テストをする前の試走でトラブル発生! それから乗ることができず、今回はテスト0回で本番に挑むことになってしまったのです。

メカニックさんもそこから時間のない中でいろいろ部品を交換してくださり、監督もいろんなメーカーさんと話をつけてくださったり。

村田選手は「フィーリングは確かめたい…」と、なんとか試走はして準備をしていたら、あっ!という間に11月17日(日)になってしまいました。この日は豊田スタジアム入りし、受付です。

WRCのトップドライバーさんたちと安全講習も

3年目となれば受付もすんなりと終わり、安全講習までにレッキや車検の準備です。今回はスーツやインナーを新調したので、その確認やゼッケンをレッキ車に貼ったりしながら、淡々と準備を進めていきます!

安全講習は、2023年まではレッキ後の水曜日に、初めて出場する人のみだったのでバタバタしていたのですが、今回は日曜日の夕方。レッキが始まる前にみんなとゆっくりお話しする時間もとれました。

安全講習中です
安全講習中です

しかも、今回は警察の方が来て「日本の交通マナー」についての講習もあるということで、出場する選手全員が集まりました。もちろん、そこにはWRCのトップドライバーさんたちもいたのですが、そんな凄い選手たちと一緒に講習を受けるなんてなんだか感慨深かったです。

今回はセレモニアルスタート前にも選手全員が集まるタイミングがありました。2023年、2022年はトップドライバーさんに会うことがなかったのですが、「お! ヌービルおるやん♪」と、村田選手もかなりテンションが上がっていました(笑)。

村田選手とヌービル選手
村田選手とヌービル選手

最初は日本人選手だけで固まっていましたが、次第に海外ドライバーさんたちと交流を深めていったことは、これぞ世界選手権!ということをとても感じた瞬間です。

私も2024年、モリゾウチャレンジカップでお世話になっていたコーチのマルコさんが山本雄紀選手と参戦していたのでお話ししたり、いろんな選手とコミュニケーションがとれて楽しい時間でした!

マルコさん
マルコさん

ゆったりと進むスケジュール、ノート作りも着々と

月曜日からはいよいよレッキ(下見走行)。

レッキはラリーをする中でとても重要な時間です。全日本戦ではレッキは1日だけですが、WRCラリージャパンは3日間もレッキ日があるため、総距離は長いけど比較的時間に余裕があり、ノート確認などもしっかり行なえるスケジュールなので全日本戦ほど大変ではありません。

レッキ
レッキからお客さんもメディアの方も入り賑わっていましたよ

全日本戦の時はレッキスタートの30分前には待機車両がズラーッと並びますが、ラリージャパンの時はオンタイムか、それより遅れてスタートします。トップドライバーの人たちもスタート時間が早いだけで、決められた時間までに走れば問題ないのでゆっくりスタートするのです。WRC1→2/3→ナショナルクラスと、走り始めOKの時間が設定されています。私たちはナショナルクラスなので一番遅いスタートですが、念のためちょっと早め、WRC1がスタートするくらいに到着するように向かいましたが、2/3の時間に来ている選手が多く、レッキをスタートする姿を見たり、「あ! タナック選手だ」とお客さんのように楽しんでいました。

2023年と2022年は、早めにスタートする事があるかも…と早め早めに行動していましたが、3年目になると効率重視に変わっていき、水曜日は自分たちが走れる時間ピッタリくらいに到着し、睡眠時間をはじめ、いろいろとゆとりを持って行動していました。

このレッキの時間にペースノートを作るのですが、ラリージャパンもすでに3年目。そして2023年と同じ車両で同じペアということもあり、伊勢神トンネル/恵那/根の上高原など走ったことがある場所は2023年のノートを元に修正し、付け足したり、引いたり。新しいコースは1から作るのですが、半分くらいは2023年のノートを使いながらやっていきました。

最初に予定していた英語のノートは、練習が出来なかったので林道は諦めることに…。

英語となると全部書き直して英語用にしなくちゃ…と思っていましたが、そのまま使えたのでだいぶ楽ができました。1からノートを作るのと、すでに出来ているノートとでは2倍くらい大変さが違いますし、より正確なノートが作れるので、これまでの経験が活きていました。

やっぱり英語ノートも作ることに!

林道以外の岡崎と豊田スタジアムは距離も短くほとんど覚えられるので、リスクが少ないことから英語でチャレンジしてみてもいいかも!?という話になり、この2ヵ所だけ英語でノートを作ることにしました!

英語といっても選手みんなが同じではなく、使う単語が人によっても違い、数字や右左が英語なだけで、距離を数字で表わすほどでもない、日本語で言う「すぐ」や「から」にあたる言葉は人によって違うので、村田選手の英語用ノートという感覚です。

言葉の意味を確認しながらも、しっかり英語でトライした2つのSS(スペシャルステージ)と林道も作ることができました。2023年は落ち葉が多かったところが今回はなかったり、大雨でウェット用の安全なノートを少し攻められるように変えたり、いろいろ今回の道に合わせて変えることもでき、なかなかいいものができた感触はありました。

英語と日本語をSSで使い分けるのは初めて! 本番ではなく、スタート前に走るSSの最初の5コーナーくらい、日本語SSなのに「スタートしたらフィフティー」と間違えて英語で言ってしまったことがあり、切り替えは大変だなぁ~と思いましたが、スタートしてからはリズムもあるので苦戦することなく、逆に村田選手に「いいねー、英語わかりやすいし、楽しいわー」と喜んでもらえたので、英語でトライして良かったです。

またレッキの時は、朝スタートしてからは移動してレッキして…の繰り返しで、時間もどんどん過ぎていくので意外とバタバタ。お昼ご飯を食べるポイントやお手洗いに行くポイントなど、初めてのラリーだと悩むのですが、今回で3回目なので「去年ここに寄ったから…」と情報が凄く蓄積されていたので、大好きな五平餅を2日間も食べることができたし、お手洗いに困る事もなく快適にレッキを進めることができました!

