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HONDA ACCORD
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NISSAN SKYLINE
室内空間が広いアコードと刺激的な内外装のスカイライン




アコード e:HEVは、モダンで洗練されたデザインが特徴だ。ボディラインは滑らかで流麗なシルエットを持ち、インテリアにも落ち着いた高級感が漂っている。
対するスカイライン400Rの外観は、筋肉質なシルエットが特徴的なベースモデルと大きな違いはないものの、専用装備となるガンメタ塗装ホイールやレッドカラーの対向ブレーキキャリパーなどが装着され、リヤには「400R」のバッジが備わる。インテリアはアルミの装飾パネルやレッドステッチでスポーティに飾られ本革スポーツシートが標準装備だ。
個々に見ればどちらも魅力的な内外装ではあるが、最新のアコードと比べるとスカイラインはどうしても古臭く見えてしまう。
後席空間はFFのアコードがわずかに広く、トランクルームの容量もアコードの方がスカイラインよりも60Lほど大きな570Lだ。両車ともに可倒シートによるトランクスルー機能が備わるためセダンとしての使い勝手は悪くない。
ホンダ アコード e:HEV
ボディサイズ=全長4975mm×全幅1860mm×全高1450mm
ホイールベース=2830mm
車両重量=1580kg
タイヤサイズ=235/45R18(前後)
日産 スカイライン 400R
ボディサイズ=全長4810mm×全幅1820mm×全高1440mm
ホイールベース=2850mm
車両重量=1760kg
タイヤサイズ=245/40RF19(前後)
演出され尽くしたスポーツか、構造がもたらすスポーツか


アコードはほとんどのシーンを最高出力184ps/最大トルク335Nmのモーターで走行するe:HEVだ。
平時はモーターで静粛かつ滑らかに走行し、アクセルペダルを踏み込めばエンジン回転と加速が同期して純ガソリン車のような乗り味に変わる。アコードのハイブリッドシステムは、シビックに搭載されるスポーツe:HEVを流用しつつ、さらに手を加えることでよりスポーティに演出されている。
対するスカイライン400Rは、最高出力405PSを発揮する3.0L V型6気筒ツインターボエンジンによる圧倒的なエンジンパワーと、FRならではのハンドリングによるスポーツフィールが最大の持ち味だ。
絶対的な出力ではスカイライン400Rが勝るが、アクセルレスポンスでは高トルクモーターで走行するアコードに歩がある。ただし、WLTCモード平均燃費はアコードが23.8km/Lで、スカイライン400Rが10.0km/Lと隔絶した燃費差があるのは仕方がないところだ。
ホンダ アコード e:HEV
エンジン形式=直列4気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=1993cc
最高出力=147ps/6100rpm
最大トルク=182Nm/4500rpm
トランスミッション=単速
駆動方式=FWD
日産 スカイライン 400R
エンジン形式=V型6気筒ガソリンツインターボエンジン
排気量=2997cc
最高出力=405ps/6400rpm
最大トルク=475Nm/1600〜5200rpm
トランスミッション=7速AT
駆動方式=RWD
対称的な魅力の2台!アコード e:HEV vs. スカイライン400R


アコードの価格は約544万円のワンプライスながら充実した装備を持つ。最新のホンダセンシング360が搭載され安全性能や運転支援機能も充実しており、燃費の良さや装備、維持費の安さを考慮すると安価なコストで快適な移動を楽しめるコストパフォーマンスに優れたモデルだ。
スカイライン400Rの価格はアコードより45万円高い約589万円となるが、その価格に見合う走行性能と上質感がしっかりと備わっている。先進安全機能やパワートレインはアコードに比べれば古いといわざるを得ないが、FR車が希少となった現在はハイパワーのFRというだけでも魅力的な存在だ。
両車ともにラグジュアリーセダンとしても、スポーツセダンとしても高い魅力を持つのは間違いない。アコードとスカイラインは、魅力の出し方が実に対称的な2台といえるだろう。