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モビリティをAIがデザインするメリットとは?
事前にもお伝えしたが、東京オートサロン2025会場ヤマハブースには、2台の低速モビリティ「DIAPASON C580 Fork 1」「DIAPASON C580 Fork 2」が展示されている。
一見すると、「ただの電動小型乗り物ですよね?」と言いたくなる。まあ、実際にはそうなんだけれど、この低速モビリティにはその制作過程において、これまでとまったく違う新しい手法が実験的に投じられている。
その新しい手法というのは、基本デザインをAIに提案させているという点だ。
開発を率いたヤマハ発動機の大東さんによると、主要用件を入力してAIに出させたデザイン案はおよそ3000件! それらは人間だと思いつかないような非常識なアイデアもあるし、逆に面白いものも多数見られる玉石混交。その中から選び出し、カタチにしたものを昨年の東京オートサロン2024会場へと出展したのが「DIAPASON 580」だった。
今回は、その「DIAPASON C580」へ、フロントにブルドーザーのようなアタッチメント、そしてリヤにはトレーラーを牽引したものが「DIAPASON C580 Fork 1」。そして、サスティナビリティとオフロードラリーをコンセプトにしたものが「DIAPASON C580 Fork 2」でTOYO TIRESとのコラボとなった。
実は、このアタッチメントや牽引トレーラーもAIによって生成されたものだし、トレーラーは組み立て式となったのもAIによるものだという。
AIにデザインさせるメリットは、多くの案を短期間に創出してくれて、トータル設計期間を大幅に短縮できることだという。
様々なレジャーシーンや作業などを楽しく、あるいは楽にしてくれるアイテムとしてはごく自然な仕上がりであり、言われなければAIがデザインしたとは気づかれないはず。
けれど、その一歩以上進んだデザインの現場を想像しながらDIAPASONを見てみると、そのモビリティからも先進性が感じられるはずだ。
外からは見えないすごい展示のフォーミュラE
そして、ヤマハがブース中央に展示するのが参戦中のフォーミュラEマシン。かつてヤマハはF1のエンジン供給を行っていたが、今回もそれに近い取り組みで、電動パワーユニット関連を供給する態勢でフォーミュラEに望んでいる。
そのパワーユニットは、モーター、制御系、減速ギヤからなり、減速は基本的に回生ブレーキのみを使用し、緊急用にフロントのみ機械式ブレーキを装備する。
ただし、それらはすべてフォーミュラEの車両カウルに隠され、外からは一切見ることはできない。電動ユニットはその外観を見せてしまうとライバルたちからは一見してスペックや設定が想像できてしまうだからだそうだ。
オートサロンで自社ブース中央に自社開発品が見えないものを展示している、珍しいケースとも言えるわけだ。
電動ユニットの効率化をコンマ数%のオーダーで続けていく地道な進化が電動車両によるレースの世界だという。それはもちろん、将来の市販車向け電動パワーユニット開発あるいは制御ユニットなどにも目に見えないところできっと反映されてゆくはずだ。
日本未発表モデルのバイクも
ヤマハではもちろんバイクも展示している。
海外で発表されたTRACER 9 GTを日本で初お披露目。キーレス機構を持たせたトップケースをアクセサリとして装着している。
マイナーチェンジして顔が最新のRシリーズと共通になったR3も日本初披露。
MT-03にワイズギアのツーリング用アクセサリを装着したモデルも参考出品。
2002年にMotoGP参戦に合わせて登場したファクトリーレーサー「YZR-M1」の2024年モデルも展示。
また、ヤマハブースではアンケートに答えると特製トートバックもプレゼントされる。
ぜひ、東京オートサロン2025では、ヤマハブース(北ホール11)へ足を運んでみてはいかがだろう。