【2021年の推しカー|トヨタGR86/スバルBRZ】5年後、アイサイトを装着した6速AT車を愛車にしたい!(萩原文博)

トヨタGR86 & スバルBRZ
トヨタGR86 & スバルBRZ
2021年1月〜2021年12月の1年間に発表・発売されたニューモデルのなかから、思いっきり個人的な観点でベスト3を選出していただくこの企画。毎年数多くのニューモデルを取材する自動車ジャーナリストの萩原文博さんが選んだ「2021年の推しカー」は、トヨタ・アクア、シボレー・コルベット、そしてトヨタGR86/スバルBRZとなった。

TEXT & PHOTO●萩原文博(HAGIWARA Fumihiro)

2021年に登場したニューモデルのなかで最も優れたクルマを決める2021-2022日本カー・オブ・ザ・イヤーのイヤーカーは日産ノート/ノートオーラ/ノートオーラNISMO/ノートオーラAUTECH CROSSOVERのノートシリーズと決まりました。また、2021-2022インポート・カー・オブ・ザ・イヤーにはフォルクスワーゲン・ゴルフ/ゴルフヴァリアントとなりました。

日産ノートは価格コンシャスになりがちな国産コンパクトカーに、走行性能だけでなく、デザインなどに高い質感を実現したことなどが高く評価されましたし、5ドアハッチバック車のベンチマークであるゴルフはさらなる進化を遂げていて、これを超えるクルマを作るのは大変だなと実感しました。2021年もたくさんのクルマに乗る機会を得ることができました。そこで、2021年『私の推しカー』ベスト3を発表したいと思います。

第3位:トヨタ・アクア

「静粛性の高さとEV走行領域の広さはヤリスHVと段違い」

まず第3位は国産コンパクトカーのトヨタ・アクアです。初代モデルはハイブリッド車を身近な存在としてくれたモデルですが、2021年7月に登場した現行型アクアは、静粛性、走行性能あらゆる面でアップデートされていました。ハイブリッド車がさまざまな車種で設定されている昨今、アクアやプリウスのような専用モデルは必要なのか?という疑問は乗ったら即解消されました。コンパクトカーのヤリスのプラットフォームやパワートレーンを流用していますが、静粛性とEV走行領域が大幅に拡大されていることが特徴です。

これは、高出力なバイポーラ型ニッケル水素エンジンをハイブリッドシステムに搭載していることが大きいですが、モーターのみの走行からエンジンが始動する際にエンジンの回転数をそれほど高くしないようにする工夫が施されていると開発者に聞きました。その工夫の効果は絶大で、国産コンパクトカーの中では断トツの静粛性を実現しています。走行モードから「POWER+モード」を選択すると、アクセルペダルを緩めるだけで回生によって減速度を増大させ、滑らかに減速することができる「快感ペダル」を採用。アクセル・ブレーキペダルの踏みかえ頻度を抑え、ドライバーの負担を軽減しつつ意のままの走りを楽しめます。

また、燃費性能も国産コンパクトカーのなかでトップレベルのWLTCモードで35.8km/Lを実現。さらに駆動方式も先代になかった4WD車も設定。リアがダブルウィッシュボーン式となる4WD車の安定感のある走りは多くの人に自信をもってオススメできます。

トヨタ・アクア
トヨタ・アクア

第2位:シボレー・コルベット

「V8エンジンはピュア内燃機関のビンテージイヤーにふさわしい」

第2位はシボレー・コルベットです。2021年はどういう年なのかと考えた時に、自分は「ピュア内燃機関のビンテージイヤー」と思いました。2035年には販売される新車はすべて電動車になる予定です。また2022年にはトヨタとスバルが共同開発したEVも発売されるなど、電動化の波はさらに加速すると思っています。だから2021年は10年後振り返った時に「ピュア内燃機関のビンテージイヤーだったな」と思う気がしたのです。まさにそんな年に6.2L V型8気筒エンジンをミッドシップに搭載したスポーツカーのコルベットを推したいです。

6.2L V8といっても低負荷な走行時には4気筒となる気筒休止システムも搭載していますし、フロントだけでなく、リヤのエンジン後方にもラゲッジスペースがあるなどユーティリティも高いです。ミッドシップスポーツカーというと扱いにくそうな感じもしますが、シボレーコルベットはこれまで乗ったミッドシップスポーツカーのなかでは扱いやすいクルマで、センシティブな部分はまったく感じません。クーペもルーフ部分が外れますし、電動開閉式ルーフのコンバーチブルも用意。自分にとってはまさに2021年の内燃機関ビンテージイヤーを代表する1台と言えるクルマです。

シボレー・コルベット
シボレー・コルベット

第1位:トヨタGR86/スバルBRZ

「2021年に登場したクルマの中で最も尊い存在」

そして第1位はトヨタGR86/スバルBRZです。マツダロードスターを除けば、瀕死状態の国産スポーツカーのなかで、2代目モデルが登場したことにまず感謝です。エンジン排気量アップによる出力向上に合わせて、シャシー性能に磨きを掛けたことで、GR86とBRZはそれぞれのメーカーの哲学に基づいた乗り味を表現していると思います。

個人的に最も評価したいのは6速AT車に運転支援システムのアイサイトが装着されていること。スポーツカーとはいえ、安全装備が無視できない時代にキチンと応えてくれていることは高く評価できる点です。5年後もし、余裕があればアイサイトを装着した6速AT車を愛車にしたいと思わせてくれた楽しいドライビング性能も第1位とした大きな理由です。

5年後、10年後にこのGR86、BRZが稀少なピュア内燃機関のスポーツカーとして高く支持されているであろうと考えると、2021年に登場したクルマで最も尊い存在だと思っています。

トヨタGR86 & スバルBRZ
トヨタGR86 & スバルBRZ
トヨタGR86
トヨタGR86

2021年に買って良かったモノ:プジョー2008

プジョー2008
プジョー2008

2021年に購入したもので、一番良かったものは、4月に納車されたプジョー2008です。自宅が立体駐車場のためボディサイズに制約があるため、車種選びは悩みの種ですが、サイズ、デザイン、ADASどれをとっても文句なしのクルマです。まさか自分がフランス車オーナーと思いましたが、懐の深くゆったりとしたリズムの乗り味は心地良いです。

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著者プロフィール

萩原 文博 近影

萩原 文博

中古車専門誌とオプションをバイブルとして日々妄想に明け暮れた高校生時代を経て、大学在学中に某中古車…