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補助金は、もうすぐ枯渇する?
大ヒットしている日産サクラ。大ヒットのおかげ(せい?)で国の補助金(令和4年度分)は、8月29日現在で、予算残高は約126億円で、終了見込みは10月中旬~下旬目処となっている。7月25日時点では予算残高は約177億円だったから、1ヵ月ちょっとで51億円分の補助金が申請されたわけだ。
予算終了後にどうなるかは現在のところはわからない。サクラ/eKクロスEVの売れ行きにどう変化があるかも注目したいところだ。
とはいえ、サクラは軽BEVとして非常に魅力的に仕上がっている。
東京〜三浦半島ドライブで電費はどう?
何度か広報車を借りだし、試乗させていただいている。
往復50~60kmの日常の通勤や通学はまったく問題ない。では、週末の郊外ドライブはどうだろう? 週末に東京(目黒区)から横須賀までの往復ドライブをしてみた。
自宅ガレージで普通充電したサクラは、朝出発時は当然バッテリー100%。走行可能距離はエアコンOFFで166km、エアコンをONにすると149kmと表示されていた。秋めいてきたとはいえ、まだまだ暑い。もちろん、エアコンは25℃設定でONにした。e-PEDALもON、ドライブモードはECOで走行した。
目黒通り~第三京浜~横浜新道~横浜横須賀道路というルートで、横須賀の街へ。筆者にとっては、ホームタウン。片道50~60kmといえば、東京を起点に考えればかなりの範囲がカバーできるはずだ。
高速道路はプロパイロットを80km/hに設定してON。プロパイロットは頼りがいがある。安心してドライブできると同時に、速度が80km/hを超えない(うっかりすると超えてしまいそうになるので)ようにできるのもいい。
モーター駆動のサクラは、もちろん静かでいいのだが、路面が荒れている第三京浜を走ると、タイヤが原因と思われるロードノイズが気になった。
横須賀に着いた時点で約60km走行。残りの走行可能距離は98kmと表示されていた。これなら復路も安心だ。
結局、この日は115km走行して、帰宅した時の走行可能距離は38kmとでていた。つまり、153km走行できるというわけだ。特段エコランしたわけでなく(平均速度は40km/hで、全体の6割はプロパイロットON)普通の走りでの走行距離だ。
横須賀へ出かける前に横浜の日産グローバル本社から自宅までの走行した分も含めて
144.9km走行して、電費は8.9km/kWhだった。
144.9kmで8.9km/kWhということは、トータルで使った電力量は16.28kWh。
電気代を30円/1kWhで計算すると488.4円かかったことになる。
つまり、1km走るのに3.37円/kmだったわけだ。
同じコースを
ガソリン車(レギュラーガソリン車)で走ったら、レギュラーガソリンが160円/ℓだと仮定して47.5km/ℓの燃費に相当する。
ハイオク(170円/ℓだとして)ガソリン車だったら、50.4km/ℓだ。
筆者のマイカーはディーゼル車(BMW320d)。
軽油(140円/ℓ)だから41.5km/ℓの燃費で走らないとサクラと同じにはならない。
三浦半島は坂道が多く、しかも道の狭い谷戸がたくさんある。こういう場所は、BEVのサクラは得意だ。
週末のドライブで、サクラ、ますます気に入った。その経済性も魅力だ。
しかし、注意点も。自宅の普通充電で充電していたら、約30円/1kWh(電力会社との契約で変わるが)だが、急速充電を利用すると、途端に電気料金の単価は変わってくる。つまり、割高になる。週末ドライブも片道70km程度までならまったく問題ないけれど、80km以上になる人は、ちょっと考えないと……。ちなみにGoogleマップで見てみると、筆者の自宅から小田原駅までが80km弱。筑波サーキットも約80kmだ。このあたりが急速充電しなくても帰ってこられる限界のようだ。
日産サクラG 全長×全幅×全高:3395×1475×1655mm ホイールベース:2495mm 車両重量:1090kg 乗車定員:4名 サスペンション:Fマクファーソン式/Rトルクアーム3リンク式 駆動用モーター MM48型交流同期モーター 最高出力:47kW(64ps)/2302-10455rpm 最大トルク:195Nm/0-2302rpm 駆動用バッテリー 総電圧:350V 総電力量:20kWh WLTCモード:124Wh/km 市街地モード 100Wh/km 郊外モード 113Wh/km 高速道路モード 142Wh/km 一充電走行距離:180km 車両本体価格:294万300円