村田選手
五平餅とフランクを買ってご機嫌な村田選手

2022年は五平餅が食べられず、2023年は1度だけ。でも今回は道の駅どんぐりの里と、しもやまの里の2ヶ所に寄ることができ、売っている味や大きさも違うので五平餅の食べ比べまでできた事は大満足♪
皆さんもぜひ、2025年のラリージャパンに来た時は五平餅の食べ比べ、してみてください!

いよいよ競技がスタート!

話は逸れましたが、無事にペースノートも作ることができ、いよいよスタートとなる木曜日。この日はお昼にシェイクダウン、夕方からセレモニアルスタート→SS1です。やっと本番車両に乗り走っていくのですが、実はこのシェイクダウンが一番ドキドキでした。

WRCラリージャパン2024
WRCラリージャパン2024はクラス2位!

2023年よりもコケが増えていたり、危険度が上がっていたり、しかも1年ぶりのWRCラリージャパン。そして、全然テストができていなかったので空気圧やセッティングをここで詰めなければいけない状況でした。1本目は確認で走り、ライバルたちとのタイム差を聞き、いろいろ試してどんどん煮詰めていきましたが、なんとラスト1本でタイヤをヒットさせてしまいバースト!

実はその1本前にも少しぶつけていて、久しぶりだと感覚が難しいな…と思っていたのです。メカニックさんも、シェイクダウンが終わってからセレモニアルスタートまでに、他にダメージがないかチェックしたりと、意外とバタバタに。SS1を走るまでは正直、めちゃくちゃドキドキで心配でしたが、始まってからは1度もぶつけることなく、メカニックさんに大きな迷惑をかけることなくクラス2位で走り切る事ができました!

きっとシェイクダウンも含め、本番前までメカニックさんがかなり大変だったので、「本番はやめてくれよー!」という想いが届いたのかもしれません(笑)。

監督からも「今年は絶対ぶつけないでね」と言われていたので、しっかり安定して走り切れたことは良かったなと思います。もちろん2位という結果は悔しいですが、今年の目標は”完走”、そして”2023年よりもいい走り“、”ぶつけない”という目標だったので、これが達成できてホッとしました。

スタッフ個々が自分のパートをこなし、みんなのパワーでクラス2位以上の感動!

実は2023年は雨や雪だったため、タイヤをウェットとソフトの2種類で戦っていて、今回も最初にこの2種類を選んで用意していたのですが、今回は少し雨は降りましたがほとんどがドライ路面。気温や路面温度もそれほど下がらなかったので、逆にハードで走りたくなり、ラリー中に監督に電話をして、タイヤ変更のお願いをしたのです。

メカさんたち
タイヤとホイールの写真を撮るメカさんたち

監督も体調が悪い中なのに手配してくださり、メカニックさんもタイヤを交換してくれたり、安定して走り切るためにいろんな所でそれぞれが動いたから走り切れたなと、今回はより感じました。

今回は、給油する場所にチーム員が給油アダプターを持って行かないと給油ができないとか、サービスも朝と夜のみでお昼はタイヤフィッティングだけとなり、みんなで集まる時間もなかったのです。私たちが朝スタートしたらそれぞれチームのいるところに向かい、給油しながら少し話したり、タイヤフィッティングゾーンの前で話して、作業をしてまたアタックしにいく。そんな感じで会話は少なかったのですが、一人一人が自分の仕事をそのタイミングでしっかりやり、それを繋いでいく感覚が今年は強かったです。

カニックさんたち
朝早くて寝ているメカニックと撮影しているのに気付きニヤニヤしているメカニックさんたち

改めて振り返ると、時間のない中、それぞれが必要なコミュニケーションをとり、お互い信頼してできたのも、3年間Wellpineのみんなでラリージャパンを経験し、戦ってきて、一緒に同じ目標を持てたからだと思います。そんな仲間に出会えたことも一緒にラリーできた事もホントに幸せです。

また、今回も私のシートポジションが低かったのでお客さんが見えなかったのですが、「めっちゃ人いるやん! 凄い!」とテンション上がりながら手を振る村田選手を見て、今回もリエゾンをはじめSSやサービスなどいろんなところで応援してくださった方がいてくれたことがとても励みになりました。時間に余裕がある時は声をかけてくださる方も多く、ホントに嬉しかったです。

岩村のリエゾン
岩村のリエゾン

応援、ありがとうございました!

2024年はラリーにたくさん出場することができ、最後に集大成としてWRCラリージャパンに出場し、海外のトップ選手とも交流でき、いろんなチャレンジもあり、コ・ドライバーとしてもまた1つ成長できた気がします。

応援してくださった皆さん、ホントにありがとうございました!

梅本まどか
応援ありがとうございました♪

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著者プロフィール

梅本 まどか 近影

梅本 まどか

SKE48に所属していた元アイドル。SKE48として鈴鹿2&4レースをPRした事がきっかけとなりモータースポーツ…