マツダ「CX-8」が大幅改良!オフロード志向の特別仕様車「Grand Journey」の追加がニュースだ!

日本をメインターゲットに、ミニバンユーザーが乗り換えるSUVとして生まれたのがマツダCX-8。ディーゼルエンジンも設定する3列シートのSUVでありながら、2列目にキャプテンシート仕様を設定するなどミニバン志向の強いユーザーにも訴求するクロスオーバーモデルだ。2022年11月2日に内外装のブラッシュアップを発表した。すでに予約も開始、発売は12月下旬になるという。
REPORT:山本晋也(YAMAMOTO Shinya) PHOTO:中野幸次(NAKANO Koji)

CX-5同様のフロントバンパーとワイドさを強調するリヤバンパーを新採用

写真は最上級グレードの「Exclusive Mode」。ボディカラーは新色ロジウムホワイトプレミアムメタリック(5万5000円高)となる。

多人数乗車に対応した3列シート車といえばミニバンしか選択肢がない……そんな風に思っていないだろうか。日本にはマツダCX-8という、3列シートSUVの選択肢がある。2017年の登場以来、3列目の安全性にも配慮したCX-8はミニバンユーザーからの乗り換え需要も多いという注目モデルだ。

そんなCX-8が2020年12月以来となる大幅な商品改良を発表した。内外装のブラッシュアップと乗り心地の改善が主なポイントとなっている。

具体的に外観から進化を見ていこう。

フロントまわりは、バンパーを車格でいうと弟分といえるCX-5と同様のフォルムとして、ヘッドライトは20セグメントLEDのアダプティブタイプとなった。ブロックメッシュタイプのフロントグリルはCX-8専用デザインとなっている。

ブロックメッシュの専用フロントグリルや、進化したLEDヘッドライトが新しい顔を特徴づける。
リヤバンパーは水平を強調したワイドなデザインに変わっている。

アピアランスの進化で注目すべきはリヤまわりだ。大きく変わったのはリヤバンパーで、そのほかテールレンズやシグネチャーなども改良が施されている。バンパーは横から見たときにはスパッと断ち切って見えるようにしつつ、後ろからはワイドで重心の低いスタンスの効いたフォルムに見せている。3列シート車であるCX-8のボリューム感を見事に表現している。

こうした前後バンパーの変更により、全長は改良前に対して25mm長くなった。また、ホイールアーチ部分のクラッディング形状をよりスタイリッシュにしたことで全幅も+5mmとなっている。

ボディカラーとしては新色の「ロジウムホワイトプレミアムメタリック」を追加設定。こちらはマツダ独自技術の匠塗TAKUMINURIによるものだ。

上級グレードのフロントシートは最新の知見により進化した

本革シートは内部のスプリング構造、座面形状などを根本的に見直した。

インテリアでの進化ポイントは、フロントシートである。全グレードで改良を受けているが、とくに本革シートについては座面のクッションばねを板状としたほか、座面形状自体を見直すことで、”骨盤を立たせる”ようにしている。マツダは「歩いているときの自然な姿勢を再現している」と主張しているが、実際に座ってみても、違和感なくシートと一体になったかのような感触が味わえることが確認できた。

2列目・3列目に座る乗員の快適性向上に寄与するのが、サスペンションの改善によるダイナミック性能の深化である。

クルマ酔いの原因として、頭が揺すられるような挙動が大きく影響しているという。具体的にはピッチングと呼ばれる前後の動きを抑制することで乗員の快適性が増すというのがマツダの主張。

そこでCX-8の商品改良ではサスペンションを見直した。具体的にはフロントのダンパーとリヤのスプリングを新しいものにすることで乗り心地を改善している。

同時に、コーナリングの安定感や素早いハンドル操作への応答性なども改善することで人馬一体感を向上。ドライバーの満足度も上げている。

先進運転支援機能では、高速道路でのクルージング&トラフィックサポートの採用により滑らかな走行ができるようになり、また前述したアダプティブヘッドライトの進化は夜間の視認性を高めている。

10.25インチのセンターディスプレイは上級グレードに標準装備。特別仕様車Grand Journeyにも備わる。

インフォメーションディスプレイとApple CarPlayのワイヤレス接続への対応、スマートフォンのワイヤレス充電、USB-C端子への対応(前席)などデジタルアイテムの利用環境も進化しているのはさすがだ。

コロナ禍のニーズに応える特別仕様車「Grand Journey」

パワートレインは、2.5ℓガソリン(190ps・252Nm)、2.5ℓガソリンターボ(230ps・420Nm)、2.2ℓディーゼル(200ps・450Nm)という3つのエンジンに6速ATを組み合わせたもので、それぞれにFFと4WDを設定するというのは従来通りだ。

一方、グレード構成は大きく見直された。

エントリーグレードは25S(ガソリン)、XD(ディーゼル)となり、装備を充実させた「Smart Edition」を用意するというのは従来通りだが、上級グレードとして設定されていたL PackageやPROACTIVEは廃止されている。

新設定された「Sports Appearance」は従来のL Packageを進化させたもの。
ボディカラーは有料色のマシーングレープレミアムメタリック。

その代わりに、スポーツテイストの中間グレードとして「Black Tone Edition」に加えて「Sports Appearance」を新設した。「Sports Appearance」にはL Packageから受け継ぐようにレッドインテリアを設定。外観では各部をグロスブラックに仕上げることで、全体のイメージを引き締めている。

最上級グレードを「 Exclusive Mode」として設定するのは従来通りだが、ボディ同色のクラッディングなどでゴージャス表現を強め、各部のシルバー加飾でメタル感も表現しているのが特徴。インテリアはブラック基調とすることで、ハイエンドであることをアピールしている。

「Exclusive Mode」のアルミホイールは高輝度ダーク塗装となる。
特別仕様車「Grand Journey」。ボディカラーはプラチナクォーツメタリック。

注目はアウトドア志向の強い特別仕様車として「Grand Journey」を設定したことだ。コロナ禍におけるユーザーマインドのチェンジに合わせて、ファミリーでのロングトリップニーズに応えるモデルとなっている。内外装でも差別化しているが、オフロード性能を高めるべく4WD仕様だけに絞っているのが特徴。ドライブモードにオフロードモードを設定しているのも、特別な装備となっている。

ドライブモードを切り替える「Mi-Drive」。Grand Journeyにはオフロードモードが備わる。

車両スペック

マツダCX-8 XD Exclusive Mode
全長×全幅×全高:4925×1845×1730mm
ホイールベース:2930mm
車両重量:1840kg
排気量:2.2L
エンジン:直列4気筒DOHCディーゼルターボ
最高出力:147kW(200PS)/4000rpm
最大トルク:450Nm(45.9kg-m)/2000rpm
駆動方式:FWD
トランスミッション:6速AT
WLTCモード燃費:15.8km/L
最小回転半径:5.8m
タイヤサイズ:225/55R19
乗車定員:6名
メーカー希望小売価格:482万2400円
マツダCX-8 XD Sports Appearance
全長×全幅×全高:4925×1845×1730mm
ホイールベース:2930mm
車両重量:1840kg
排気量:2.2L
エンジン:直列4気筒DOHCディーゼルターボ
最高出力:147kW(200PS)/4000rpm
最大トルク:450Nm(45.9kg-m)/2000rpm
駆動方式:FF
トランスミッション:6速AT
WLTCモード燃費:15.8km/L
最小回転半径:5.8m
タイヤサイズ:225/55R19
乗車定員:6名
メーカー希望小売価格:455万5100円
マツダCX-8 XD Grand Journey
全長×全幅×全高:4925×1845×1730mm
ホイールベース:2930mm
車両重量:1930kg
排気量:2.2L
エンジン:直列4気筒DOHCディーゼルターボ
最高出力:147kW(200PS)/4000rpm
最大トルク:450Nm(45.9kg-m)/2000rpm
駆動方式:4WD
トランスミッション:6速AT
WLTCモード燃費:15.4km/L
最小回転半径:5.8m
タイヤサイズ:225/55R19
乗車定員:7名
メーカー希望小売価格:457万8200円

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著者プロフィール

山本 晋也 近影

山本 晋也

1969年生まれ。編集者を経て、過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰することをモットーに自動車コ…